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MAB投信だより

つみたてNISA アクティブファンドの実⼒は?

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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Business Finance Marketing Recession Concept

サマリー

● つみたてNISA採用のアクティブファンドは14ファンドと極少数に限られた。採用要件を十分に理解していない人の中には、厳選されたファンドが選ばれたとの印象を持たれるかもしれない。

● リターンや投資効率でみると、良好なファンドもあるが、それほど秀でていないファンドも含まれている。選択時の見極めは重要。

● ただし、採用要件によって結果的に運用の不振なファンドが除かれたことは、個人投資家にとって安心して選択できるものとなった。

1.採用されたアクティブファンド全てのリターンが良いとは限らない

10月2日つみたてNISA向けの投資信託が公表されたが、周知の通り、アクティブ型で運用されるファンドは14本と非常に少ない。これは、アクティブファンドの採用要件として①毎月分配型ではないこと、②運用期間が5年以上、③運用残高50億円以上、④販売手数料ゼロで運用管理費用が一定水準以下、⑤資金流入超の期間が全体の3分の2以上であることが課されたことが理由だが、特に後者の2つ、④と⑤の条件の影響が大きい。

ファンドの採用要件の影響を十分に理解していない人のなかには、インデックス型よりも良い、厳選された少数のアクティブファンドが選ばれたとの印象を持たれるかもしれない。良いファンドの基準には様々あるが、ここではこれらのアクティブファンドがどのようなリターンを提供しているのか、その状況について確認してみたい。

図表1は、主に日本株式に投資する7ファンド(注)で、上記のファンド採用要件のうち大きな制約となった④販売手数料ゼロで運用管理費用が一定水準以下、⑤資金流入超の期間が全体の3分の2以上の条件を外した場合に対象となるアクティブファンド群のなかで、今回選ばれたファンドのリターンがどの水準にあるのかを示したもの。対象ファンドは約100ファンドとなった。

対象となるアクティブファンド約100本のリターン水準の分布を5分位に色分けし、そのうえに今回つみたてNISAに採用されたファンドを○印で示している(リターンが近似なファンドは重なって表示されている点には注意)。

これをみると、採用要件の④、⑤によってリターンの良いファンドが対象から外れてしまったこと、逆の見方をすれば、リターン面で見てそれほど秀でていないファンドも含まれていることがわかる。

注)金融庁の分類では、日本株式に投資するアクティブファンドは6ファンドであるが、日本株式・日本債券に投資する分類とされた1ファンドも、主な投資は日本株式であることから、本稿では同じ分類に含めて7ファンドとしている。

図表1 日本株式アクティブファンドの過去5年間のリターンの分布

投資効率でみてもばらつきがある

同じ日本株式を組み入れるファンドでも、TOPIX(東証株価指数)をベンチマークにしているファンドもあれば、日経平均株価指数など他の指数を採用しているファンドもある。また、銘柄を絞って高いリスクを取るファンドや比較的広範な銘柄を組み入れてリスクを抑えたファンド、グロース(成長株)やバリュー(割安株)を投資テーマとするファンドなど、リスクの取り方にも違いがある。さらには、キャッシュ(現金)比率を有効に用いて下落局面での投資に備えることを謳っているファンドもある。

こういった運用上の特徴も含めて比較するために、ここでは各ファンドのリターン/リスク比率を投資効率と見立て、つみたてNISA採用ファンドの運用状況を確認してみよう。

図表2は、さきほどのアクティブファンド対象群のリターン/リスク比率の分布と、その中における、つみたてNISA採用ファンドの位置どころを示したものである(図上で上に位置するほど投資効率が良い)。
図表からは、投資効率が高いファンドもあればそうでないファンドもある。ただ、極端に低いファンドは含まれていないことが見て取れる。

図表2 日本株式アクティブファンドの投資効率(過去5年間)の分布

運用不振のファンドがないことは投資家にとって好ましい

最後に日本株式以外のファンドも概観しておこう。図表3は上記の日本株式と同様に、つみたてNISAに採用されたアクティブファンドの対象資産毎の投資効率を示したものである。

対象資産によって、つみたてNISA採用ファンドの位置どころは異なる。投資効率が良いファンドだけとは限らないので、実際に選ぶにはファンドの見極めが必要だろう。

ただし、すべてにおいて、極端に投資効率が低いファンドは含まれていない。④低い費用、⑤安定的な資金流入面の制約から、結果的に運用の不振なファンドは選別されたと言えよう。その点からすれば、投資する個人にとって安心して選択できるものとなった。

図表3 対象資産別の投資効率(過去5年間)の分布

MABの分類をベースにあてはめたもの。なお、北米・米国株式は金融庁の分類では、株式・REITとされているが、ここでは株式として扱った

(MABファンドアナリスト 勝盛)