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リターンとリスクのバランスに注目!

グローバル分散投資の意義とETF活用法

提供元:楽天証券

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グローバル分散投資の意義とETF活用法-リターンとリスクのバランスに注目!

(1) なぜ海外株式に長期投資するのか
一般的に、「長期投資は日本株式に向いてなかった」と言われてきました。図表Aでみる通り、1989年初を起点とした過去の市場実績にもとづけば、日本株式(TOPIX)の総収益はほぼゼロだったことがわかります(2017年3月時点)。日本株式は、上昇と下落を繰り返しながら、レンジの推移であったからです。

一方、海外株式(日本を除く世界株式=MSCIコクサイ指数(円))の長期パフォーマンスを振り返ると、1989年初から約10倍に成長してきたたことがわかります。同じ期間でありながら、海外株式が日本株式より優勢だった背景としては、海外経済が日本経済と比較して高い成長率で拡大してきたことと、日本企業よりも優れた経営をしている海外企業が多かったことが挙げられます。

今後を考えた場合も、少子高齢化で総人口(労働人口)が減少に転じた日本で、内需の拡大を楽観視することは難しく、日本企業でも海外市場の需要拡大を取り込める企業が、売上や利益を増やし続け、結果として投資家(株主)に利益をもたらす可能性が高いでしょう。海外株式への長期分散投資がもたらすリターン(総収益)は、個人投資家の将来不安や日本株式への投資だけによる潜在リスクを和らげる可能性があります。リスク(リターンの振れ)を乗り越えてきた海外株式の長期リターンに注目したいと考えます。

<図表A: 海外株式と日本株式の相対推移>

(注:海外株式=MSCIコクサイ(日本を除く世界株式)指数<円>、日本株式=TOPIX、1989年始を100とした相対推移) (出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2017年3月31日))

(注:海外株式=MSCIコクサイ(日本を除く世界株式)指数<円>、日本株式=TOPIX、1989年始を100とした相対推移)
(出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2017年3月31日))

(2) リターンとリスクと「投資効率」を検証する
上述した「海外株式への長期投資が日本株式より優れていた」との事実を、市場実績で検証したいと思います。図表Aのパフォーマンスについて、海外株式(円)と日本株式のリターン(年率換算した総収益率)とリスク(リターンの振れ)を分解して示したものが図表Bです。

1989年以降の日本株式(TOPIX)のリターンが1.5%に留まった一方、リスクは19.4%だったことがわかります。投資効率を簡便的に示す「R/Rレシオ(リターン÷リスク=リスク単位当りのリターン)」で日本株式を検証すると「0.08」(1.5÷19.4)と極めて低かったことがわかります。

一方、海外株式(円)は、リスクが18.3%であった分、リターンは10%(年率)でしたので、投資効率(R/Rレシオ)は「0.54」と日本株式よりも効率的であったことがわかります。長期投資を前提にした「リスクを加味したリターン」でみると、「海外株式の方が日本株式より投資効率が良かった」と言えます。これらは過去の市場実績ではありますが、今後も成長期待を考慮した投資判断を行うにあたっては、「日本株式だけに投資するよりも海外株式にも投資する方が賢明」と考えています。

<図表B: 海外株式と日本株式のR/R分析>

(出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(1989年初~2017年3月))

(出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(1989年初~2017年3月))

(3) 海外株式に手軽に分散投資できるETFは?
海外株式への投資を検討するにあたり、個別銘柄のリスクを極力抑制し、投資に伴う経費(コスト)を抑えながら簡単に分散投資を実践出来るETF(上場投信)をいくつかご紹介したいと思います。

海外株式に分散投資を実践するETFにも複数の種類がありますが、本稿にては(1)日本を除く世界株式に分散投資するETF,(2)世界の新興国株式に分散投資するETF、(3)フロンティア市場(新興国市場のなかでも特に発展途上の国々)の株式に分散投資するETF-を図表Cにまとめてみました。記載したETFの表示順位は、売買にあたって重要な流動性(平均出来高(過去30日平均))の大きい順位となっています。

なお、これら銘柄の時価総額(運用純資産)はすべて10億円以上となっています。例えば、東証コード1550の「MAXIS海外株式(MSCIコクサイ)ETF」の取引価格は2073円(4月3日時点)、取引単位が10口であることから、想定される最低取引金額は20,730円(売買委託手数料は除く)となります。即ち、2万円強の資金で世界株式(MSCIコクサイ指数=世界の先進国株式(日本を除く)指数)に連動した成果を目指す分散投資を実現できることになります。また、同ETFの経費率(信託報酬(年率換算))は0.15%であり、一般的な公募投信と比較して「低コスト」であることにも注目したいと思います。

こうしたETFを、日本株や日本株投信(あるいはETF)と組み合わせることで、世界株式全体に分散投資できます。海外株式に分散投資するETFをバランス良く活用していきたいと思います。

<図表C:海外株式分散投資型ETF(東証上場)>

(注1:東証上場ETF(上場投信)のうち、時価総額で10億円以上かつ平均出来高(30日平均)が100口以上の銘柄を表示。) (注2:1582と1583は、米国市場(NY取引所)と国内市場(東証)の重複上場(JDR=日本型預託証券) (出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2017年4月3日))

(注1:東証上場ETF(上場投信)のうち、時価総額で10億円以上かつ平均出来高(30日平均)が100口以上の銘柄を表示。)
(注2:1582と1583は、米国市場(NY取引所)と国内市場(東証)の重複上場(JDR=日本型預託証券)
(出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2017年4月3日))