結婚は400万円、子育ては1100万、親の介護etc.
会社員ライフイベント費用、総額は●千万円!?
将来の貯蓄を考えるとき、月々の生活費から必要な貯金を計算する人が多いはず。ただ、人生には突発的なイベントがたくさんあり、それらの費用は高額になるもの。普段からイベントを想定して、ある程度のお金を作っておくことが必要だ。
では、具体的にどんなライフイベントがあって、どのくらいの費用がかかるのだろうか。ファイナンシャルプランナーの伊藤亮太氏に話をうかがい、いろいろなイベントの平均額を教えてもらった。
■新婚旅行に60万! 結婚式の相場
私たちの将来を考えるうえで、まず思い当たる大きなイベントが結婚だ。結婚式はもちろん、子育てなどを含めればさまざまなお金が必要になる。結婚に付随する主なイベントと、その平均額を紹介しよう。
【平均合計額】421.3万円
・結婚式(挙式のみ)=359.7万円
・新婚旅行=61.6万円
*「ゼクシィ結婚トレンド調査 2016 首都圏」より
「結婚式の費用は地域によって差がありますが、新婚旅行を含めて400万~500万円かかると考えるべきでしょう。ただし、同調査ではご祝儀総額の平均が232.3万円、両親からの援助総額の平均は189.4万円というデータも出ています」(伊藤氏)
うまくいけば、ご祝儀と援助で相殺できるともいえるが…それは甘い考えか。続いて、結婚とともに考えるべきなのが「子どもに関する費用」だ。以下のような金額がかかってくる(※1)。
【平均合計額】1133万7062円/人 ※小中高、すべて公立の場合
・妻の出産準備費=6万5662円
・妻の出産時費用=48万6376円
・子育て費用=未就園児84万3225円/年、保育園・幼稚園児121万6547円/年
・学習費用=小学校32万1708円(153万5789円)/年、中学校48万1841円(133万8623円)/年、高校40万9979円(99万5295円)/年
*公立平均、カッコ内は私立
「出産に関しては、一般的に『出産育児一時金』が42万円支給されるので、出産費用のほとんどはまかなえると考えてよいでしょう。学習費用については、首都圏だと公立と私立で大きな差が出てきます」
■お葬式用に200万円用意しておくべき
結婚や子育て以外に、両親や自分自身が年老いていく中でのライフイベントも発生する。それらも以下に列挙しよう(※2)。
【平均合計額】744万4000円(5年間介護した場合)
・親の介護=一時的な費用80万3000円、月額7万9200円
・親の葬式=188万9000円
「葬式についても、地域ごとで費用に差があります。また、お墓を購入する場合などは、土地と合わせて100万円ほど見積もっておくべきでしょうか。介護については、親と同様、自分自身が介護を受ける側にもなり得ます。その場合、同じくらいの金額がかかります」
さらに、家を購入する場合はその分の費用が発生する。これについてはまさにピンキリで、個人の資金計画に合わせた購入となるが、「年収の20~25%を毎年のローンで払うくらいが無難です」と伊藤氏はアドバイスする。
「いろいろなイベントの中で、特に切り詰められないのは子育て費用。ここだけは最低限確保しておくべきです。結婚式などは安くすることもできますが、一生に一度の経験。ある程度の費用は見ておくべきでしょう」
ちなみに上記の総額は約2300万円…生きていけば、いろいろなイベントが発生する。嬉しいとき、悲しいとき、その瞬間に「お金がない…」なんて困らないよう、万全の準備をしたいものだ。
(有井太郎)
記事提供/『R25』
※1:内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」/厚生労働省「出産育児一時金の見直しについて」/文部科学省「平成26年子供の学習費調査」より
※2:生命保険文化センター「平成27年生命保険に関する全国実態調査」/日本消費者協会「第10回『葬儀についてのアンケート調査』報告書2014」
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伊藤亮太
ファイナンシャルプランナー、スキラージャパン取締役。学生時代に資格を取得し、その後、証券会社の営業や企画部門、投資銀行業務に携わる。投資信託や株式の販売なども行い、2007年にスキラージャパン設立。東洋大学経営学部の非常勤講師も務める。