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第2次ブームを迎えるベトナム株

規制緩和と大型IPOが引き金に

提供元:アイザワ証券

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In front of the temple

2017年は、世界的な株高、資源価格高の傾向が強まり、アジア新興国市場でもほぼ全ての市場が値上がりした。

2017年年間騰落率でみると、アジア新興国のなかで最も値上がり率が大きかったのがベトナム市場で、主要指数であるベトナムVN指数の値上がり率は48.0%に達した。

なお、ベトナムVN指数は、以前、2006年から2007年にかけて急騰した局面があった。昨年からのベトナム株高は、それ以来で、ベトナムVN指数の水準はおよそ11年ぶりのレベルだ。
今のベトナム株の状況は、第2次ベトナム株ブームといえよう。ベトナム市場で、第1次ブームと第2次ブームが生まれた背景について考えてみたい。

まず、第1次ブームの背景だが、主に次の3つの点にある、と思われる。

1.2005年あたりから中国経済の急成長がクローズアップされ、中国に次ぐ存在としてアジア新興国への注目が高まった

2.2007年1月にベトナムがWTOに加盟したことをきっかけに、ベトナムに対する世界からの投資増につながった

3.資源価格が急騰したことで、産油国、資源保有国のひとつとして、ベトナム市場が注目された

といった要因だ。
また、2007年当時のベトナム株式市場は、市場規模が小さく、少ない資金流入で株価急騰しやすかったという状況で、ブームに載せられた株高局面であったといえよう。

次に第2次ブームである昨年からのベトナム株高は、第1次ブームのときに比べて、状況が異なっている。

主な要因は、取引規制の緩和とIPOの増加だ。

まず取引規制だが、ベトナムではこれまで外国人保有比率に上限が設けられていたことで、投資家が銘柄選択を行なううえで障害になっていた。
現時点ではまだ全ての銘柄が変更されているわけではなが、一昨年から実施されている規制緩和によって、これまで外国人投資家が買えなかった企業にも買える銘柄が徐々に増えてきている。規制撤廃の動きが市場拡大に寄与しているといえよう。

加えて、それよりさらに株式市場に影響を与えているのが、IPOの増加だ。

直近の主な大型IPO例を挙げると、2016年12月:サイゴンビール、2017年2月:ベトジェット航空、2017年4月:ペトロリメックス、2017年11月:ビンコムリテール、など、いずれもベトナムを代表する大型の優良企業だ。

株式公開することで投資家の目にさらし、国有企業の収益に対する意識や情報公開に対する姿勢を改善する、という当ベトナム局の意図がうかがえる。2018年以降も大型IPO増加の流れは続くとみられており、市場活性化の一因となっている。

なお、経済規模や発展のスピードは全く違うが、実は、ベトナムは中国と多くの共通点を持っている。

主な点としては、1.共産党一党独裁、2.市場経済導入(改革開放政策とドイモイ政策)、3.WTO加盟、4.国有企業の株式公開、などで、実施年をみると、おおむね、中国が実施して約10年遅れでベトナムが同じような道をたどっている。

特に、中国では2005年11月の中国建設銀行を皮切りに多くの有力企業の株式公開が相次ぎ、株式市場急騰の起爆剤となった。

一昨年からベトナム市場で本格化しているIPOも、2018年のベトナム株式市場のなかで最大の注目ポイントのひとつといえよう。