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資産運用するなら把握しておきたい、リスクとリターンの関係とは

提供元:Soldie

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アセットアロケーションの考え方

金融資産の運用先を分散する際、例えば国内株式20%、国内債券20%、外国株式20%、外国債券20%、その他(REITなど)20%などのように、各資産クラスへの配分を決めますが、この資産配分のことを「アセットアロケーション」といいます。アセットアロケーションを決めるにあたり、まず重要なのは各資産クラスのリスクとリターンを把握することです。

リスクの評価方法

資産運用におけるリスク算出は、過去の値動きデータを統計処理した「標準偏差」が使われます。上下のブレ幅が大きいか、小さいかです。つまりこの標準偏差が大きい資産クラス(主に株式)は「リスクが大きい」と表現され、大きくプラスにも動くし、同じだけマイナスに動く可能性があります(=ハイリスク・ハイリターン)。

一方で標準偏差が小さい資産クラス(主に現金や日本債券)は、「リスクが小さい」と表現され、値動きが相対的に小さいということになります(=ローリスク・ローリターン)。また、国内資産に対して外国資産は、値動きのブレ幅が大きい傾向にあります(特に新興国)。

リスクとリターンの関係

同じ期間に同じリターンを出した2つの指標であっても、リスク、つまりブレ幅(標準偏差)の大小により今後想定される値動きは異なります。

例えば年率リターン実績が同じ5%の2つの投信A、Bがあったとします。また値動きのブレ幅(標準偏差)について、Aは20%、Bは30%とします。すると統計学上は「投信Aの今後1年の値動きは、−15%~+25%に収まる確率が約68%、一方で投信Bの今後1年の値動きは、−25%~+35%に収まる確率が約68%」となります。

この場合は、同じリターンでも投信Bの方がリスクが大きく、想定される値動きの幅が大きいということです。このように、平均リターンを中心にどれだけ上下にブレるかを示すのがリスクです。 言い方を変えると、同じリスクの2つの商品(群)があったとき、より大きなリターンが期待できるものを選ぶということが大切になってきます。

あくまで確率論

また、「○○になる確率が△%」と表現されることからわかるように、あくまで確率論です(正規分布を前提としています)。値動きの範囲を広げると(あるいは確率の数値を変えると)、前出の投信Aの今後の値動きは−35%~+45%に収まる確率が約95%と表現することもできます。

あくまで「そうなる可能性」の話で、長期の投資期間中には想定外も起こりうることは念頭においておいたほうがよいかと思います。35%を超えるマイナスになる可能性もわずかですがあるということです。

リスクを抑えつつ、リターンを大きくする組み合わせを探す

このリスクとリターンは投信だけではなく、各資産クラスごとにも算出できます。なお、運用用語でポートフォリオいう言葉もよく出てきますが、ポートフォリオとアセットアロケーションは近い意味で使われていることが多いので、ここでは「組み合わせ」程度に理解していればよいかと思います。 各資産クラスへの配分の組み合わせは無数に存在することがわかります。

その組み合わせごとに「リスク○%、リターン△%」といったセットが決まります。期待されるリターンを大きくすればそれに伴ってリスクも大きくなりますが、「リスクはできるだけ抑え、かつできるだけ大きなリターンが期待できる組み合わせ」を目指すことになります。

実際には、各個人が取ることのできるリスク(リスク許容度)に左右されることになりますので、その縛りの中でできるだけリターンを大きくする組み合わせを探していくことになります。ちなみに同じ資産クラスでも、どの指標を使うかによってリスクとリターンは変わってきます(例えば同じ日本株式でもTOPIXと日経平均株価では動きが異なります)。

(著 日比野 岳)

用語解説

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