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2017年6月 全世界ETFの資金フロー

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ETF Block Word

ETFは証券取引所で株式のように取引される一方、上場している「投資信託」でもあることから、投資信託としての資金の出入りが日々発生している。世界中で様々な投資家が利用しているETFの資金流出入は、世界の投資家の動向を探るうえで重要な情報だろう。

そこで大手運用会社のブラックロックが2017年6月の世界のETF資金フローの状況や世界の投資家動向についてレポート(iシェアーズ月次ETF資金流出入レポート)を出しているので、以下でその内容についてご紹介しよう。

2017年6月のETF資金フロー

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6月のETFの資金流入額は590億ドルにのぼり、年初来からの流入額は昨年の年間流入額の倍以上の3,324億ドルとなった。米国株式ETF、米国を除く先進国株式ETF、債券ETFが資金流入の牽引役となった。

米国株式ETFは52億ドルの流入となった大型株を中心に、139億ドルの資金流入となった。投資家はディフェンシブ銘柄へ選好を転換し、特にヘルスケア株は月の後半にかけて新たな法案発表の期待への高まりを背景に21億ドルの流入となった。FED(連邦準備制度)のタカ派よりの発言で金融株に投資家の関心が集まったこともあり0.8億ドルの流入となった。

米国を除く先進国株式ETFは79億ドルの流入と、過去最も大きな資金流入を記録した(次項参照)。欧州全域型株式ETFは55億ドルの流入、一方欧州諸国単国ETFではフランス株ETFに最も多い資金流入が見られた。

新興国全域型株式ETFは原油価格が下落したにも関わらず、38億ドルの流入となった。新興国債券ETFへの資金流入は32億ドルと、年初来からの流入は昨年通年の流入を越える136億ドルとなった。

債券ETFは176億ドルの流入と、年初来で月間最大となった。投資適格社債ETFは66億ドルの流入となったが、ハイイールド債ETFは0.3億ドルと若干の流出となった。

ETFから見る世界の投資家動向

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米国を除く先進国株式ETFは年初来から継続的な資金流入を記録しており、特に5月はETF設定来の最も大きな流入額を記録した。年初来からの資金流入は333億ドルと、過去の年初来の資金流入額を上回るペースで推移している。

当該カテゴリーにおける今年の投資家動向についてブラックロックは次のように見ている。

●世界の投資家は、米国と比較し相対的に市場が割安と考えられる米国を除く先進国株式に投資対象をシフトしている模様

● 日本および欧州は企業決算の改善やグローバルな経済成長の進展などの恩恵を受けており、これらの地域を投資対象の大半とする先進国除く米国株ETFが選好されている模様

● 為替に対する傾向は、為替ヘッジ商品に資金流入が集まった2015年と異なり、 2017年はこれまでのドル安傾向を踏まえ、世界の投資家は為替ヘッジのないETFに着目していると思われ、資金が集まっている

(東証マネ部!編集部)

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