プロが語る!資産形成のすゝめ

配当に注目した株式投資術

パワー・オブ・ディビデンド ~配当の力~

提供元:ウィズダムツリー・ジャパン

TAGS.

pixta_25083927_m

 

株式に投資する際に最も重視しなければならないことは何でしょうか?株式とは何かを理解した上で、過去の市場を振り返ると、そこには「パワー・オブ・ディビデンド(配当の力)」が非常に重要であるということが見えてきます。

株式とは?
日本の会社法の第百五条には以下のような記載があります。
—–
第百五条 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
一 剰余金の配当を受ける権利
二 残余財産の分配を受ける権利
三 株主総会における議決権
—–

ここに明確に記載されているように、株式の保有者である株主の権利の1番目に出てくることは「剰余金の配当を受ける権利」なのです。株式投資においては、株価の値上がりの可能性にばかり目が行きがちですが、「配当」がいかにリターンに貢献してきたかということは歴史が示しています。

配当は株式投資のリターンの大部分を占める

ウィズダムツリーのシニア投資戦略アドバイザーであり、ペンシルベニア大学のウォートン校の教授でもあるジェレミー・シーゲル博士の分析によると、1925年末に1万ドルを米国のS&P500指数の構成銘柄に投資したとすると、90年後の2015年にはその株価は約148万ドルになっていました。

しかし、もし、その間に受け取った配当を再投資し続けていたとしたら、約4758万ドルになっていたことになります。配当を再投資していた部分のリターンは実に株価のみのリターンの32倍となっています。これは配当が株式投資のリターンの主体であることを示しています。

chart1

パワー・オブ・ディビデンド ~配当の力~

配当が株式投資について非常に大きな役割をしているとするならば、その配当を多く生み出す企業ほど魅力的なリターンとなるはずです。

シーゲル教授は配当利回りに関して、S&P500の企業を配当利回りが高いものから順に5つのグループに分けて、長期的なパフォーマンスを計測しました。これによると、配当利回りが最高のグループが、最もパフォーマンスが高くなっており、市場平均であるS&P500の3倍以上のリターンとなりました。

これがまさに株式投資におけるパワー・オブ・ディビデンド(配当の力)であり、株式投資において配当に注目することが如何に重要であるかがわかります。

chart2

パワー・オブ・ディビデンドを活用した長期投資を目指して

長期投資において、分散された株式のポートフォリオへ投資する際にはTOPIXやS&P500などに代表される時価総額加重の指数に連動する投資信託やETFがまずは頭に浮かぶかもしれません。しかし、時価総額加重の運用は必ずしもよいとはいえないのではないでしょうか?

市場が効率的(株価が企業のファンダメンタルズを常に適切に表している)なのであれば、時価総額加重型の運用もまた効率的であるということができます。

しかし、もし市場にはノイズがあり、株価が常に適正であるとは限らないのであれば、株価×株数を基準として投資ウェイトを決める時価総額加重の手法は必ずしも最も良いやり方であるとはいえません。

そして、市場が経験してきた様々なバブルとその崩壊の歴史は、株価は間違えることがあるということを証明してきました。市場が効率的ではないとするなら、時価総額加重というやり方は、株価が割高な銘柄を多く保有し、株価が割安な銘柄を少なく持つことになってしまいます。

今回は、株式への配分割合を決める方法の時価総額(株価×株数)の代わりに配当額(配当×株数)を用いて企業をウェイト付けすることが可能であり、そのような考え方を基にした指数が既に生まれていることを紹介します。

配当加重というアイデア

時価総額加重と配当加重の大きな違いは「株価」ではなく「配当」により注目しているということです。

株価は大きく変動し、企業のファンダメンタルズから大きく乖離することもあります。一方で配当は投資家が確実に受け取ることのできる現金です。配当加重ポートフォリオは、この配当によって銘柄の保有割合を決定します。

chart3

配当加重をすることによる利点は大きく3つあります。

一つ目は今まで述べてきたように、株価が割高な銘柄を多く持つという時価総額加重の問題点を解決できることです。

そして、二つ目は時価総額加重に比べて配当利回りの高い銘柄のウェイトが高くなることです。配当利回りの高い銘柄が過去において市場全体のパフォーマンスを大きく上回ってきたことが示すように、これはまさにそういった配当の力の効果を享受することができるポートフォリオであるといえます。

三つ目の利点は、ポートフォリオ全体のインカムを高めることができるということです。投資においてインカムを得ることを重視する投資家にとっては、このポートフォリオは時価総額加重のポートフォリオよりも高いインカムを創出してくれるものになります。

ETFへの応用

この配当加重というコンセプトの指数と、それに連動するETFは、2006年にウィズダムツリー社により商品化されました。そして、パワーオブディビデンド(配当の力)を活かしたETFとして10年以上に渡るトラックレコードを重ねています。

ETFというと、時価総額加重のインデックスに連動するものをイメージされるかもしれませんが、スマートベータといわれる新たな手法によって時価総額加重の問題点を解決することは、当然ETFに対しても応用可能です。

配当加重の手法を用いたETFは、流動性・透明性・コスト効率というETFの利点を活かしつつ、さらにパワー・オブ・ディビデンドを享受できる投資対象として魅力的な選択肢となっています。