投資ブロガーが語るリアル体験

投資の先生は、保険のセールスマンだった!?

投信ブロガーrennyさんが、「学資保険」より「投資信託」を選んだ理由

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FC東京サポーターのrennyさん。ブログは試合観戦記の投稿も充実している(※写真はイメージです。提供:pixta)
FC東京サポーターのrennyさん。ブログは試合観戦記の投稿も充実している(※写真はイメージです。提供:pixta)

就職、結婚、子どもの誕生、マイホーム購入――。そんな人生の大イベントに直面し、投資による資産形成を考え始めたという人もいる。「rennyの備忘録(投資信託をコツコツinvest #k2k2)」を運営する投資ブロガー・rennyさん(40代、都内在住)もその一人。さまざまなライフイベントを通じて「投資信託」による資産形成に辿り着いたという。今年で投資歴15年になるrennyさんが考える「投資信託」の魅力とは? 話を聞いた。

学資保険の代わりに始めた投資信託

rennyさんが投資に関心を持ったのは、子どもがいる人なら一度は考えたことのある「学資保険」が、きっかけだった。

「それまで資産運用はほとんどやってこなかったのですが、長男が生まれて『学資を形成しないといけない』と思い、勤務先の保険のセールスの方から学資保険の提案をいただいたりしながら自分なりに調べてみました。でも学資保険って安全ではありますが、十数年払っても積み立てた金額にちょっと毛が生えたような金額しか返ってこない。『うまみがないな』と感じ、代わりに投資を考え始めたんです」(rennyさん、以下同)

もともと非上場の企業に投資する「ベンチャーキャピタル」に仕事で関わっていたり、株式投資をやっている親族がいたりで、投資に対して悪いイメージはなかったrennyさん。最初は個別企業への株式投資も考えたというが、早い段階で諦め「投資信託」に関心を持ったそうだ。

「株式で分散したポートフォリオを持とうと思うとそれなりの元手が必要だし、本業があって、子どもも生まれたばかりの自分の環境では、売買のタイミングを調べなければいけない株式投資はハードルが高すぎた。投資信託は少額からはじめられて、かつ分散投資もできる。当時は貯蓄もあまりなかったので、その点に惹かれて31歳で積立投資を始めました」

ポートフォリオについて教えてくれたのは生命保険のセールスマン

実はrennyさん、積立投資を始めたばかりの頃は、運用の指針ともいえる「アセットアロケーション」について全く考えていなかったそうだ。そんな彼にアセットアロケーションの考え方について教えてくれたのは、なんと生命保険のセールスマンだったという。

「子どもが生まれてからマンションを買ったのですが、その際に生命保険の見直しをしたんです。外資系生命保険の変額保険みたいなものをセールスマンに勧められたのですが、その時に『株式だけじゃなくて、債券も入れると値動きがマイルドになりますよ』と教えてもらいました。最終的にはその商品にご縁はなかったけれど、投資を始めてから半年、教えてもらったことを参考に債券を混ぜたポートフォリオを作成しました」

その後は、余裕資金で、債券ファンドやバランス型インデックスファンドなどにコツコツ積み立てを続けた。

「あくまでも余裕のあるお金を少しずつ投資していたので、少々の値動きでアタフタすることはありませんでした。そもそも最初から(資産形成は)長丁場になると思っていたので、たとえ値上がりしても『ここで喜んでもしゃあないやろ』と思っていました。今思えば、『これが明日半額になったら困る』と思うような大きな金額をリスクにさらさなかったことが、僕が投資を続けてこられた理由だと思います」

インデックス投資は新幹線の旅、アクティブ投資は船旅

学資保険の代わりとして投資による資産運用を始めたrennyさん。しかし今では運用に関して明確な目的を定めているわけではなく、「株持ち」になることを目指しているという。一体なぜか?

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始めた当初は債券は今よりも多めだったというが、「最近は預貯金も積み上がって住宅ローンも減ってきたので、ポートフォリオに関してはリスク許容度を高めに設定できる」とrennyさん。ただし、初心者にとってはリスクの高すぎるポートフォリオのため、ブログでは「真似したらアカン」と呼び掛けている

「これから先、インフレのリスクは充分に考えられる。預貯金の価値も今後10~20年でそこそこ目減りしていくだろう、と。そんな時に、株式のポートフォリオの規模を時間をかけてでも大きくしておけば、インフレが起こってもちょろちょろ取り崩していける。また、もし子どもが海外の大学に進学したいと言い出した時に使えるかもしれない。今は何か必要な時のための保険として、ポートフォリオの規模を大きくしたいと考えています」

さらに15年の投資経験を通じて、投資スタイルにも変化があったという。

「昨年2月から、インデックスファンドを買うのをやめて、アクティブファンドに移行しました。インデックスファンドは、株価指数に連動したパフォーマンスを継続して享受できる一方、投資先にどんな会社が入っているのかがよく分からない。それよりは信頼のおけるファンドマネージャーがきちんと選んだ会社に投資をするほうが安心感があるし、『こういう会社に投資しているんだ』という発見がある。これは色んな意見があると思いますが、分散して持っていれば、インデックスもアクティブもそれほど成績に差はつかないと感じています。結果的に得られる成果がインデックスに劣ることもあるでしょうけど、それは最初から十分承知、納得したうえでの選択です」

インデックスファンドとアクティブファンド、どちらも経験してきたrennyさんはそれぞれの違いについてこうたとえる。

「イメージとしては、インデックスは電車の旅、アクティブファンドは船旅。電車だと、目的地に時間通りに着ける。一方、船旅だと道中の天候変化などが影響したり、寄り道して停泊したりすることだってあります。もし早く目的地に着きたいと思うのならインデックスファンドを、多少の予定の変更があっても楽しみたいという人はアクティブファンドを選んでみるのもよいのではないでしょうか。もちろん、両方を自分の好みに合わせて使うこともできるわけで、インデックスor アクティブと二者択一のように考える必要は無いと思います。選ぶのが面倒だ、難しい、どっちなんだ?という場合は、『電車』を選ぶのが無難でしょうね」

投資スタイルは十人十色。ただし、どんな投資をするにしろ、「身の丈に合ったリスクで続けていくこと」がなによりも大切だという。

「マーケットの価格だけを見て『怖くなってやめました』と聞いたりしますが、長く続けるためには、企業の業績を市場がどう評価しているかに注意を払うことが大切。株価だけを見て行動することは避けるべきでしょう。たとえば日経平均や米国ダウ平均が利益の30、40倍になっているとしたら、そのマーケットは過熱しているということだから、そこでがんがん積み立てていくのは本当にいいの?と考えられます。価格にとらわれるのではなく、株価とその裏付けになっている企業業績との関係を冷静に分析し、投資を続けていくことが重要だと思います」

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