「つみたてNISA」虎の巻

長期・積立・分散に適した商品とは

「つみたてNISA」対象商品の基準って何だろう?

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長期の安定的な資産形成を応援するための制度として、2018年1月より導入された「つみたてNISA」。投資を初めての人にもぜひ始めてもらいたいとの思いから、購入できる商品が「長期」「積立」「分散」投資に向いている投資信託・ETFに限定されている。

2018年4月末現在、投資信託(証券投資信託)の数は約6000本で、そのうちつみたてNISAの対象商品となっているのは145本。具体的な商品名は金融庁のつみたてNISA特設サイトで確認できるが、ここでは具体的にどんな基準でスクリーニングされているのかを見てみよう。(※)

(※) データは内閣府告示第540号、金融庁「つみたてNISAについて」(平成29年7月)等に基づき東証マネ部!作成。

対象となる商品

つみたてNISAの対象商品は、スクリーニング基準を満たして金融庁に届けられたインデックス型またはアクティブ型の投資信託ETF

基準は投資信託の投資対象、販売手数料(購入する際に掛かる費用)、運用管理費用(信託報酬、保有していると掛かる費用)、信託契約期間(ファンドの運用期間)、分配金の頻度などだ。

要は、「しっかりと分散投資されていて、手数料が低くて、運用が安定している」商品が選ばれているということ。つみたてNISAで運用できる期間は20年であるため、過度にリスクが高かったり、手数料が高かったりする商品は長期投資に合わないということだ。

スクリーニング基準

それでは具体的なスクリーニング基準を見てみよう。基準は、①インデックス型の投資信託、②アクティブ型の投資信託、③ETF(上場しているインデックス型の投資信託)によって異なるが、大まかなイメージは下図となる。

(※)①株式で運用を行う投資信託及び②株式と債券等の双方を組み合わせて運用を行う投資信託を対象とする。
(出所)金融庁「つみたてNISAについて」(平成29年7月)

①インデックス型の投資信託
〇投資対象
・指定されたインデックスに連動していること
・主な投資対象に株式を含むこと
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

〇手数料
・販売手数料:ゼロ(解約手数料、口座管理手数料についてもゼロ)
・信託報酬:国内資産を対象とするもので0.5%以下(税抜)、海外資産を対象とするもので0.75%以下(税抜)

〇運用方針・実績
・信託契約期間が無期限又は20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと

〇情報提供・その他
・受益者ごとの信託報酬等の概算値が通知されること
・金融庁へ届出がされていること

②アクティブ型の投資信託
〇投資対象
・主な投資対象に株式を含むこと
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

〇手数料
・販売手数料:ゼロ(解約手数料、口座管理手数料についてもゼロ)
・信託報酬:国内資産を対象とするもので1.0%以下(税抜)、海外資産を対象とするもので1.5%以下(税抜)

〇運用方針・実績
・純資産総額が50億円以上であること
・信託契約期間が無期限又は20年以上であること
・信託設定以降、5年以上経過していること
・信託の計算期間のうち、資金流入超の回数が2/3以上であること
・分配頻度が毎月でないこと

〇情報提供・その他
・受益者ごとの信託報酬等の概算値が通知されること
・金融庁へ届出がされていること

③ETF
〇投資対象
・指定されたインデックスに連動していること
・投資対象が株式であること
・最低取引単位が1000円以下(るいとうのスキーム)であること
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

〇手数料
・販売手数料:1.25%以下(口座管理手数料についてはゼロ)
・信託報酬:0.25%以下(税抜)

〇運用方針・実績
・国内取引所に上場するETFの場合、円滑な流通のための措置が講じられていると取引所が指定していること
・外国取引所に上場するETFの場合、純資産総額が1兆円以上であること
・信託契約期間が無期限又は20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと

〇情報提供・その他
・受益者ごとの信託報酬等の概算値が通知されること
・金融庁へ届出がされていること

指定された指数一覧

つみたてNISAの対象となるインデックス型の投資信託では、運用で連動を目指す指数の種類が限定されている。また、指数を組み合わせて組成する商品(バランス型)にのみ使用を限定されている指数もある。ここでは対象となる指数をご紹介しよう。

【株式型】
<国内>
TOPIX
日経平均株価
JPX日経インデックス400
MSCI Japan Index

<海外>
〇全世界
MSCI ACWI Index(「除く日本」も含む)
FTSE Global All Cap Index

〇先進国
MSCI World Index(「除く日本」のMSCI Kokusai Indexも含む)
MSCI World IMI Index
FTSE Developed Index
FTSE Developed All Cap Index
S&P500
CRSP U.S. Total Market Index
MSCI Europe Index(※)
FTSE Developed Europe All Cap Index(※)
Stoxx Europe 600(※)
MSCI Pacific Index(※)

〇新興国
MSCI Emerging Markets Index
FTSE Emerging Index
FTSE RAFI Emerging Index
MSCI AC Asia pacific Index(※)

【債券】
<国内>
NOMURA-BPI総合(※)
DBI総合(※)
NOMURA-BPI国債(※)
Barclays Japan Government Float Adjusted Bond Index(※)

<海外>
〇全世界
FTSE World Government Bond Index (FTSE WGBI)(※)
Barclays Capital Global Treasury(※)

〇先進国
Bloomberg-Barclays Global Aggregate Index(※)
Barclays U.S. Government Float Adjusted Bond Index(※)
Barclays Euro Government Float Adjusted Bond Index(※)

〇新興国
JP Morgan GBI EM Global Diversified(※)
JP Morgan Emerging Market Bond Index Plus(※)

【不動産投信 (REIT)】
<国内>
東証REIT指数(※)

<海外>
〇先進国
S&P先進国REIT指数(※)
S&P米国REIT指数(※)
S&P欧州REIT指数(※)
FTSE NAREIT エクイティREIT インデックス(※)

(※)組合せのみで組成可能な指数。

 

つみたてNISAの登場によって、長期の資産形成のハードルがぐっと下がった。「投資」と言われると「何に投資すればよいのか分からない・・・」という意見をよく耳にするけれども、つみたてNISAでは長期投資に適したファンドをスクリーニングしてくれているので選びやすくなっている。また、年間の投資上限額が40万円で少額からでも始めやすい。

また、つみたてNISAの基準は、つみたてNISAを使わない場面でも投資信託を選ぶ際のよい指標になるだろう。たとえば他の人がどのように資産形成をしているのかを参考にしながら、まずは気軽に資産形成にチャレンジしてみてはいかがだろう。

 

(東証マネ部!編集部)