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ビジネスパーソンの「マネ活」調査

hands with money and financial reports

日々忙しく働いているビジネスパーソン。彼ら、彼女らはどのようなことでお金の不安を感じており、その不安を解消するためにどのような活動=「マネ活」をしているのだろうか?

大手運用会社のスパークス・アセット・マネジメントが、『ビジネスパーソンの「マネ活」に関する調査』というテーマで全国の20~59歳のビジネスパーソン1,000人にアンケートを実施しているので、以下でその調査結果をご紹介しよう。

■ ビジネスパーソンのお金の不安

どのようなことがらについてお金の不安を感じているか全回答者に聞いたところ、「老後の生活資金」51.7%が最も高く、次いで「賃金・収入」が40.5%、「将来の生活設計」が34.7%となった。老後の生活資金や将来の生活設計といった、将来に関することがらに不安を感じている人が多く、賃金や公的年金といった収入面に対しても不安を抱いている様子がうかがえる。

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男女年代別にみると、20 代は男女ともに「賃金・収入」が1 位に、30 代以降は男女ともに「老後の生活資金」が1位となった。また、20 代のビジネスウーマンは、現在の収入や将来の生活設計に大きな不安を抱えているほか、保険の選び方などについても不安を感じている人が多いようだ。

■ お金の不安の背景は?

では、こういったお金の不安が生じるのには、どのような背景があるのだろうか。全回答者に将来展望に関する意識を聞いたところ、「自分の公的年金は“払い損”になる」の同意率(※「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計割合)は81.6%、「退職金と公的年金だけでは、老後の生活が立ち行かない」の同意率は90.5%、「仕事で頑張って成果を上げても、収入が上がる見込みがない」の同意率は82.6%となった。

公的年金や退職金はあてにならないと感じている人や、仕事で成果を上げても収入が上がる見込みがないと感じている人が多いようだ。公的年金や退職金、収入アップなどを老後の生活プラン設計の前提に組み込むことが難しくなっているようで、このような悲観的な将来展望から、老後の生活資金に不安を感じる人が多くなっているのかもしれない。

さらに、「貯金だけで将来に備えるのはリスクがある」では、同意率は81.9%と、およそ5 人中4 人の割合となった。将来のインフレリスクなどを考えると、貯金以外の手段、例えば投資などを行って、将来の備えを行うべきなのかもしれない、との思いを抱いている人も多いのではないだろうか。

■ 「マネ活」の実態

お金の不安を解消するための取り組みを「マネ活」と称し、現在行っているマネ活について聞いたところ、「日々の生活費の節約」が63.0%、「保険の加入」が61.3%、「定期的な貯金」が52.1%、「投資(資産運用)」が26.2%、「スキルアップ・収入アップのための自己投資」が17.1%、「副業」が12.2%となった。

支出を『減らす』、保険でリスクに『備える』、お金を『貯める』といったマネ活は半数以上の人が行っているものの、お金を『増やす』ためのマネ活は行っている割合は比較的低いようだ。

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現在定期的な貯金を行っている人(521 名)に、ひと月あたり、どのくらい貯金を増やしているか聞いたところ、「1 万~2 万円未満」が20.5%、「5 万~10 万円未満」が26.3%となっており、平均額は46,881 円となった。定期的に貯金を行っている人はひと月に平均5 万円弱のペースで貯金を積み立てているようだ。

■ ビジネスパーソンの投資資金

現在投資を行っている人(262 名)に、投資資金(運用や保有をしている金額)はどのくらいか聞いたところ、「100 万~300 万円未満」25.2%に回答が集まった。また、「10 万円未満」17.2%や「10 万~50 万円未満」10.3%といった少額資金帯も少なくなかった一方で、「5 千万~1 億円未満」3.1%や「1 億円以上」1.9%といった高額資金帯の回答も一部にみられた。

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年代別に中央値をみると、20 代は20 万円、30 代は100 万円、40 代は300 万円、50 代は200 万円となった。

また、年代別投資資金の上位25%に注目すると、20 代では100 万円、30 代では400 万円、40代では1 千万円、50 代では850 万円となっている。ビジネスパーソンと投資家の二足のわらじでこつこつと資産形成に励んできた人の中には、大きな資産の形成に成功した人も珍しくないのかもしれない。

■ 投資デビューは?

全回答者に投資のデビュー状況とデビュー意向について聞いたところ、投資経験のある「デビュー済層」が32.9%、投資を始めたいと思っている「デビュー意向層」が15.3%、投資を始めるか迷っている「デビュー不確定層」が19.1%となった。ビジネスパーソンのおよそ3 人中1 人に投資経験があり、およそ6 人中1 人が投資デビューを考えていることがわかった。他方で、投資を始めるつもりがない「無関心層」は32.7%となっている。
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■ 投資を始めない理由とは?

ここまでで、8 割以上のビジネスパーソンが「貯金だけで将来に備えるのはリスクがある」と考えているのに、投資経験のある人はおよそ3 人中1 人の割合に留まっていることが明らかになった。貯金だけの資産構成にリスクを感じていても、投資デビューにつながっていないのは、どのような理由があるのだろうか。

投資未経験層671 名に、現在まで投資を始めていない理由(または関心がない理由)を聞いたところ、「投資の知識がない・知識に不安がある」が55.1%で最も高く、次いで「リスクを避けたい・損をするのが怖い」が42.6%、「投資する余裕資金がない」が30.3%、「良くないイメージがある(難しそう・ギャンブル的など)」が24.9%、「投資や投資の勉強をする時間がない」が16.4%で続いた。
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投資に関する知識に不安を感じている人が多く、知識のなさなどの準備不足のせいで損をしてしまうのではないか、といった思いが投資デビューを阻んでいる大きな要因となっているようだ。また、投資に費やす資金や時間が捻出できないといった要因や、投資に良くないイメージがあるといった要因が上位に挙がった。

投資意向別にみると、デビュー意向層は、「投資の知識がない・知識に不安がある」64.7%や「投資先が選べない(または選定中)」13.1%がそのほかの層よりも高くなった。投資先選びなどで迷ってしまい、デビューするに至っていない人が多いのではないだろうか。

また、投資デビュー不確定層では、「リスクを避けたい・損をするのが怖い」51.3%や、「良くないイメージがある」26.7%が、投資意向層よりも高くなった。リスクを限定できたり、投資に関する良くないイメージを払しょくできたりすれば、投資デビューを志向するようになるのかもしれない。

一方、無関心層は「良くないイメージがある」27.2%や「特に理由はない」26.3%がそのほかの層よりも高くなった。良くないイメージが先行しているせいで投資を具体的に検討したことがない人が多いためか、具体的に理由が挙がらない人が多くなった。

■ 投資を後押しするサービス

投資をしたことがない人が投資デビューするにあたり、どのようなサービスが後押しとなるのだろうか。

投資未経験層(671 名)に、投資サービスや投資環境を例に挙げ、実現したら(または実現していることを知ったら)、どの程度投資意欲に変化があるか聞いたところ、『スマホで投資』では、「投資を始めるきっかけになる」が9.8%、「今より投資をしたいと思う気持ちが高まる」が14.2%となり、合計で24.0%が「投資意欲が増す」と回答した。

投資を始めるにあたり、口座の開設や取引がスマホでスムーズにできるようになったと知ったら、今よりも投資デビューしたい気持ちが高まる人がおよそ4 人中1 人の割合でいるようだ。

また、『少額で投資』で「投資意欲が増す」は37.9%、『AI でリスク分散』では25.8%、『買い物のおつりで投資』では37.0%、『AI で安定市場』では29.2%となった。特に、1 万円未満といった少額から投資を始められるサービスや、買い物のおつりを積み立てて自動的に投資をしてくれるサービスが、投資デビューを考えるうえでの後押しとなるようだ。

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年代別に「投資意欲が増す」割合をみると、20 代や30 代は『スマホで投資』や『少額で投資』、『買い物のおつりで投資』がそのほかの年代に比べて高くなった。

スマホで投資が始められたり、少額から投資が始められたり、買い物のおつりを積み立てて自動で投資をしてくれたりといったサービスによって気軽に投資を始められるようにすることで、若い人の投資意欲を増すことができる可能性がうかがえる。

さらに、投資意向別にみると、デビュー意向層で最も「投資意欲が増す」割合が高くなったのは、『少額で投資』で73.8%、デビュー不確定層も『少額で投資』が最も高く48.2%、無関心層では『買い物のおつりで投資』が最も高く20.2%となった。

投資を始めたいと思っていたり、始めるのを迷っていたりする人には、1 万円未満から投資を可能にするサービスが、投資に関心がない人には少額かつ自動で行える投資サービスが、投資デビューに向けた後押しになりやすいようだ。

詳しい調査結果はスパークス・アセット・マネジメントのレポートに掲載されているので、ぜひチェックしてみるといいだろう。

(東証マネ部!編集部)

(参照元)スパークス・アセット・マネジメント 「ビジネスパーソンの「マネ活」に関する調査」

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