超低金利でも増やしたい!
投資をしたいけど、資金がない……。どうやって資金を捻出する?
マイナス金利が導入され、現在の預貯金の金利は0.001%とほぼゼロに近い状況の中、銀行に預けていてもなかなかお金は増えません。そこで、少しでもお金を増やすべく投資にチャレンジしたいという人が増えていますが、そもそも投資に回すお金がないと考えている人も少なくないようです。現在はひと昔前と比べて、お小遣い程度の資金で気軽にトライできる投資商品も多くなってきています。まずは投資するお金を捻出するために、家計から見直してみましょう。
■ 支出を記録することで無駄遣いが把握できる
お給料も上がらず、銀行に預けていてもお金が増えない中、投資に興味を持つ人が増えているようです。とはいえ、そもそも毎月貯蓄できる余裕がなく、投資をしたくても資金がなくてできない……と考える人も少なくないのだとか。
貯蓄や投資ができる家計にするためには、まず「支出」を分析することが大切です。「何にいくら使ったのか」を把握しないことには、何が無駄遣いで、無駄を削ったらいくら貯蓄できるのかがわかりません。
普段何気なく現金を使っている人が多いと思いますが、お金の使い方を意識していないと、例えば通帳を見たときに、「月初に5万円引き出しているけど、月末までに何に使ったかわからない」といった事態に陥ってしまうのではないでしょうか。
こういう「使途不明金」、いわゆる「無駄遣い」が増えてくると、貯蓄できないどころか、家計が赤字になってしまいます。そうならないためには、支出を記録すること。記録することで、何にどれだけ使ったのかが明確になります。
■ 家計簿アプリを使って支出を分析してみよう
支出の記録と聞くと、多くの人が「家計簿」を想像することでしょう。確かに家計を管理するときに家計簿を活用すると便利なのですが、手間がかかり長続きしないという人も少なくないのではないでしょうか。
そこでオススメなのが、いつでもどこでも簡単にできる「家計簿アプリ」を活用すること。最近の家計簿アプリはとても便利になっており、手軽に家計管理をすることができます。
例えば、女性に人気の「おカネレコ」。人気のワケは、シンプル・簡単なところ。入力画面はわかりやすさを重視しており、ムダなボタンがありません。金額の入力は電卓型なので、迷わずに操作することができます。
また、項目の設定も自由にカスタマイズが可能です。「食費」としてもよいし、「○○スーパー」のように、よく行くお店の名前で設定してもよいでしょう。項目ごとに色分けした円グラフで出費の割合がすぐにわかるようになっているので、お金の使い方を常に把握し見直すことができます。過去のデータもグラフで見られるので、自分のお金の使い方のクセがわかり、改善点もみつかります。家計簿をつけてみたけど続いたことがない……という人にこそオススメのアプリです。
そのほか、スマホでサクッとレシートを読み込むだけで簡単に家計管理ができる「レシーピ」や、シンプルで入力もしやすく、ひと目でわかるデザインが人気の「シンプル家計簿-Moneybook」などがありますので、見やすさや使いやすさで選んでみてもよいのではないでしょうか。
一歩踏み込んだ家計管理をしたい人に人気なのが「マネーフォワード」。「おカネレコ」と同様に、項目ごとに支出の管理ができ、グラフなどで「見える化」することができますが、さらにマネーフォワードには独自の特徴があります。
それは、外部サービスとの連携です。使っている銀行口座やクレジットカード口座を登録すれば、入出金やカード履歴データを自動で取得し、家計簿に反映してくれます。他にも電子マネーや証券口座、FX口座、さらには年金口座などとも連携ができるので、毎月の家計の管理だけではなく、投資を始めた場合には資産の状況まで随時把握でき、一歩踏み込んで資産もきちんと管理したい人にオススメです。
その他、スマホでレシートを読み取り家計管理ができる上に銀行やカードとも連携できる「Zaim」や、レシートの読み取りや手入力の手間がなく、口座連携している銀行口座やクレジットカード、電子マネー、証券などの残高、利用明細などが自動更新される「Money tree」もあります。
今回ご紹介したアプリ以外にも色々ありますので、いろいろ試してみて、自分の使い勝手のよいアプリを選ぶようにしましょう。
■ 先取り貯蓄でお金を貯める、そして投資へ
家計管理が軌道にのり、毎月一定の金額を貯蓄できることがわかったら、今度は、貯蓄できる仕組みを作りましょう。
お金を貯めている多くの人が実践しているのが「先取り貯蓄」です。先取り貯蓄とは、毎月お給料が入ってきたら、まず貯蓄して残ったお金で生活すること。お金が貯まらない人の多くは、お給料が入ってきたらまず使ってしまい、余ったら貯蓄する、いわゆる「後から貯蓄」をしています。人間は意志が弱いので、余ったら貯蓄しようと思っていても「冠婚葬祭が多かったから今月は貯蓄しなくてもいいかな」「毎月3万円貯蓄しようと思っていたけど、1万円でいいかな」など、あきらめてしまいがちです。
とはいえ、毎月お給料日にお金を引き出し、別口座に入れて……と手作業で続けるのは、だんだん面倒になります。そこで利用したいのが、会社に制度がある人は「財形貯蓄」、制度がない人は銀行の「積立定期預金」など自動で積立できる制度。毎月お給料日に指定した額を給与や口座から自動的に引いて積立をしてくれるので、面倒な作業が不要で続けやすいでしょう。
このように、まずは投資をする前に家計管理をしっかりして、貯蓄できる体質に家計を変身させることが大切です。
貯蓄する習慣ができたら、冒頭でお伝えした通り、現在は数千円、数万円といったお小遣い程度から投資できる時代なので、毎月貯蓄している金額の一部を投資に回していくとよいでしょう。
投資商品には元本割れするリスクもありますが、万一減ってしまっても生活に影響しない「余裕資金」の範囲内で行なうようにすれば、投資へのハードルがぐっと下がり、最初の一歩を踏み出せるかもしれませんね。
(All About「ゼロからお金を貯める」ガイド 高山一惠)