速習!インデックスの基礎

条件の不均衡の解消

【第4章】パッシブ投資によって市場へのアクセス機会が公平に

提供元:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス

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東証マネ部!では全7回の「速習!インデックスの基礎」と題した特集コーナーとして、以下の各トピックのエッセンスをご紹介しており、今回は第4章「パッシブ投資によって市場へのアクセス機会が公平に」になります。また各回の記事の最後には簡単なミニテストをご用意しています。

詳細な解説や答えを確認したい方はぜひS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社の「インデックス・リテラシー」という特設サイトまでぜひお越しください!

<インデックス・リテラシーのトピック>
【第1章】インデックスの定義
インデックスとは何か?どのように機能するのか?

【第2章】インデックス・プロバイダー
インデックスに命を吹き込むインデックス・プロバイダーとは?

【第3章】投資商品を通じてインデックスにアクセス
インデックス連動型商品は市場へのパスポート

【第4章】条件の不均衡の解消:
パッシブ投資によって市場へのアクセス機会が公平に

【第5章】メソドロジーは重要:
メソドロジー(構築手法)がインデックスの特性を決定する

【第6章】目的に合ったインデックスが見つかる:
インデックスは多種多様

【第7章】代表的なインデックス、S&P500とダウ平均®:
市場を測定する方法は一つではない

それでは、「【第4章】パッシブ投資によって市場へのアクセス機会が公平に」を始めましょう。

パッシブ投資によって市場へのアクセス機会が公平に

インデックスをベースとする投資、すなわち「パッシブ」投資は、インデックス・ミューチュアル・ファンド、ETF、オプションなど、インデックス連動型商品で運用する手法です。パッシブ投資には次のようなメリットがあると考えられます。

• 分散効果
• 透明性
• マーケット・リターン(市場全体のリターン)
• コスト効率性

分散投資

分散されたポートフォリオには、経済情勢や市場環境の変化に対して互いに異なる反応を示す証券が数多く組み入れられています。

例えば、株式によっては、景気拡大局面で市場全体をアウトパフォームする傾向があるものの、減速局面ではアンダーパフォームする銘柄があります。一方、景気減速時の打撃や拡大時の上昇の度合いがそれほど大きくない銘柄もあります。

分散化された株式ポートフォリオは、それぞれのタイプの銘柄を組み入れています。そのため、分散投資では、限られた数の株式やその他の証券を保有するよりも、一般的に市場リスクの影響を抑えられます。

ポートフォリオが十分に分散化されていれば、値下がりした資産の損失分を利益の出ている資産が相殺する作用をします。分散度が高いほど、相場下落時のリスク軽減の可能性は高まります。

透明性

透明性とは、ETFやインデックス・ファンドの構成銘柄だけでなく、組入比率も把握できることを意味します。インデックス投資では通常、この情報は毎日公表されます。

一方、アクティブ運用ファンドは年4回しか保有銘柄の報告を義務付けられていません。四半期報告から次回の四半期報告まで、どの銘柄をどんな割合で組み入れることも可能です。したがって、投資目標が非常に異なるファンドが、同じ銘柄、特に現在高パフォーマンスを上げている銘柄を数多く保有し、その情報が全く公表されないことがないとは限りません。

その結果、投資家は同じ銘柄を重複して保有することで分散効果を失い、投資リスクの上昇にさらされる可能性があります。

マーケット・リターン

インデックスは、対象となる資産の代表的なサンプルを通じて測定する市場のリターンおよびリスク特性を反映するように設計されています。したがって、インデックス連動型投資商品は特定の市場のパフォーマンスを捉えるのに便利な手段と言うことができます。

加えて、広く認知されているように、証券市場、特に先進国の市場は極めて効率的です。市場が効率的であれば、最終的には、個別銘柄または市場全体の動きに影響を与え得るような情報を利用する機会はほとんどなくなります。そうした情報は既に市場に織り込まれており、インデックスやそれを再現するインデックス連動型商品のパフォーマンスに反映されているからです。

コスト効率性

投資商品を購入・保有するために支払う対価は、将来のリターンを低下させます。投資コストが高ければ高いほど、パフォーマンスは引き下げられることになります。

投資コストの主要な尺度には、経費率(日本では信託報酬等の運用管理費用に該当)と取引コストの2つがあります。

経費率は、ファンドの運用管理にかかる費用としてリターンから定期的に控除される額が、当該勘定の資産価値に占める割合を百分率(%)で示しています。取引コストは、ファンドがそのポートフォリオのために証券を売買する際に支払う手数料です。

経費率は公開情報です。したがって、ファンドの目論見書、各種オンラインの情報サイト、金融関係メディアなどから入手できます。インデックス連動型ファンドやETFといったインデックスをベースとした商品は、パッシブ運用を投資手法としているため、アクティブ・ファンドよりも経費率は低くなる傾向があります。

例えば米国では、2012年のアクティブ運用株式ファンドの平均経費率が0.92%だったのに対して、株式インデックス・ファンドの平均経費率は僅か0.13%でした(出所: ICI、2013年)。

ただし、経費率は投資目的によって異なり、小型株ファンドや海外ファンド、特定の目的に的を絞ったファンドでは高くなる傾向があります。それでも、大半のケースで、特定の目的に絞ったパッシブ・ファンドに比べて、同様の目的を持つアクティブ・ファンドの方が経費率は高くなっています。

アクティブとパッシブの比較

• コスト:
アクティブ運用の場合、マネージャーに支払う手数料が高いほか、頻繁に売買を行うことで取引コストがかさむことから、一般的にコストの高い戦略となります。例えば米国では、2012年のアクティブ運用株式ファンドの平均経費率が0.92%だったのに対して、株式インデックス・ファンドの平均経費率は僅か0.13%でした(出所: ICI、2013年)。

また、パッシブ・ファンドが銘柄を入れ替えるのは通常、対象となるインデックスの構成銘柄が変更された場合に限られ、年に数回かそれ以下の場合もあります。実際、インデックスの多くは回転率を抑えるように設計されています。

• 運用成果:
アクティブ運用のマネージャーの大半は長期的に見ると、市場をアウトパフォームするのが難しいという検証結果が出ています。(マネ部記事:「アクティブファンドがインデックスに勝てない」根拠とは?(2017年10月)をご参照下さい)

第4章は以上となります。この章で学んだことの復習として、簡単なミニテストを用意しました。
こちらのサイトより回答をご入力いただければ正解を確認できますので、ぜひチャレンジしてみてください!

<第4章 ミニテスト>

質問1: インデックス・ベースの投資に関する記述で間違っているのはどれですか?
• インデックス・ファンドのリターンは、運用マネージャーの手数料を反映している
• インデックス・ファンドは、対象となる市場のリスク・リターン特性を反映するように設計されている
• インデックス・ファンドの経費率は、アクティブ運用ファンドより低い
• インデックス・ファンドは通常、売買回転率を抑えるような設計になっている

質問2: 分散度の高いポートフォリオは、
• 分散度の低いポートフォリオよりも市場リスクから守られている
• 分散度の低いポートフォリオと市場リスクは同じ
• 分散度の低いポートフォリオよりも市場リスクから守られていない
• エクスポージャーが大きく常に損失を相殺する

質問3: パッシブ投資とは?
• 長期保有を目的に証券を購入すること
• インデックス・プロバイダーから証券を直接購入すること
• インデックスのパフォーマンスに再現するように設計された投資商品を購入すること
• 上記のすべて

質問4: 効率的な市場の特徴に関する記述で正しくないのはどれですか?
• 市場に関する情報が容易に入手でき、証券価格に反映される
• 証券に関する新たな情報とその情報が与える影響はしばしば予測できる
• 証券の動きに影響を及ぼす可能性がある情報を利用する機会はほとんどない
• 市場に関する情報は、インデックスとそれに連動するインデックス連動型商品のパフォーマンスに反映される

質問5: パッシブ投資の提唱者の意見はどれですか?
• アクティブ・マネージャーは運用手数料や頻繁な取引によるコスト負担が大きく、それがベンチマークをアウトパフォームする上で追加の障害になっている
• インデックスに組み入れられているのは市場でパフォーマンスが上位の銘柄だけなので、パッシブ・ファンドはアクティブ・ファンドをアウトパフォームする
• 大半のアクティブ・マネージャーは株式と債券の両方で運用しているため、市場をアンダーパフォームすることになる
• 上記のいずれも該当しない

※ミニテストにはこの記事内ではご紹介できなかった内容に関する質問も含まれています。この記事は「インデックス・リテラシー」サイトの第4章「パッシブ投資によって市場へのアクセス機会が公平に」の内容を抜粋したものですので、「インデックス・リテラシー」サイトの全文をご覧いただくと、すべての質問に関する説明をご確認できます。