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MAB投信だより

米大統領選から1年 資金流出入からみる投信市場の変化

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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Business Finance Marketing Recession Concept

サマリー

● 米大統領選後のトランプラリーによる株式市場の活況は投信市場にも影響を与えており、リターンはもちろん資金流出入においてはアセットクラスと決算回数の2点から、前年と比較して大きな変化がみられた。

● 個別ファンドの資金流出入状況を確認すると、アセットクラス全体では大幅な資金流出となったカテゴリーのファンドの一部が流入上位にランクインするなど、全体の傾向とは異なる動きがみられている。

1.アセットクラス別の資金流出入状況

米大統領選後1年が経過した。トランプ新大統領が掲げるインフラ投資や減税といった財政政策に注目が集まり、株式市場は「トランプラリー」と呼ばれる活況を呈したが、投信市場においても資金流出入について、いくつかの変化がみられている。

図表1はアセットクラス別の資金流出入額を示したもので、米大統領選までの1年間と米大統領選以降の1年間の累計資金流出入額を比較している。

顕著であったのは、国内株式型から多額の資金が流出した一方、外国株式型が大幅な資金流入超となった点である。図表2のとおり、国内株式型、外国株式型ともに直近1年間で大幅にリターンが上昇しているが、上昇相場で利益確定売りが出た国内株式型と、更なる上値を追う資金が流入した外国株式型とでは対照的な展開となった。

他方で、前年3兆円近くの資金を集めたREIT型については、直近1年間で1兆円近くの資金が流出した。世界的な景気回復により米国を始めとする主要国の中央銀行が金融引き締めに動くなど将来的な金利上昇が懸念されており、パフォーマンス悪化による分配金の削減などが影響したものと考えられる。

図表1:アセットクラス別の資金流出入状況

図表2:直近1年間のパフォーマンスの推移(2017年10月を100として指数化)

2.決算回数別の資金流出入状況

図表3は決算回数別の資金流出入状況を示したものである。米大統領選までの1年間で最も資金を集めていた毎月決算型(年12回)は、直近1年間で1兆円近くの資金が流出している。既に確認した毎月決算型のREITファンドの流出による影響が大きい。

一方で、複利効果を得やすい年1回、年2回に資金が流入している。長期投資に対する理解が進んだとも考えられるが、長期投資に適さないとされるテーマ型株式ファンドも相当程度に含まれており注意が必要である。

図表3:決算回数別の資金流出入状況

3.個別ファンドの資金流出入状況

最後に、個別ファンドの資金流出入状況について確認する。図表4のとおり、REIT型の代表的な3ファンドが前年と直近1年で対照的な動きとなった。

他方で、「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドA」や「ひふみプラス」など、アセットクラス全体では資金流出となったカテゴリーのファンドが直近1年間の流入上位にランクインした。両ファンドともにリスクを抑えながらリターンを獲得することに成功しているパフォーマンスが優れたファンドであり投資家の人気を集めている。販売会社も着実に増加していることから、今後も資金が流入することが想定される。

図表4:個別ファンドの資金流出入状況



※ 本レポートで分析対象としたのは、公販ファンド(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信)、アセットクラスの分類は弊社分類(MAB分類)による。

(MABファンドアナリスト 標)