投資を始めたいけれど、何から手を付けて良いか分からないという人は多いはず。そんな時、まず頼りにしたいのは書籍だが、何を読むべきか迷うもの。そこで、長年投資を行っている芸能人をはじめ、ファイナンシャルプランナー、そしてプロの投資家に、投資初心者の一助となる、オススメの投資本を教えてもらった。

■投資家の考え方を身に付ける第一歩

『金持ち父さん　貧乏父さん ―アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』（ロバート・キヨサキ／筑摩書房／2013年）
※サンプラザ中野くん（ミュージシャン）推薦

高学歴だがお金に苦労してきた「貧乏父さん」と、学歴はないが裕福な「金持ち父さん」を例に、「金持ち父さん」がなぜ金持ちになれたかを、「教えの書」と「実践の書」の2章立てで紹介。

「あなたが投資の初心者であるならば、まずこの本を読むべき。投資家とそうでない人の物の考え方の違いを知れます。ただ、世界経済は今大きな転換期にあるようです。なので、この本の内容が時代に合わなくなる日も来るかもしれません」（サンプラザ中野くん）

■人生100年を有意義に過ごすための方法とは

『LIFE SHIFT』（リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット／東洋経済新報社／2016年）
※深野康彦さん（ファイナンシャルプランナー）推薦

超高齢化によって100歳超の人口が増えるといわれ、「人生100年時代」が訪れるとされている。その長い人生を有意義に過ごすための方法を、金銭、労働など様々な観点から示した一冊。

「私たちが最も気にしているセカンドライフ、ひいては今後の人生をどう考えるかを、お金の準備だけではなく働き方を含め、示唆しています。資産運用の重要性が問われていますが、その前にライフプランをどう考えるかが最も大切。そのライフプランを読者自身がどう計画するのかを導く書といえるでしょう」（深野さん）

■貧乏メジャー球団から学ぶ投資の本質

『マネー・ボール［完全版］』（マイケル・ルイス／早川書房／2013年）
※藤野英人さん（レオス・キャピタルワークス）推薦

資金不足で戦力が低下し、成績も沈滞していたメジャーリーグの貧乏球団・オークランド・アスレチックス。元選手の新任ゼネラルマネージャー、ビリー・ビーンが独自の手法で強豪チームへ導くノンフィクション作品。

「映画化もされたベストセラー。偏見なくデータを分析し、みんなが注目していない価値に光を当てるという発想は、まさに投資の本質。著者が金融ジャーナリストのため、投資入門者にぴったりの本です」（藤野さん）

■優待株をはじめ耳寄りな情報が満載！

月刊誌『ダイヤモンド・ザイ』（ダイヤモンド社／毎月21日発売）
※桐谷広人さん（元・将棋棋士、個人投資家）推薦

コンセプトは“あらゆる世代のための「攻め」と「守り」の総合マネー誌”。注目の銘柄情報をはじめ、アイドルグループ・AKB48のメンバーが月1万円の投資を行う「AKB48inNISA」や、株入門マンガ「恋する株式相場！」など、初心者向けの連載も多数。

「私は株主優待のある株を100株ずつ分散投資するのが良いといつも講演で話していますが、この本には優待株の特集が毎号組まれており、投資初心者の方にうってつけの投資本だと思います」（桐谷さん）

紹介した4冊のうち、3つの書籍は、どれもお金や人生に対しての向き合い方、発想の転換の必要性について考えさせられる、“投資の心得”として読んでおきたい本。そして『ダイヤモンド・ザイ』は、銘柄選びを始め、最新情報を得るのにうってつけだ。まずはいずれかを読むところから、始めてみてはいかが？

（赤木一之／H14）

記事提供／『R25』