お小遣い派?お互いに自由に使う派?
お小遣い派?お互いに自由に使う派? 夫婦の家計管理術
提供元:Mocha(モカ)
独身時代はお金をどう使うかは自分の裁量だけで決めることができますが、結婚すると自分だけでなく、家族全体のライフプランも考えながら家計管理をする必要があります。筆者は今まで多くの家庭のご相談にのってきましたが、各家庭で家計管理の方法は実にさまざま。
どの方法で家計管理をするのが良いのかいくつかパターンを例にみていきましょう。
専業主婦がいる家庭に多いのは「お小遣い制」
専業主婦がいる家庭の場合、妻が家計を管理し夫はお小遣い制というところが多いようです。
メリットは、妻1人が家計を管理するのでシンプルに管理ができるところでしょう。1人が管理しているので、何に使ったかよくわからない「使途不明金」が発生しづらく、予算を立ててその範囲内で生活できれば、お金も貯まりやすい方法といえるでしょう。
デメリットは、家計管理をしていない方は、家計の状況を把握しづらくなるというところ。実際、毎月の支出や貯蓄の金額は妻が管理し、夫は何も知らないというパターンも少なくありません。また、夫にしてみると、自分が稼いでいるのにお金を自由に使えないのでストレスが貯まるよう。
夫に不満がたまらないよう夫のお小遣いの金額は夫婦で随時話しあって見直していきましょう。
意外に貯まらない共働き家庭
次に共働き家庭の場合を見てみましょう。
「世帯収入が多い割には貯蓄ができていない…」
「忙しいのでつい家計管理がおろそかになりお金がなかなか貯まらない…」 など、意外にお悩みが多いのが共働き家庭。
共働き家庭では、夫婦ともに収入があるので夫、妻ともに自由になるお金が多くなりがち。その結果、お互いの支出についてチェックが甘くなる傾向にあるようです。また、相手が貯蓄してくれているだろうと思っていたらお互いに好きなように使っていて全然貯蓄できていなかった!というケースもよくある話。
さらに、共働き家庭の場合、収入の入り口が2つあることから家計の管理方法も各家庭でまちまちです。共働き家庭でもこの家計の管理方法で貯まる家計、貯まらない家計となる差が大きいようです。家計管理のパターン別にメリット・デメリットを見ていきましょう。
正社員カップルに多い「それぞれの財布型」
正社員同士のカップルで一番多いのが、夫婦それぞれの財布で家計を管理する「それぞれの財布型」。
この方法は夫婦共通のお財布はつくらずに、住宅ローンと食費は夫、日用品と水道光熱費は妻といった具合に予め分担する項目を決め各自が負担する方法です。貯蓄も各自で行います。お互いに自由になるお金が多く、お小遣いという面からは不満がたまりにくいのはメリット。
一方で相手の支出について無関心になりがちになり、一緒に家計を管理するという意識が希薄になるようです。そのため、実は収入が多い割に無駄な出費が多く、貯蓄も思うようにできていないというのは、「それぞれの財布型」に見られる傾向です。
夫、正社員、妻、パートのカップルに多い「全額負担型」
夫が正社員で妻がパートなどのカップルに多いのが「全額負担型」。
この方法は専業主婦家庭と同じく、収入の多い一方が住宅ローンや食費、保険料といった固定費や生活費全般を全額負担する方法です。収入差が多い夫婦には有効な方法といえますが、専業主婦家庭の場合と同じく負担が多い方に不満がたまりやすく、お小遣いの面で夫婦間のトラブルを招きやすい傾向にあります。
また、負担が少ない方が、家計負担の軽い分を貯蓄に回してくれればよいのですが、貯蓄そっちのけで自分の趣味や洋服などに使ってしまうタイプだとお金は全然貯まらない傾向に。「それぞれの財布型」も「全額負担型」も夫婦で共通のお財布をつくっていないのでお互いにお金の流れを把握できていないことが最大のデメリットといえるでしょう。
お金が貯まるのは「共通財布型」
お金の流れが一番分かりやすいのが、夫婦の収入を全額共通のお財布に入れ、そこから固定費や生活費を支払う「共通財布型」の方法です。ポイントは、貯蓄やお小遣いもすべて共通財布から割り振ること。毎月のお金の流れも貯蓄も「見える化」されているので無駄なくお金がたまりやすい傾向にあります。
また、家計が一元化されているので家計管理もシンプルです。ただし、一方に家計管理を任せきりになったり、自由に使えるお金が少なかったりするので、不満を感じやすいというデメリットも。
貯蓄の状況を定期的に確認することができるのであれば、自由度を増やすために、固定費や生活費だけを共通財布にいれてお小遣いと貯蓄は各自で管理するという方法もあります。自由度を増やせる方がお互いの記念日にプレゼントを買ったり、食事に行ったりと、ちょっとしたゆとりがでて夫婦円満にはよいかもしれませんね。
夫婦の家計管理が上手くいくコツは、毎月のお金の流れと貯蓄を「見える化」すること。定期的に夫婦で家計の状況について話す機会を持ちましょう。
(著者:(株)Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー高山 一恵)
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