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為替変動のリスクの低減をめざすファンドの仕組みとは?

提供元:日興アセットマネジメント

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世界的に投資家のリスク回避姿勢が強まると、為替市場では円高が進む傾向が見られています。そのため、不安定な投資環境においては、為替変動リスクに慎重にならざるを得ません。

そこで今回皆さまには、為替変動リスクの低減をめざす「円ヘッジ」という手法について、次の2点を押さえていただきたいと思います。

1. 「円ヘッジ」で為替変動リスクの回避をめざします

海外の株式や債券などに投資をしているファンドの基準価額は、株式や債券などの価格変動に加えて、為替変動の影響も受けます。そのため、株式や債券の価格が上昇しても、外貨の下落(円高)によって基準価額が下落してしまうことがあります。

過去の事例では、欧州債務問題や世界的な景気減速懸念などを背景として投資家がリスクに消極的になり、安全資産としての債券の価格は上昇する(利回りは低下する)一方で、外貨が下落する(円高になる)など、為替変動の影響に慎重にならざるを得ない局面が多く見受けられました。

こうした環境における選択肢として考えたいのは、為替変動リスクの低減をめざす「為替ヘッジ(円ヘッジ)」です。

例えば一般的なオーストラリア債券に投資をするファンドの場合、基準価額は、オーストラリア債券自体の価格変動だけでなく、通貨を日本円から豪ドルに交換するために、豪ドル(対円)の為替変動の影響も受けます。

しかし「為替ヘッジ(円ヘッジ)」をするファンドは、オーストラリア債券に投資するのと併せて、「将来、豪ドルから日本円に交換する」という反対の取引を行なうことで、為替変動の影響を抑えることをめざすのです。銀行などを相手として、こうした将来の為替の交換を約束する取引を「為替予約」といいます。

2. “金利差”分だけコストが発生します

では、「将来、豪ドルから日本円に交換する」という為替予約をするとき、その交換レートは、どのように決まるのでしょうか。

例えば、現在の為替レートが1豪ドル=80円、日本の金利が1%、オーストラリアの金利が5%のとき、「1年後に1豪ドル=80円で交換する」という約束ができたら、どうでしょうか。

誰もが今、日本円を豪ドルに交換し、1年間で5%の金利を受け取り、1年後に再び円に戻すことで確実に利益を得られます。しかし残念ながら、そのような“片方だけが有利になる約束”は成立しません。

今から1年後の交換レートは、交換する双方が納得して取引できるレート、すなわち、1年後の日本円(80円+金利1%=80.8円)と、1年後の豪ドル(1豪ドル+金利5%=1.05豪ドル)が等しくなる為替レートとなります。つまり、1豪ドル=76.95円が現在約束できる1年後の交換レートであり、これは現在のレートよりも金利差分(5%-1%=4%)だけ円高のレートでもあります。

1年後の実際の為替レートは、もちろん円安になることも円高になることもあります。しかし、あらかじめ約束する場合には、実際の為替レートがどのようになっても、金利差分だけ円高のレートで固定されることになるため、“為替差損”が発生することになります。それが「ヘッジコスト」と呼ばれるものです。

 

この「ヘッジコスト」はヘッジ対象国の金利によって異なりますが、現在は先進国を中心に依然として歴史的な低金利環境にありますので、ヘッジコストが非常に小さい通貨があることも、円ヘッジが注目される理由になっています。

円ヘッジをするファンドの中には、常に資産の100%に対して為替変動リスクの回避をめざすファンドもあれば、部分的に円ヘッジをし、為替変動リスクの緩和を狙うファンドもあります。また、運用会社の判断で、円ヘッジする割合を調整しながら運用するものや、円ヘッジをする局面としない局面を切り替えながら運用するものもあります。

時に大きな基準価額の変動要因となり、資産運用において無視できない為替変動リスク。「円ヘッジ」の効果的な活用をご検討してみてはいかがでしょうか。

(日興アセットマネジメント)