素人でもできるプロ的銘柄探し

プロ的銘柄探し①

「どの銘柄を買おうか?」銘柄探しの旅の地図

提供元:One Tap BUY

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著者:三好 美佐子(One Tap BUY)

「銘柄探し」初心者でなくとも、ベテランでもプロでも、これは常に悩ましい課題です。

特に、個人投資家の皆さんは高価な情報端末を持っていないのが普通でしょうし、じっくり調査する時間もきっと無いことでしょう。

銘柄探しには、色々と苦労されているのではないでしょうか。

それでは、銘柄の選び方について、プロはどうやっているのか、個人投資家、特に初心者でも実行できる方法はあるのか-このコラムでは考えていきたいと思います。

では、プロが実行している銘柄選択方法にはどのようなものがあるのかご紹介します。
まずは、どんな素材で銘柄を分析するのか・・・

●数字か調査か?— 定量分析・定性分析

数字で処理できる材料だけで分析する方法を「定量分析」といいます。

数字で処理できるものとして、会社そのものに関しては「業績(利益、キャッシュフローなど)」「会社の規模(会社の純資産額)」など、株価に関するものでは過去から現在に至るまでの「株価データ」などがあります。また、これらを組み合わせて使う、例えば、株価を業績で割り算してその株価が業績から見て高いのか低いのか判断するPER(株価収益率)などの株価指標も定量分析の一部です。

定量分析のカンタンな例は、次のような感じです。

・同じ業界で利益成長率 10%のA社と5%のB社では、A社の株を買いたい。
・C社とD社はどちらも1株当たりの利益が5円、ならばPER(利益÷株価)の低いB社を買おう。
・E社は過去30年、PER(利益÷株価)の平均が25倍だが、最近18倍まで下がったのでそろそろ買おうか。

次に、企業の活動が社会情勢に合っているか…など、数字でないものを分析する方法は定性分析です。これは、企業訪問や会社説明会などで実際に聴いた話などを材料とします。

定性分析では、例えば、次のような感じで考えます。

・A社が出したゲームは、なんと高齢者でも楽しめるコンセプトなので新たな市場の開拓になりそうだ。
・B社は、同業他社よりもAIの研究開発に力を入れるらしい。この業界では時流先取りになるはずだ。
・C社は、外国の一流企業からマーケティング責任者を招聘したので、非常に期待がもてそうだ。

次に、プロの運用方法では、調査・分析の順序も整理されています。

●上から目線か、下から目線か?- トップダウン方式とボトムアップ方式

偉そうに分析する、謙虚に分析するということではありません(笑)
視点の高いところか始めるか、低いところから始めるかの違いです。

トップダウン方式は、高いところから良い環境にある森を見つけ、その森のなかでも場所を絞り、そこから最終的に秀逸な木を見つけていこう・・・というものです。ボトムアップは、森の場所にかかわらず、どこの森からでもともかく秀逸な一本を地道に歩いて探していこうというものです。

トップダウン方式は、まず、経済環境からどの業種が有望かを決め、その業種の中でも会社の規模や株価水準でふるいをかけるなどして、投資できる数まで絞り込んでいくやり方です。

例えば、こんなイメージです。

・現状の経済情勢は景気底打ち→これから設備投資が活発化しそうだ→特に製造業などの工場設備の老朽化が目立ってきている→大手建設会社の受注が増えそう→建設会社の中から業績が良い銘柄群をスクリーニング→ 株価的に割安なX~Z社を買おう

一方で、ボトムアップ方式では、業種や規模など諸条件はあまり重視せず、その会社に強力な伸びる根拠のある銘柄をピックアップしていきます。例を挙げればキリがないですが、次のように一本釣りです。

・経営手腕の評価が高い●●氏が社長に就任したA社に注目。
・20年連続大幅増益を成し遂げているB社
・ニュースにもなるような大きなリストラで、業績が劇的によくなりそうなC社

トップダウンは全体にはレベルの高い木が選べそうですが、悪い地合い(相場の状態)のなかでは光る秀逸な銘木を見つけることはできません。ボトムアップは、秀逸な銘木を見つけることができますが、一つ一つ情報収集と考察を行うので手間がかかります。

●これらは、どんな投資スタイルに向くのか?

長期投資、短期投資の目線で、これらを整理すると、定量分析は短期~中期、定性分析は長期~中期の投資に向きます。

プロのディーラーがやるデイトレードは、株価のトレンド(データ)、板情報、その他株価指標を使って銘柄を探し、買い・売りの判断をしています。デイトレードではむしろ業績などの定性資料はほとんど役に立たないものです。

長期投資を趣旨とするファンドの運用者は、定量分析でも定性分析でも投資判断ができますが、定量分析は定期的な見直しを行い数値の変化があれば入れ替えを行うことになるので、ビジネスモデルの考察をベースとする定性分析のポートフォリオよりも銘柄の保有期間は短くなりがちです。

プロの銘柄探しをステレオタイプに整理すると、このような感じです。

投資信託の運用会社などは、これらの定量・定性、トップダウン・ボトムアップを組み合わせて活用し、自社の得意な銘柄選択方法を構築することで特色を出しています。その上で、分析内容の巧拙勝負に展開していきます。

大手の運用会社は人材も人数もツールも充実しているので、どの組み合わせも可能です。いいとこ取りをすべく「トップダウン方式とボトムアップ方式を併用した運用」などもあります。

それでは、個人投資家はどうすればいいのでしょうか?

(次回に続く)