北浜博士のデリバティブ教室

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反対売買と満期決済、差金決済と受渡決済

北浜博士 中之島さん、先物取引を終える、つまり決済するタイミングには2種
類あるのを知っているかな?
中之島さん 収穫(満期)まで待つ、だけじゃないの?
北浜博士 もちろん満期まで持っておいて、10月の現物価格で決済されるのを待
ってもよいぞ。こうした方法を「満期決済」というんじゃ。
それとは別に、満期が来る前に、反対売買、つまり売った場合は買
う、買った場合は売る取引をして決済することもできるんじゃ。
中之島さん へー。満期まで待たなくても取引を終えられるのね。
北浜博士 それから、何で決済するかも説明しておこう。
中之島さん 何って、帳合米取引だと、お米とお金で決済するんじゃないの?
北浜博士 そうした決済方法を「受渡(うけわたし)決済」といって、今でも満
期時にそうした決済方法をとる場合もあるんじゃ。
でも、さっき中之島さんが言っていたように、売買のたびにお米をや
り取りしていては大変じゃ。じゃから、利益と損失をお金でやり取り
する「差金(さきん)決済」という方法がとられていたんじゃ。特
に、堂島米会所では、満期前に反対売買した場合はもちろん、満期時
にも原則「差金決済」が行われていた。帳合米取引という名前の由来
も、実は「帳面を合わす」から来ているのじゃよ。
中之島さん なるほど。利益と損失分だけお金をやり取りすれば、お米で決済する
のと経済的には同じ効果なのね。
北浜博士 では、今までの説明を踏まえて、いよいよ取引じゃ!