ロボアドは投資行動を変えることができるのか?

欧州のロボアド事情

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最近新聞などで「ロボアドバイザー(以下、ロボアド)」という言葉をよく目にするようになった。東証マネ部!でも様々なロボアドを紹介しているが、世界でのロボアド事情はどうなっているのだろう。

ロンドンから、欧州のロボアド事情のレポートが届いたので、紹介しよう。

ロンドンの投資家とロボアド市場

欧州では、株式投資は業界関係者やお金持ちがするものだとの考え方が根強く、個人投資家の数が非常に少ない。その問題がなかなか解決しないにも関わらず、ロボアド市場へ参入するスタートアップ企業は増え続け、競争は非常に激しくなっている。

また、昨今では、大手金融機関がロボアド関連のスタートアップ企業に投資するなど、ロボアド市場は盛り上がりの傾向を見せている。

ロボアド市場発展の苦難

ロボアド市場が盛り上がりを見せるまでには苦難があった。

大きく影響を及ぼしたのは、2012年に英国で導入された、金融アドバイザーに課せられるRetail Distribution Review(個人向け金融商品販売制度改革)という規制だ。

規制の内容自体がとても厳しいものであったことに加えて、規制の根幹を成す「アドバイス」の定義が不明確であったため、アドバイスを巡る解釈が規制当局と異なり、多額の過怠金を課せられる事態を懸念した大手銀行が、全てのアドバイス業務から撤退してしまったのだ。

この事態を重くみたFCA(金融行為規制機構)が、2015年1月にようやく「アドバイス」の定義を明確にし、大手のドイツ銀行が同年第1号としてロボアド市場に参入したことで、ロボアド市場が動き出した。現在バークレイズやロイズ等他の大手銀行もロボアド市場参入の検討を行っているようだ。

ロボアド業界の追い風

2018年1月3日にMiFID II(第二次金融商品市場指令:金融商品取引法のEU版)が施行されたが、これがロボアド業務には有利に働きそうだ。

この規制は、金融取引の透明性を高める目的があり、例えば販売する商品の適切性の証明が求められるが、ロボアドが提案するものは、商品性がシンプルで低リスクのETFが中心のため、その証明をする必要がない。

また、アドバイスの内容に独立性があるかどうかもポイントになってくるのだが、ロボアドの場合、金融商品のアドバイザー(営業員)個人の立場や感情等に影響を受けないため、独立性のあるアドバイスに該当することが多い。

英国のロボアドの種類

英国のロボアドは大きく4種類ある。
①ポートフォリオ管理:特にアドバイスは受けず、完全に投資を一任する
②ガイダンス:一般的な情報提供を受け、投資判断は自身で行う
③部分アドバイス:保有資産の一部に対して個別アドバイスを受け、投資判断は自身で行う
④全体アドバイス:保有資産の全体に対して個別アドバイスを受け、投資判断は自身で行う

いずれも、始めに投資したい資産や投資戦略について選択・回答することから始まるのだが、主流は、③の部分アドバイスタイプだ。

● 英国の代表的なロボアド会社と提供するサービス一覧
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ロボットにすべてお任せは不安?

2017年5月に欧州の一般人15,000人を対象にした調査によると、回答者の90%超がロボット・サービス・オンリーのロボアドは利用したくないと回答した。その多くは、対面サービスとのハイブリッド形式であれば、利用したいと答えている。

冒頭に書いたとおり、欧州における個人投資家は高収入者に限られており、欧州の個人投資家の間では対面で個人に合ったアドバイスを受けるという伝統的な仕組みが浸透しているため、欧州でロボアドの利用が進むとしても、ロボットオンリーというよりは、ハイブリッド形式が好まれるようになるのではないか。

まとめ

「貯蓄から投資へ」という言葉がよく聞かれるようになったが、日本でも欧州と同様、投資はお金持ちがするものという考えがまだ根強いように思う。

そして、投資判断・投資対象商品の選択を完全にロボットに任せて本当に大丈夫なの?という不安を持つ人もまだまだいるだろう。

今後は、欧州のように、投資意向に基づいたロボットによる公正な提案をベースに、対面でさらなるアドバイスをしてくれるハイブリッド型が、ロボアド浸透のキーになってくるかもしれない。

(東証マネ部!編集部)
(作成協力:JPXロンドン駐在員事務所)

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