ETFの基本から使いこなしまで(1)

ETFって何? 株や投信との違いは「分散&低コスト」

提供元:マネー研究所/日本経済新聞社

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個人の資産形成に役立つ金融商品としてETF(上場投資信託)が登場してから20年以上がたちますが、まだあまり知名度は高くありません。でもリアルタイムで取引でき価格にも透明性があるのに加え、1銘柄だけで幅広く分散投資でき信託報酬も低めと、メリットの多いETFを「食わず嫌い」で済ますのはもったいない話です。

そこで今回、昨年暮れに発売されたムック「ETFまるわかり! 徹底活用術2017」(東京証券取引所監修、日本経済新聞出版社発行)の記事の一部を転載しながら、ETFの基本や魅力を3回に分けて紹介していきます。第1回はETFと、株式や投資信託との違いについてです。

■ETFとは

ETFは投資信託の一種ですが、いくつか異なる点があります。投資信託の多くは1万円前後から買うことができますが、一部の証券会社では日経平均株価などに連動した投資成果が期待できるインデックス投信に500円から投資が可能なものもあります。

ETFの場合は、全銘柄の約80%は最低投資金額が2万円以下となっています。比較してみると、最低投資金額は投資信託ほど安くないものの、株式より安いケースが多くなっています。

最低投資金額については、どちらも比較的少ない金額で購入可能といえるでしょう。

■ETFの信託報酬は投資信託よりも低い傾向

インデックス投信の売買手数料は無料のものもありますが、3%以内の手数料がかかるものも多いようです。運用管理費用である信託報酬は、ETFとくらべると割高になる傾向があります。一方、ETFは株式同様に証券会社に支払う売買手数料が発生するものの、信託報酬がインデックス投信の半分か、それ以上に安い場合が多くなっています。

保有・運用期間によって、どちらの方がお得かは異なります。たとえば、ETFの方が初期費用である売買手数料が割高であった場合でも、信託報酬が安ければ、長期的な保有コストはETFの方が安くなる場合があります。

投資信託は、積立貯蓄のように銀行から口座引き落としで購入することが可能です。ETFの場合は積立方式による自動買い付けは一部の証券会社では可能ですが、まだ取り扱いがある証券会社はそこまで多くはありません。

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また、ETFの運用スタイルは、日経平均株価など市場平均に追随することを目指すインデックス連動型の「パッシブ運用」です。一方で、投資信託はパッシブ運用のほか、市場平均を上回ることを目指す「アクティブ運用」の運用スタイルのものもあります。

投資信託は、投資できる国や通貨などの選択の幅が広いですが、実はETFにも海外の株価指数や債券指数に連動する商品があります。主要な国や資源を対象とする銘柄もどんどん増えているので、確認してみるといいでしょう。

ETFには2つの価格があります。ETF自体が取引所で取引される価格である「市場価格」と、各構成銘柄の終値に基づいて算出される「基準価額」があり、後者は運用会社が1日1回発表します。投資信託の場合は、取引価格は1日に1回算出される基準価額(一口あたりの値段)のみです。

投資信託は、その日に買うのか売るのかを決めるだけですが、ETFはその時々の市場価格をチェックし自分で買う値段を決めたり、注文を出したりできるため、より機動的な取引が可能となります。

■まとめて分散投資 低リスクで効率的

株式投資は個別企業を選んで投資しますが、ETFは銘柄を1つ選んで投資するだけで、指数の構成銘柄全体へ投資した場合と同じ効果が得られる商品です。

株式投資の場合、投資の成果は選んだ企業の業績などに大きく左右されます。企業の業績が向上すれば、株価が上昇して売却益を確保でき、配当金も増える可能性があります。しかし、企業の業績が悪化すれば株価が下落して売却損をこうむるだけでなく、配当金も減らされるかもしれません。

一方、たとえば日経平均型のETFの場合、構成している225銘柄の株価の平均値である日経平均株価指数に連動することになります。このため、価格の振幅は株式投資よりもETFの方が小さく、リスクが抑えられる仕組みになっています。

■ETFの信託報酬は年間で0.4%程度

投資信託やETFに投資をする際には、基本的に「購入時」「売却時」「保有期間中」にそれぞれ手数料がかかります。

まず、購入時・売却時にかかる手数料は、取扱証券会社によって異なります。ETFに100万円投資する場合、証券会社によっては手数料が無料の銘柄もありますが、通常数百~1万2000円程度の費用が必要です。

非上場の投資信託の場合、購入時に手数料のかからないノーロード型の投資信託がある一方で、購入金額の1~3%程度の費用がかかるケースもあり、100万円投資すると1万~3万円程度の費用が必要です。

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投資信託やETFの保有期間中にかかる運用管理費用である「信託報酬」は、ETFは安く、平均すると年間で約0.4%程度となっています。100万円を投資した場合、信託報酬が0.1%のファンドと0.5%のファンドでは、年間で4万円の差が出ます(図表1)。長期投資の際は、この信託報酬の違いによって運用リターンに大きな差が出てきます。money%e5%9b%b32

※「ETF(上場投資信託)まるわかり! 徹底活用術2017(日経ムック)」の記事を再構成

(関連書籍)

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ETF(上場投資信託)まるわかり! 徹底活用術2017」(日経ムック)
出版:日本経済新聞出版社

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