芸能人の投資哲学インタビュー

9歳から父親に相場観を仕込まれ、日本の市場で活躍中

ボビー・オロゴン「人と違う角度で、いかに物事を見るか」

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「(投資で)心配すべきは稼げるかどうかじゃない」とボビーさん

「(投資で)心配すべきは稼げるかどうかじゃない」とボビーさん

投資歴35年! 祖国・ナイジェリアで貿易商を営む父親に幼いころから自活と商売のイロハをたたき込まれたタレントのボビー・オロゴンさんにとって、投資という行為は極めてナチュラルなことだ。銘柄に対する独自の目利きはメディアで話題になり、バラエティ番組などでもよく取り上げられている。ボビーさんの“投資観”とは果たして、どのようなものなのか。

投資対象=木。じっくり見て、どう成長するか見極める

「『投資』って考えちゃうと怖いじゃないですか。植物を育てると考えれば面白いなあって。長い目でじっくりと観察すれば、その幹や葉の成長ぶりが、よくわかるでしょ!?」

お馴染みの口調で冗談のように明るく答えてくれたが、この言葉にボビーさんの投資に対するスタンスが込められている。株式に為替や不動産など、手がける投資は様々だが、一貫している考えがあるのだという。

「3日間見るだけじゃ植物は育たないでしょ。じっくり長~く観察したらいろいろ見えてくる。晴れたり雨降ったりで植物も変化するから、見守る。木のことがわかるようになればなるほど、買いに行くことも怖くなくなる。勝負する相手をまず調べるってコト! 常にいくつかの植物を見て育てるの。日本には四季があるでしょう? 投資の相手にも、そのときどきの旬があるんだよ」

個別株も為替も、注目する銘柄に対しては観察時間を長く取る。ものによっては何年もかけるらしい。

「15年間トレンドをフォローしてるのが、為替。個別株も何社かピックアップして、2~3年買わないで見てる。その会社が何を作ってどう成長するのか、じっくりとネ」

いかに人と違う角度で見られるか。起こっていることを肌で感じる

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銘柄を長く見守る一方、世の中の動きに対しては敏感だ。この取材の少し前に起こった出来事についても…。

「この30分前に何が起きたか知ってる? 知らない? バカだなー! トランプがシリアを攻撃したんだよ! ユーロなんか大変だよ。(1ユーロ)118円を割って117円になっちゃったんだから」

傍らにあるタブレット端末で逐一情報をチェック。そして、自分の目と耳にアンテナを張っておくことも大切だという。

「カフェに行って何を感じる? コーヒーの香り? バカだなー!! 将来のリーダーを感じるわけよ。アイデアの始まりは会議室じゃないの。本当に考えを持っている人は、カフェで誰かと話すでしょ。だから聞き耳を立てるの。何が言いたいかというと、物事をいかに違う角度で見られるかという話!」

そうすることで、他者に先駆けてトレンドを知り、いち早く正確な判断基準を持てるのだ。

「みんなと同じ勝負はしたくないし、『これが流行っているよ』というものはもう終わる時期のものだから。たまに乗っかるのはいいけど、自分で見つけた木の成長を見守って、堂々と勝負するのが楽しい。だから一番ダメなのはインサイダー取引。これ絶対ダメ!」

「来るか来ないか」の判断は、なんと“超音波”。「ニオイをかぐの。ああ、ここ来そうだなって。野生の勘があればどこの世界でも生きていける」…というが、それは経験に裏打ちされた勝負勘のことだ。

「僕は職人だから。トレンドとかの話はプロに任せたらいい。実践派として、ちゃんと現場に行って、起きていることを体で感じて成長していくのが正しいと思いますよ」

投資をすれば、世界がわかり、自分の立ち位置がわかる

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そうやって磨いた判断基準は、あらゆる価値観に関係してくるとボビーさんはいう。たとえば、商品の値付けに対する考え方だ。

「いろんなものに値段ってあるでしょ。でも、誰も交渉ってしない。人の言い値で買うなんてバカげているよ。僕はなんでも交渉したいの。納得した値で買いたいなって。そうすることで、人生はどんどん変わっていくと思う。でもインドネシアでそれをやってたら、奥さんに『ケチくさい!』って怒られたけどね(笑)」

さらには、見ている世界も変わるという。

「世界を知るのはある意味ステータスなんだよ。自分の会社が、そして自分が今、世界のどの立ち位置にいるのか、わかったら楽しくないですか? それがわかることによって、どんな企画が通って当たるか、わかりますよね? そうすれば、働くことがもっと楽しくなると思う。投資で勝負してお金を儲けるっていうこともあるけど、男ならこれから10年先、世界と自分がどうなるかわかっていたいじゃないですか。

そうしてお金を稼いで奥さんに好きなものを買ってあげられたら、カッコいい男じゃないですか。座っただけで1億円をポンと稼げる人もこの市場にはいますよ。そこまではなれないけど、とりあえず俺についてくれば安心だって思わせたいんだヨネ」

ボビーさん、市場について語るときは真剣だ。「それ以外はそうでもない」と冗談を飛ばすが、投資を通じて開かれた世界は、事実、ボビーさんの人生を変えている。

「インターネットで今まではやっていたけど、どんどんどんどん実践でアタックしていきたいなあ。数字だけで買った売ったというのはそろそろいいかなって。現場に出て、事業とかも含めた大きな投資がしてみたいね!」

(吉々是良=取材・文、林 和也=撮影)

<プロフィール>
%e7%b9%a7%ef%bd%b5%e7%b9%9d%e8%bc%94%ef%bd%9904ボビー・オロゴン
1973年、ナイジェリア連邦共和国で34人兄弟の3男として生まれる。父の家業の手伝いで世界各国を回り、95年に糸の買い付けのために初来日。98年から日本在住。2001年『さんまのSUPERからくりTV』(TBS)に出演し、人気者に。2007年、日本国籍を取得し、日本名を近田ボビーとする。近年は、映画監督して2013年に自伝的映画『MOON★DREAM』が公開。2017年春に2作目となる『JAPAN LOVE』を発表、5月に一部地域で公開予定。『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京)など多数の番組に出演中。

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