投資ブロガーが語るリアル体験

ワンルーム投資から米国株へ移行した理由とは…

投資ブロガー・はちどうきゅうどうさん「安定を求める人こそ米国株を」

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趣味は高校時代から続けている弓道と、2人の息子と遊ぶこと。最近は子どもたちと一緒に「人生ゲーム」を楽しんでいるそうだ

2017年から続伸を続けて、投資家たちの注目を集めている「米国株」。長期的に見れば50年以上にわたり上昇を続けているため、長期保有をすることで保有資産の増加が期待できるという。

ブログ「アメリカ株でアーリーリタイアを目指す」を運営するブロガー・はちどうきゅうどうさん(30代男性、都内在住)も、日本株、そして国内不動産投資から米国株に軸足を移した1人。一体どんなきっかけで米国株への投資を始めたのだろうか。話を聞いた。

不動産投資で思わぬ落とし穴…辿り着いた「米国株」

大学の薬学部卒業後、外資系の製薬会社に就職したはちどうさん。当時、経済や金融の知識はさっぱりだったが、「お金は運用した方がいい」と感じていたと話す。

「僕は2002年入社なんですが、翌年からちょうどボーナスも社会保険の対象になって手取りがどんどん減っていった。これはまずいから、お金の運用をした方が良いのかな、という思いは漠然とありました」(はちどうきゅうどうさん、以下同)

入社2年目の2004年、金融業界から転職してきた先輩に勧められ、ネット銀行に証券口座を開設。こつこつとためてきた貯蓄のなかから、最初は先輩からの情報やネットの情報をもとに日本企業の個別株を購入。スイングトレードなども試したが、本業が忙しくなるうちに、目が向かなくなっていった。

そんな時、ベストセラーにもなった『金持ち父さん貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ/筑摩書房)を読んで“不動産投資”に関心を持ったという。

「不動産に投資してキャッシュフローを作り、そのお金で買いたいものを買うという考えに感銘を受けました。それから不動産投資に関する本を読んだり宅建を取得したりして、2008年にワンルームを購入。不動産はほとんどメンテナンスフリー。やることと言えば銀行口座を見るくらいでした」

ところが、一見“お手軽”な不動産投資にも意外な落とし穴があった。

「ワンルームやアパートを購入して運用していたんですが、持ち続けるほど価値が下がっていくんです。それを痛感したのが都内のワンルームを7万5000円で借りてくれていた人が退去してしまった時。次がなかなか決まらなくて不動産業者に相談したら『5000円下げないと難しい』と言われてしまって…。5000円下げるのは別にかまわないんですが、今後どんどん価値は下がっていくだろうし、日本の人口動態を見ても、確実に空室率は増えていく。『これはヤバいぞ』と感じて、2014年に売却しました」

その後、キャッシュフローが確実に増やせるものがないかネットでリサーチをしている際に辿り着いたのが「米国株」だった。

「たとえばアメリカ最大手の電話会社『AT&T』は32年連続で増配していて、利回りは5%もある。そのほかのアメリカ株を見てみても、リーマンショック以降の株価はずっと上がっているし、配当金もどんどん増えるのが当たり前。これは買い時だな、と思ってそれまで持っていた日本株、不動産の資産を少しずつ米国株に移していきました」

安定を求める人ほど選ぶ「米国の大型銘柄株」

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現在は投資資産の約6割を米国株に向けており、商品選びも堅実さがにじみ出る。

もともと“臆病”な性格だというはちどうさん。投資は余剰資金の範囲内で「のるかそるかではなく、最低限のことをこつこつやる」というスタンスだ。

「商品もできるだけ安全なものがいいので、選ぶ時は、『ボラティリティがあまり高くなく、β(ベータ)が1を切っており、なおかつ2.6%以上の配当利回りを出している商品』を選ぶようにしています。100万円を1億円にしたいという人であれば、FXや日本株のボラティリティが高い銘柄が良いのでしょうが僕はそういうのは怖くてできない。安定を求める人がアメリカの大型株に投資するんだと思います」

実は、はちどうさん自身も外資系企業に勤めるサラリーマン。日本株、不動産から米国株へ移行するのに特に抵抗はなかったという。

「日本の企業より外資系の方が合理的で早い、というのは仕事を通じて感じていましたし、アメリカの企業は世界を席巻する前提で成り立っている。いくら下がったとしても、いつかは上昇するという過去のファクトもあるので、ずっと持ち続けるならば米国株は負けにくいと思います」

なお、商品についての情報は、海外ブログやウェブサイト「Seeking Alpha」などを参考にして購入しているそうだが、「マニアなものを運用しようと思わないのであれば日本語サイトでも十分に情報は集まる」と話す。

「今はYahoo!ファイナンスも日本語で対応していますし、MicrosoftやApple、Googleなど日本語で利用できる米国企業がほとんど。決算書を読まないといけない場合は英語でしょうが、身近な企業であれば“米国”というのをそんなに意識する必要はないんじゃないかな、と思います」

アーリーリタイアという目標は「仕事を1.5倍頑張るための区切り」

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サラリーマン、米国株投資家のほか「Happy家族研究家」の肩書を持つはちどうさん。「はちどうきゅうどう」の名付け親は長男なのだとか

海外ブロガーに触発され、2015年からは自身のブログを開設。「アメリカ株でアーリーリタイアを目指す」というタイトルどおり、47歳でのリタイアを“できる状況にする”ことを目標に、本業と投資による資産形成に力を入れているという。

「普通の人は大学卒業から定年まで37、8年働くのが一般的ですが、それを3分の2の25年くらいにするには、人の1.5倍頑張らないといけない。特に仕事に不満があるわけではないのですが、自分に負荷をかけるために、ひとまず25年という区切りを作ったんです」

35歳で始めたブログも今年で3年を迎え、目標までは残り9年。次の3年は、リタイア後の生活を考えながら、長期的に投資を続けていきたいと話す。

「妻とは学生時代からの付き合いで、昔から『将来はフィレンツェに住むぞ』『ハワイにも別荘を持とう』などとよく話していました。また、2人の息子のためにも何かできることがあればやってあげたい。リタイアの目標年齢までまだしばらくあるので、リタイア後にどんなふうに生きていきたいのか、いろいろと考えていきたいと思っています」

(周東淑子/やじろべえ)