“投資初心者でも簡単に始められる”って本当?

注目度急上昇中の投資信託「ETF」って何?

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注目度急上昇中の投資信託「ETF」って何?

ETFは、一般の投資信託と比較して保有コスト(信託報酬)が低い銘柄が多い。NISA口座を利用して中長期的に投資を行う場合は、保有コストも損益に大きな影響を与えるので、このメリットは押えておくべきだろう
写真:タカス / PIXTA(ピクスタ)

日本銀行が金融緩和の一環で行っている“ETFの買入れ”。ニュースで聞いたことがある人も多いのではないだろうか。しかし、ETFとは…? 投資信託の一種だが、一般的な投資信託とは異なるらしい。ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんに、ETFについて教えてもらった。

「一般的な投資信託は、投資家から集めた資金を専門家が株式や債券などで運用し、その成果を得るもの。一方、ETFは『個別株式のパッケージ商品』と考えるとわかりやすいと思います。そのパッケージは日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、ニューヨークダウなど、国内外の株価指数ごとに用意されています。たとえば、日経平均株価のETFは、日経平均株価の対象となる225銘柄の株を買うこととほぼ等しい効果が期待できるのです」

指数ごとのパッケージになっているということは、ETFの価格も基本的には指数と連動することになる。大きく儲けたい人には物足りないかもしれないが、安定的に投資を進めたい人には向いている商品といえそうだ。さらに、ETFならではのメリットも聞いた。

【メリット1】どの証券会社でも買える
投資信託は金融機関ごとに取り扱う商品が異なるが、ETFは上場しているため、証券会社であれば、基本的にどこでも取引が可能。ただし、現状、銀行では扱っていない。

【メリット2】倒産の心配がない
個別株の場合、その企業が倒産してしまうと株券は紙切れになってしまう。しかし、ETFは個別株の集合体といえるため、たとえ1社倒産しても価値がゼロになることはない。

【メリット3】情報を仕入れやすい
個別株は、各企業の株価を追う必要がある。対してETFは、新聞やNHKのニュースなどである程度の価格を知ることができる。日経平均株価に連動したETFを所持している場合、「日経平均株価が上昇した」と発表されれば価格が上がっていることになる。

【メリット4】投資コストが低い
一般的な投資信託でも信託報酬(運用管理手数料)が低いものが出てきたが、年率の全体平均は0.73%程度。ETFの平均年率は約0.45%のため、保有コストはETFにメリットがあるといえる。また、ETFは安ければ数千円程度から投資できるため、購入コスト面でも比較的始めやすい金融商品だ。

【メリット5】株式と同じ方法で売買できる
一般的な投資信託は1日に1回だけ価格がつき、その価格で売買することになるが、ETFは株式と同様に、取引時間中(平日の朝9時から11時半、12時半から15時)はいつでも売買できるため、1日の間に売買を完結させることもできる。また、値段を指定(指値)しての売買も行えるので、あらかじめ利益や損失の金額を把握したうえで取引することも可能。

「“ETFは初心者向き”と言われますが、その理由のひとつは銘柄の選びやすさ。個別株を買おうとすると、国内でも約3500銘柄あるので、選ぶだけで一苦労です。その点、ETFの場合、東京証券取引所に上場されている銘柄は約200。連動する指数で絞れば、数えられるレベルです。そのくらいであれば、比較もしやすいですよね」

現在ETFは買い時といえるのだろうか?

「アベノミクスによって、2012年12月から現在まで日経平均株価は95%上昇しています。そこだけ見るとETFの調子もよさそうですが、昨年と今年を比べると11月末でややマイナス。さらに遡ると、日経平均株価の史上最高値は1989年12月29日の3万8915円ですが、現在は1万7400円ほど。調子の善し悪しは、区切る期間によります。ただし、現在ニューヨークダウは史上最高値をたびたび更新しているので、利益を上げるチャンスといえるかもしれません」

ETFですぐに大きな利益を上げることは難しいかもしれないが、中長期を見据えた投資の手始めには最適といえるだろう。将来的な個別株購入のための予行演習にもなるかもしれない。選択肢のひとつに入れてみてはいかがだろうか。
(有竹亮介/verb)

記事提供/『R25』

取材先深野康彦
ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルリサーチ代表。FP業界歴28年を誇る。メディアやセミナーを通じて、資産運用のほか、住宅ローンや生命保険、税金、年金などのお金回り全般についての相談業務や啓蒙を行っている。著書に『1万円から始めるETF投資』など。

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