65歳以降に必要なのは、計4000万円!?

アラサー男性、毎年蓄えるべきは“最低●万円”

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アラサー男性、毎年蓄えるべきは“最低●万円”

定年退職まで約35年。しっかり貯めて、老後の生活を楽にしたい
写真:xiangtao / PIXTA(ピクスタ)

「老後破産」などの言葉がメディアをにぎわす昨今。高齢化が進むとともに、生活資金の不足で破産状態になる高齢者が増えているのだという。

それを物語るのが、生活保護の実情。2016年3月には、生活保護を受ける世帯の50.8%が、65歳以上の高齢者世帯となっている。半数以上を占めたのは制度開始以来初で、世帯数も過去最多だった。また、立命館大学の唐鎌直義教授が『週刊ポスト』の取材に語ったところによると、65歳以上の高齢者世帯で、年収160万円以下の層は2009~2014年に24.6%から27.4%に上昇。5年でこれだけの伸びを見せたのは初めてだという。

高齢者の貧困はさらに厳しくなるとも言われており、現役世代は今から「貯蓄」という準備をしておきたいところ。では、実際にどれだけの貯蓄をすればいいのだろうか。ファイナンシャルプランナーの豊田眞弓さんに話を聞いた。

■高齢者が、毎月切り崩す貯蓄は?

アラサー男性、毎年蓄えるべきは“最低●万円”

写真:マハロ / PIXTA(ピクスタ)

まず、そもそも高齢者世帯ではどのくらいの生活費がかかるのか。また、収入は年金などが主になるだろうが、平均どれくらいあるのだろうか。

「2015年の総務省『家計調査』によると、高齢夫婦世帯(無職)の月支出平均は27万5705円。一方の実収入は21万3379円で、差額は6万2326円です。単身の場合は、支出が15万6374円で、実収入は11万5179円。差額は4万1195円となります。高齢者は、“マイナス分”となる差額を月々の貯蓄から切り崩していることになりますね」

このことから、その差額を老後期間に当てはめると、高齢者に必要な生活資金のおおよそが見えてくる。問題は老後期間をどれだけにするか。男性の平均寿命は80歳ほどだが…。

「平均寿命は全人口の平均であり、小さい頃に亡くなった人も含まれます。実際、60歳以上の平均余命に限定するだけで男性は3歳ほど上がるんですね。さらに、高齢化も続くと考えると、人生95年、『老後30年』という認識で計算すべきでしょう」

65歳定年で95歳までとして、上記の差額を30年分(360カ月)で計算すると、夫婦世帯は約2240万円。単身世帯は約1480万円になる。ただし、家計調査の支出は「必要最低限の出費」であり、車の購入や子どもの結婚費用といったものは考慮されていない。また、「データでは高齢者が確実に必要とする介護資金だけでも、1人につき550万円ほどは必要」と豊田さんは言う。

それらを踏まえると、夫婦世帯は3000万~4000万円、単身世帯は2400万円ほどが必要資金といえるのだ。

■30歳から、毎年いくら貯めるべき?

もし、30歳の男性が65歳までに上述の資金を貯めるとなると、期間は35年。すでに結婚している人は、世帯として3000万~4000万円。独身なら、とりあえず2400万円を目標にしよう。退職金があって、確実に老後資金として残せるなら、その分を引いた額が老後資金の目標額となる。

退職金がないか、住宅ローン返済に充てる可能性が高く、運用を見込まない場合は、夫婦世帯で年85万~114万円の貯蓄、独身なら年69万円の貯蓄が必要。もしも3%で運用できると、夫婦で年50万~66万円、独身で年40万円の準備となる。

いずれにせよ、僕ら現役世代にとって資産形成は生命線。貯め方・殖やし方のコツはあるのだろうか。

「銀行に預けるだけでは増えませんので、一部を確定拠出年金『iDECO』や『NISA』(少額投資非課税制度)を利用して運用するといいでしょう。運用損のリスクも考えられますが、たとえば継続的に積み立て購入などをすることで、価格変動の影響を軽減できます。若い人ほどリスクを取るべきです。チャレンジしてみてはいかがでしょうか」

一方で、「今後は、老後も働き続ける覚悟を持つべき」と豊田さん。そのくらい、高齢者を取り巻く環境は厳しいということか…。

(有井太郎)

記事提供/『R25』