うまく使えば ”一石三鳥” に!
クレジットカードでなんでも払う! ポイント長者は1年で5万円お得!
買い物をすると貯まる「ポイント」。2017年9月10日付の日本経済新聞の記事(「ポイント活用、再び活発 企業の引当金、5年ぶり高水準 購買履歴分析、販促に効果」)によると、ヤマダ電機やクレディセゾンなど主要20社のポイント引当金が、2017年3月末時点で約4800億円を記録し、約5年ぶりの高水準となったそう。
また、野村総合研究所が2016年10月に発表した「共通ポイント社会の未来像~増える共通ポイント、進むマルチポイント化~」では、2020年度にポイント発行額が1兆円を超えると、予測を立てている。
企業側からすると販売促進につながる重要なツール、ユーザー側からするとお得なツールとして、注目されているポイントサービスは、今後さらなる広がりを見せそう。
そこで、現金で支払っているものをポイントが貯まるクレジットカードで決済することで、どの程度お得になるか、ポイント交換案内サービス「ポイ探」を運営する菊地崇仁さんに聞いた。
クレカ払いで、最低でも年間1万円お得
日々の生活費をクレジットカードで支払った場合、現金払いとはどのくらいの差が生じるのだろうか?
「2人以上の世帯の場合、光熱費・携帯電話料金などを含めた固定費の平均が月5万円といわれていて、年間で60万円です。食費を抑えている家庭でも月3万円程度なので、年間36万円。合わせて約100万円とした場合、すべてを1%還元のクレジットカードで払えば、年間1万円分のポイントが貯まります」(菊地さん・以下同)
支払い方を変えるだけで年間1万円手に入ると考えたら、かなりお得ではないだろうか。菊地さんいわく「使い方次第で、年間5万円分のポイントも夢ではない」とのこと。何をすればいいのだろう?
「テクニックは2つあります。1つはTポイントや楽天スーパーポイントなどのポイントカードを併用すること。もう1つは、ポイントモールを活用することです」
最近は、クレジットカード払いでもポイントを貯められるポイントカードが増えていて、クレジットカード会社のポイントと合わせて二重で貯められることになる。ポイントカードをまとめられるスマホアプリを活用すると、わざわざカードを持ち歩かなくてもいいため、スマートに貯めやすくなる。
通販の利用が多い場合は、ポイントモール(カード会社専用通販サイト)を活用するべき。JCBカードなら「Oki Doki ランド」、三井住友VISAカードなら「ポイントUPモール」と、カード会社ごとにポイントモールが存在する。そのサイトからAmazonや楽天などの通販サイトに飛び、買い物をするだけで、ポイントが上乗せされるのだ。ポイント10倍などのキャンペーンを打ち出しているところも多い。
これらのテクニックを活用すると、年間5万円分のポイントを目指せるという。
“日常的に使うポイント”が貯まるカードをチョイス
カード会社によって貯まるポイントの種類や使えるポイントモールも異なってくるが、やはりポイント還元率の高い会社を選ぶべきだろうか?
「還元率が高くても、ポイントを使わなくては意味がありません。ポイントの中には、期限が来ると失効してしまうものもあるので、日常的に使えるポイントが貯まるカードを持つことが重要です」
例えば、楽天で買い物することが多ければ、楽天スーパーポイントが貯まる楽天カードがベスト。イオンに行くことが多ければ、WAONに交換できるときめきポイントが貯まるイオンカード。旅行に行きたければ、航空マイレージが貯まるJALやANAのカードがいいだろう。
「ポイントカードはお店ごとに持っていないと貯められませんが、クレジットカードはどこで使っても同じポイントが貯められるので、なるべくメインで使うカードを絞った方がお得です」
さらに、メインのカードの特約店を覚えておくと、ポイントが貯まりやすくなる。例えば、JALカードなら大丸松坂屋など、ANAカードなら高島屋など、楽天カードならエネオスなどで、ポイントが多く付与される。エポスカードの場合はロイヤルホストで5%オフなど、自分の使うクレジットカードの“お得な特約店”を調べておいて損はない。
我慢せずにお得になるところが魅力
クレジットカード払いに慣れている上級者向けにさらにお得なテクニックも教えてくれた。カギとなるのは、電子マネー。
「現金でチャージしてもポイントは発生しませんが、クレジットカードでチャージすればポイントが発生します。そして、家電量販店ではクレジットカード払いだと割引率が下がることが多いですが、電子マネーなら割引率は現金払いと同等。クレジットカードでチャージして、電子マネーで支払うと得になります」
電子マネーに換える手間はあるものの、ポイントを貯めながら割引もできて、お得になることは明らかだ。さらに家電量販店のポイントも貯めれば、一石“三”鳥。
「ポイントを貯めるというゲームを攻略する感覚で始めると、特に男性はハマりやすいと思います。節約のように我慢しなくていいので、挫折しにくいところも魅力です」
ポイントが貯まれば、生活費が浮く。その分のお金を、老後のための投資に回すのもいいだろう。最近は、クレディセゾンや楽天など、貯まったポイントで投資できるサービスも出てきている。活用するのも一つの手だ。
まずは、自分が使っているクレジットカードとよく使うポイントが関連しているか、チェックしてみよう。動き出すことが、お得への第一歩だ。
(有竹亮介/verb)
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識者プロフィール 菊地崇仁さん
ポイ探代表取締役。2006年にポイ探の開発に携わり、2011年に現職に就任。4枚のカード、3種類の電子マネーを活用し、年間約10万マイル以上を貯めている。三児の父で、家計のやりくりも担当。