投資ブロガーが語るリアル体験

20代からインデックスでこつこつ資産形成

インデックスブロガー・安房さん「利益を挙げ続ける、世界中の企業全体に期待」

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歴史好きという安房さん。ハンドルネームは、勝海舟の官名「安房守」から取ったという
歴史好きという安房さん。ハンドルネームは、勝海舟の官名「安房守」から取ったという

定期預金をしても資産が増えないこの時代、「投資」に関心を持つ若い世代も少なくないが、なかには「投資ってなんだか難しそうだし、何よりもリスクが怖い」と一歩前に踏み出せない人もいるかもしれない。

しかし、投資に関する情報を発信する「投資ブロガー」のなかには、20代から投資を始め、着実に資産を積み上げている人もいる。彼らは一体どのようなきっかけで投資のスタートを切ったのだろうか。20代でインデックス投資を始め、ブログ「海舟の中で資産設計を」を運営する安房さん(33歳男性、神奈川県在住)に話を聞いた。

「最初からインデックスしか頭になかった」。その理由は…

大学卒業後、神奈川県内の会社で、経理として仕事を続けている安房さん。インデックス投資をスタートしたのは2008年、リーマンショックの1カ月後だった。それまで投資の経験はなかったが、特に抵抗はなかったという。

「私の親は、私が子どものころから定期預金をして、私が大学を卒業するまでの資金を貯めてくれていました。その時代は預金の金利も高かったから、定期預金だけでそのくらいの資産を作れたんでしょうね。ところが自分の代になると、銀行に預けてもお金は全く増えない。学生の頃からこつこつと貯金はしてきたのですが、結婚や子どもの誕生などの将来あるかもしれないライフイベントを考えると、今まで通りの定期預金じゃ足りなそう。もう少しリスクをとってでも増やせるものをと考えて、社会人2年目の時にインデックス投資を始めたんです」

インデックス投資の存在は、大学の頃から何となく気になってはいたという。

「法学部で割と幅広く授業をとっていたのですが、その中に『信託法』という授業があったんです。授業に信託銀行の人が来て、投資信託の仕組みや商品の仕組みを説明することもあり、そのなかで『日経平均に連動するような商品を作っています』というような話もあった。その頃はインデックス投資をやるとは思っていなかったけれど、そういう投資信託が存在することは、その時に知りました」

そんな予備知識があったからこそ、リーマンショックを“投資の始め時”と判断できた。

「当時、BRICsなどを主要の投資対象とする投資信託が熱かったのですが、そういう特定の流行テーマを追うような商品は『これからどうなるか分からない』と思っていました。一方で、日経平均やダウだったら、ニュースを見ていれば、どれくらい上がっているのか、下がっているのかが分かるし、何しろ市場全体だから必ず上がっていく会社もあるわけで落ちるにも限界はある。そういう意味で最初から、インデックス投資しか頭になかったですね」

会社員だから確信できる「株価が下がり続けることは、基本的にはない」

今年で投資を始めて丸10年を迎える安房さん。毎月こつこつと積立投資を続け、現在の年利は7%ほど。気になるアセットアロケーションは?

「インデックスを始めたころは、手数料が安い日本株、先進国株、新興国株を均等割合で買っていました。今は各株式市場の時価総額の大きさを重視して買っています。ポートフォリオのリバランスは大きくずれたらしますが、今のところそんなにずれている印象もないのであまりしていません」

株式に比重を置いている安房さんのアセットアロケーション。このほか、米国ETF、iDeCoも運用し、着実に資産を積み立てている
株式に比重を置いている安房さんのアセットアロケーション。このほか、米国ETF、iDeCoも運用し、着実に資産を積み立てている

リーマンショック直後に投資をスタートし、「含み損になっている期間もありましたが、安い時期に買って持ち続けると、回復した時に利益ができることを実感できた」と話す。インデックス投資で失敗を感じたことはないという。そんな安房さんに初心者が失敗しないためのアドバイスを聞いてみると…。

「とにかく、買ったら簡単にやめないこと。経済危機などがあると急に下がってしまうこともあるけれど、長期的に見ると、下落した時のくぼみはどこにあるの? というくらいになっていたりもする。これはシーゲルの実質トータルリターンのグラフ(ブロガーの水瀬ケンイチさんが「売りたくなった時に見るグラフ」としても紹介しているもの)を見ると分かる事なんですが、そういうイメージを持ち続けることが、途中でやめないために大切だと思います。それに、株価ってずっと下がり続けることは基本的にはない。自分も経理として自社を含むいろんな会社を見てきて思うのですが、やはりどこの会社だって、業績が下がって“終わり”という選択肢は取らないだろうし、どうやったって利益を出そうとしますからね」

投資ブログを通じて新たな出会いも。安房さんのインデックス投資の楽しみ方

2014年には、投資ブログ「海舟の中で資産設計を」を開設。新しく設定されたファンドの情報を解説する記事も多い。

「情報は、モーニングスターやEDINETなどから集めています。新商品を紹介するときは、プレスリリースそのままの情報を伝えるのではなく、自分なりに各商品に対して、運用会社や金融庁はどう考えているのか、などの深い考察をつけて発信するように心がけています。ほかのブログを読んで、自分の投資にフィードバックすることもありますね」

さらに、全国各地で行われる投資イベントやオフ会などにも足を運んでいるという。

「お城などの史跡めぐりや、お酒を飲むのも好きなので、投資イベントついでに、ご当地の史跡やお城などを巡ったりして観光も楽しんでいます。投資イベントに行くと、自分のブログを読んでくださっている方とお会いすることもあるので嬉しいですね」

インデックス投資をきっかけに、自分の趣味や新しい人との出会いを楽しんでいる様子が伝わってくる安房さん。今後の目標は?

「全世界の株式を売らずに持ち続けることですね。インデックス投資だと、全世界の上場企業を全部持つことができる。持っていれば、どこかしらは成長するわけなので。なので、その成長を取り逃さないように手綱をしっかりと握り続けることが、これからの目標です」

(周東淑子/やじろべえ)