コミュニケーションがポイント!
おふたりさま家計で、人生設計の成功ポイントとは?
提供元:Soldie
人生の目標を一緒に立てる
家計管理には現状の把握の他に将来どんな夢があって、そのための費用がいくらなのかを前もって知っておくことが大切です。車を買い替える予定は?何歳で退職したい?定年後はどこに住む?そんな質問をしながらライフプランを立てていきます。
実際の相談事例を元にお伝えしていきます。
【相談開始当初の事例プロフィール】
・夫(Aさん) 43歳 年収600万円
・妻 38歳 年収250万円
・子ども なし
・貯蓄 普通預金100万円 定期預金200万円
・資産運用経験なし
Aさん夫婦の希望は、結婚10周年の記念に新婚旅行で行ったオーストラリアを再訪したいというもの。ホテルも食事も新婚旅行と同じ豪勢な旅行を考えていたため旅行代金は80万円と設定しました。2年間で80万円を貯めるのは難しく感じますが、毎月2万円の貯蓄とボーナスから年16万円を確保することで準備できる金額です。
Aさん夫婦の様に目標となる金額が決まれば、毎月の貯蓄額が明確になります。日頃からふたりで思いを共有しておくことが、希望や目標を叶える家計管理の第一歩といえるでしょう。
ひとり時間とふたり時間にメリハリをつける
おふたりさまは子どもの教育費など迫りくる支出がないため、自由にお金を使う傾向があります。結婚するまで親と同居であれば、生活費として数万円を家に入れた残りの給料を自由に使っていた名残もあるのでしょう。
家計全体を管理した経験がないので、結婚後に住宅ローンや光熱費など基本となる生活費は管理できても、残ったお金の使い方は独身時代そのままのスタイルを続けてしまいがちです。Aさん夫婦はその典型なパターンでした。
Aさんの趣味はゴルフ。学生時代からの友人との親睦や会社のつきあいで、毎月かかるゴルフ代5万円は必要不可欠な経費と譲りません。妻は趣味こそありませんが、友人たちとの食事会やプチ旅行で毎月3万円の支出。先日は体力維持のためにと夫婦で1台6万円もするクロスバイクを買い、しまなみ海道を旅行してきたとのこと。
共働きの間は自由にできても、病気になったり子どもができたりすることで収入減となると、たちまち家計が回らなくなります。生活レベルは簡単に落とせませんが、趣味や旅行にかける費用は調整しやすいもの。やりたい事に優先順位をつけ、お互いに毎月いくらまでなら使ってもいいというルールを決める。支出にメリハリをつけることも、ひとり時間とふたり時間を大切に家計管理するうえで必要な作業となります。
ふたりで家計の見直しをする
毎月5万円の貯蓄をしているAさん夫婦。順調に貯蓄ができていると自負していますが、まだ工夫の余地がありそうです。
そこで最初の面談から1か月後、Aさん夫婦にそれぞれ使ったレシートを持ってきてもらうようお願いしました。支出を「見える化」し、自覚していないムダ使いをあぶり出すレシート会議をするためです。お互いのお金の使い方をシビアにチェックすることで、本当に必要な出費なのか、浪費だったのかを振り返る機会になります。自分ひとりでチェックすると甘くなりがちですが、何に使った費用なのかを説明するうちに冷静な判断ができるようになってくるのです。
ムダ使いを防ぐ仕組みにもなるレシート会議。細かくチェックしすぎるとストレスになったり、夫婦間がギスギスしたりすることも。始める前に5000円までは何を買っても文句を言わないなど、ルールを決めておくことがケンカをしない秘訣です。
貯蓄の方法を見直す
夫婦共働きのおふたりさまなら、公的年金や退職金である程度は老後の準備が整います。けれども普段の生活レベルが高いことから「ねんきん定期便」で確認した将来の年金額に愕然とする人がいるのも事実。不足しそうな金額を計算しておけば、早いうちから老後に向けた準備ができるようになります。
個別相談では「投資を始めたいのですが、何を買ったらいいですか?」という質問をよく受けます。資産運用を始めるには、商品を決める前にポートフォリオを考えることが重要です。目的にあわせ分散投資をすることは、リスクをある程度抑えながら運用できる効果が見込まれるからです。
Aさんは定年まで20年近くあり老後資金の準備など運用する時間が長くとれること、子どもの教育費など大きな出費がないことから「攻めの運用」が可能です。株式の比率を高めに設定し、国内株式30%、国内債券20%、外国株式30%、外国債券20%というポートフォリオを組んで増やすことに重点を置いてもいいでしょう。
また投資初心者であることを考えると、「守りの運用」として債券の比率を高めに設定し、国内株式30%、国内債券40%、外国株式10%、外国債券20%というポートフォリオを組んで安定した運用を目指すのも手でしょう。
病気など急な出費に備えるためには、年収の半分程度を確保しておくと安心です。現在の貯蓄額300万円は、運用で目減りさせたくない資金。旅行用の積み立ても、2年後に使う予定があるため積立定期に。貯蓄も目的に合わせメリハリをつけることが家計管理の成功ポイントです。
人生設計には家計管理が不可欠です。夫婦ふたりで家計の見直しをすることで将来に余裕が生まれます。ときどき時間を取って不安の芽を摘み、夫婦ふたりの人生を楽しんでください。
(著者:FP Café 辻本ゆか)
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