今年のうちに押さえたい注目トピックス&キーワード
2016年「経済トレンドワード」クイズ
社会人たるもの、世の中の流れはしっかりキャッチアップしたいもの。特に自分の資産を守るためにも、経済・金融の事情は把握しておくべきだろう。今回は、2016年に話題になった経済用語に関するクイズを用意。さっそく自分の知識レベルをチェックしよう!
【Q1】「マイナス金利政策」で、金融機関が新たに積み上げる日本銀行当座預金(一部)の金利は何%になった?
A.-0.3%
B.-0.1%
C.-0.001%
【正解 B】
日本銀行の発表によれば、2013年から行っている大規模な金融緩和をより強力にするため、「マイナス金利政策」をスタート。各金融機関が保有する日本銀行当座預金の金利が変更された。3段階の階層構造に分割されており、“基礎残高”には0.1%、“マクロ加算残高”には0%、そして“基礎残高”と“マクロ加算残高”を上回る部分“政策金利残高”に-0.1%が適用となった。
【Q2】「タックスヘイブン」騒動で注目された文書とは?
A.死海文書
B.パナマ文書
C.バチカン文書
【正解 B】
2016年4月初めに公表された、世界中の富裕層の税金逃れを記録した文書。先進国の富裕層や企業がタックスヘイブンに実態のない会社(ペーパーカンパニー)を作り、自国での納税を免れることが問題視されている。
【Q3】「Brexit」の意味とは?
A.ギリシャがユーロ圏を離脱すること
B.イギリスがユーロ圏を離脱すること
C.イギリスがユーロ圏離脱を後悔すること
【正解 B】
Britain(イギリス)とexit(離脱)をかけ合わせた造語。2016年6月、国民投票によってイギリスのEUからの脱退が決定。イギリス経由でEUに輸出しているメーカー、イギリスに支店を置く金融機関には直接的な影響があるため、日本でも大きな話題となった。ちなみに「Grexit」がギリシャのEU離脱、「Regrexit」がEU離脱に対する後悔を意味する。
【Q4】「サーキット・ブレーカー制度」とは何のこと?
A.市場の相場が大きく変動した時に取引を一時中断する措置
B.市場の相場が大きく変動した時にその日の取引を終了させる措置
C.市場の相場の変動が小さい時に相場に介入する措置
【正解 A】
相場が過熱した場合、取引を一時中断することで投資家の過熱感を鎮め、冷静な判断の機会を設けるための措置のこと。2016年6月24日、イギリスのEU離脱が決まった影響で、日経平均先物の価格が前日の終値より1330円下落。取引制限の下限である1万4840円に達したため、3年ぶりにサーキット・ブレーカー制度が発動された。
【Q5】関連法案が成立した「TPP」は、何カ国で結ばれる予定?
A.10カ国
B.11カ国
C.12カ国
【正解 C】
2016年11月2日の外務省の発表では、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカ、ベトナムの間で交渉が進められ、大筋合意に至ったといわれていた。12月8日には関連法案が承認・成立したものの、米国次期大統領・トランプ氏が「大統領就任初日にTPP離脱を通告する」と発言したことで、発効の見通しが不透明になっている。
【Q6】米国次期大統領が「ドナルド・トランプ氏」に決定する前後、日経平均株価はどんな動きをした?
A.トランプ氏優勢の開票報道時に下落し、確定した後に高騰した
B.トランプ氏優勢の開票報道時に下落し、確定した後さらに下落した
C.トランプ氏優勢の開票報道時に高騰し、確定した後に下落した
【正解 A】
米国大統領選の開票速報を受けて、日経平均株価は乱高下。一時は前日比900円安まで下がった。しかし、次期大統領就任が確定するや否や株価は急激に調子を戻し、11月後半には10カ月ぶりに1万8000円台まで高騰。12月に入っても上がり続け、1万9000円台を示している。トランプ氏が掲げる財政拡張策への期待が、米国株高と金利高をもたらし、日本株をも押し上げたと考えられている。
【Q7】2018年1月から、給与所得控除額38万円が適用される「配偶者の年収上限」は何万円に拡大される見込み?
A.年収106万円へ拡大
B.年収130万円へ拡大
C.年収150万円へ拡大
【正解 C】
現在、扶養に該当する配偶者の収入が103万円以下だと上限額である38万円の所得税控除を受けられるが、それ以上収入を得ると、段階的に所得税・住民税の控除額が減少していく。これにより、パート収入を一定範囲内にするため、就業時間を抑えるなどする傾向があった。そこで、働く女性の増加を期待する政策として、与党は12月8日に発表した「平成29年度税制改正大綱」に38万円の所得控除が受けられる範囲を150万円へ拡大することを盛り込んだ。これは、2018年1月から施行されると見込まれる。
ここで扱った諸問題は、引き続き、2017年以降の経済・金融の動向にかかわる事柄も多い。ビジネスはもちろん、自分のお金を守るためにも、今のうちに2016年の出来事を復習しておこう!
(有竹亮介/verb)
記事提供/『R25』