預けたお金は何年で2倍になる?知っておくべき金利知識

現在の預金金利、過去最高の1500分の1!?

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通帳をみて、利息が少なくてがっかり・・・なんて経験をしたことがある人も多いはず 写真:マハロ / PIXTA(ピクスタ)
通帳をみて、利息が少なくてがっかり・・・なんて経験をしたことがある人も多いはず
写真:マハロ / PIXTA(ピクスタ)

バブル期には6%台もあった定期預金の利率。しかし、現在ではその影もなく、入ってくる利息は雀の涙…。今や、銀行預金は「預けるだけ」「増えない」と考えている人がほとんどだろう。総務省統計局の「主要金利水準」、日本銀行の「金融経済統計月報」を見ても、普通預金・定期預金ともに、金利は相当低い水準であることがわかる。まずは悲しい現実を知るべく、過去の最高金利と現在の金利を比べてみた。

■過去最高の預金金利と、現在の金利の比較

※預金金利は、銀行や預入期間、金額によって金利が異なるため、「1年以上2年未満・300万円未満」の平均金利データを参照

【普通預金】
過去最高3.0%(1974年)
→現在0.002%(2016年9月)

【定期預金】
過去最高5.7%(1991年)
→現在0.038%(2016年9月)

なんと、現在の金利は過去最高と比較すると、普通預金で1500分の1、定期預金で150分の1まで下がっていることが判明。それでは、このままの金利で銀行にお金を預け続けたとして、倍に増えるまでに何年かかるのだろうか? 仮にそれぞれ100万円を預けたとして、複利方式の場合、200万円になるまでの年数を計算してみた。

■100万円を200万円にするために有する年数は?

※税金を加味せず、利息は小数点以下切り捨てとして計算

【普通預金の場合】
(初年度)100万円×年0.002%=20円
(次年度)100万20円×年0.002%=20円
…3万5292年後=200万23円

【定期預金の場合】
(初年度)100万円×年0.038%=380円
(次年度)100万380円×年0.038%=380円
…1828年後=200万639円

途方もない年数を見て、悲観的に思う人も多いだろう。ちなみに、過去最高金利の場合は、普通預金で20年後、定期預金で14年後に2倍の200万円になる計算だ。当時は、預金する楽しみも感じられたと予想できるが、現在は本当に「預けているだけ」なのだ。

■「預金」がダメなら、「投資」に望み!?

写真:Flatpit / PIXTA(ピクスタ)
写真:Flatpit / PIXTA(ピクスタ)

銀行に預けても、なんの旨みも感じられない時代…。それでは、「投資」の場合はどうだろうか? 財務省のウェブサイトのシミュレーションを用いて、2003年から日本国が発行している「個人向け国債」と「投資信託(インデックスファンド)」を一例として調べてみた。

まず、「個人向け国債」は、固定金利の3年・5年、変動金利の10年満期型の3タイプに分けられる。財務省「個人向け国債の発行額の推移」のデータによると、過去最高の利回りは、「固定3年」が0.32%(2011年4月)、「固定5年」が1.5%(2007年7月)、「変動10年」が1.1%(2006年7月)であったが、現在(2016年11月発行)は、どの期間も0.05%とのこと。ちなみに個人向け国債は半年ごとに利息が支払われ、この利息の合計が何年で100万円まで到達するか試算。こちらも税金を加味せず、金利変動のある10年満期は、金利変動がなかったものと仮定した。

【個人向け国債の場合】
1年当たりの利息:100万円×0.05%=500円
100万円÷500円=2000年

預金と比べると受け取れる利子は多少増えるものの、やはり元金が2倍になるには2000年という、途方もない年数に。

続いて「投資信託(インデックスファンド)」の場合を見ていこう。インデックスファンドは、毎日のニュース番組などで報道される「日経平均株価」や「TOPIX」などの指標と連動するよう設定されている。こちらも購入時手数料などの費用や税金を加味せず、騰落率を使用して元金の値動きを持って算出してみた。

【インデックスファンド225】
※日経平均連動型。2016年12月5日時点のデータを基に算出。
1年保有の場合:100万円×騰落率-6.13%=-6万1300円の損失⇒1年後93万8700円
3年保有の場合:100万円×騰落率21.06%=21万600円の利益⇒3年後121万600円

このファンドでは、直近1年間では値下がりしているが、直近3年間で見ると21.06%も値上がりしている。ただし、投資信託は値動きが生じるため、3年前に購入した人が、さらに長く持っていれば必ず元金が増え続けるわけではない。短期間の保有でも利益が出る場合もあれば、長期保有しても損失となることもあるため一概には言えないのだ。しかしながら、利回りという観点から見ると魅力的な数値といえるだろう。

前述した預金の利回りを加味すると、預金の利回りで資金を増やすのは非常に難しい。そのため、生活に必要な資金は銀行預金に入金しておき、一部の使わないお金は金融商品で保有し、成果を期待することも資産形成の観点ではひとつの手段といえるだろう。

(村山 伸/H14)

記事提供/『R25』

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