ダウ平均をもっと知ろう③
ダウ平均とS&P 500 米国市場を代表する2大指数
提供元:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス
ダウ平均(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)とS&P500®はともに長い歴史を持つ、米国株式市場を代表するインデックスです。ダウ平均は算出開始から昨年で120年、そしてS&P500は今年60周年という節目の年を迎えています。
インデックスの構築という点では、ダウ平均もS&P500も米国の大型株の動きを追っています。ダウ平均の採用企業は有名大企業で「ブルーチップ」と呼ばれることも多々あります。S&P500指数も大型株である主要セクターのトップ企業を網羅しています。ダウ平均の構成銘柄は、普通はS&P500指数に組み入れられており、通常S&P500指数の時価総額の25%から30%を占めています。
ダウ平均の銘柄選択は厳格なルールに基づくものではありませんが、委員会は適格企業の名声、持続的な成長の長期実績、投資家の関心度、セクターを代表する企業かどうかなどに注目します。例えば、過去15年間には、米国株式市場におけるテクノロジーセクターの成長を反映し、多くのテクノロジー関連企業が指数に採用されました。
一方、S&P500の選択プロセスは、財務の健全性、浮動株数、十分な流動性、企業タイプといった組入条件を定めた定量的な基準に従って管理されています。その一例として、インデックスの組入対象企業には最低61億ドルの時価総額が求められています。こうした条件を満たした株式の中から、セクターを代表する企業かどうかを検討しつつ、構成銘柄を選択しています。
各インデックスともに、どの銘柄を追加するかの最終判断はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの委員会が行い、ダウ平均は株価平均委員会が、S&P500指数は米国指数委員会が担当しています。
一目で分かる:ダウ平均とS&P500指数の比較
ダウ平均:
• 算出開始日 – 1896年5月26日
• 構成銘柄数 – 30
• セクター – 輸送企業と公益企業を除く(ダウ・ジョーンズ株価平均の他のインデックスでカバー)
• 選択基準 –
o 大型優良企業
o 高い名声
o 持続的な成長
o 投資家からの幅広い関心
o セクターバランスを配慮
• 加重法 – 株価加重
• 見直し頻度 – 必要に応じて行いますが、インデックスの継続性を維持するため、ほとんど実施されません。
S&P500:
• 算出開始日 – 1957年3月4日
• 構成銘柄数 – 500
• セクター – 米国の全主要セクター
• 選択基準 –
o 時価総額61億ドル以上
o 十分な流動性
o 浮動株の割合が50%以上
o 財務の健全性/業績
o セクターバランスを配慮
• 加重法 – 時価総額加重
• レビューの頻度 – 必要に応じて実施
ダウ平均とS&P500には幾つかの点で違いがありますが、共に米国の株式市場のパフォーマンスの指標として、有益な情報を長期にわたり提供しており、これからもその役割は継続されます。