投信ブロガー200人が選ぶ“本当に良いファンド”とは?
【レポート】つみたてNISA導入でますます注目! 投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2017が発表
今年から「つみたてNISA」の制度もスタートし、一般の人が“投資信託”に触れる機会がますます増えるだろう。しかし、数多くの金融商品が販売されているため、自分に合った“本当に良いファンド”を選ぶのは至難の業だ。
そこで注目したいのが、投資信託の情報をブログで発信する「投信ブロガー」が、一般投資家の目線で毎年優秀なファンドを投票で選ぶ「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year(FOY)」だ。去る1月13日に、2017年の優秀ファンドの発表と表彰式が都内で開かれた。
TOP10には新商品が続々とランクイン!
「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう」と、投信ブロガーを中心とした運営委員会が2007年からスタートさせたFOY。今年は208人(うち、有効投票人数は198人)の投信ブロガーがエントリーし、1人5ポイントの持ち点を自分が良いと思うファンドに配分して投票した。
投票の対象は、2017年10月31日までに設定されたETFを含む投資信託商品。上位10位までの結果は以下の通りとなった(※ポイント数が同点の場合は、投票人数が多い商品が上位となる)。
投信ブロガーたちの支持を最も集めたのは「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」。3位の「楽天・全米株式インデックス・ファンド」と共に、昨年9月に“楽天・バンガード・ファンド”のシリーズとしてデビューした商品だ。投信ブロガーの間でも人気の高い、海外に上場する「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」を主要投資対象とし、これ1本で日本を含む世界の株式市場に低コストで投資できることから、多くの支持を集めたもよう。
ブロガーからは、「これ一つでバンガードETFを通じて全世界株式に投資ができるため。海外ETFを直接買う煩わしさもない点がいい」「VTに積立投資でき、圧倒的に低コストなのも魅力。投信の世界を変える可能性も」などの熱いコメントが寄せられた。
「〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ外国株式インデックスファンド」は2位に。低コストで外国株式に投資でき、さらに純資産の増加を受けて過去3回の信託報酬の引き下げを実施。ブロガーたちの信頼も厚く、2014年から3年連続で1位に輝いてきたが、今年は1位の座を譲る結果となった。
これを受け、運用するニッセイアセットマネジメント取締役、執行役員の上原秀信氏は「ここ数年、信託報酬の低いファンドの登場に心が折れそうになる。しかし、ファンドが大きくなった分、投資効率を上げて、信託報酬の引き下げを含め、投資家の方たちとその利益を分かち合う、というコンセプトは変えたくない」と決意を新たにしていた。
さらに、4位にランクインした「野村つみたて外国株投信」も昨年設定されたばかりの商品。これまでのランキングを覆す“新星ファンド”たちの存在感に驚いたブロガーも少なくなかったようで、「楽天は良い商品が多いが、まさか1位と3位に入るとは。信託報酬もファンドによって全然違うので、今回の結果を受けて今後の自分の運用についても見直してみたい」とブロガー・にこいちさん。
リバモさんは「つみたてNISAの開始に伴い新設されたばかりのファンドが数多く上位に入っており、今年は激戦だった」と話していた。
つみたてNISAとNISAはどっちを選ぶ? アンケート結果も公表
このほか、会場ではFOYと同時期に181人から集計した、「iDeCo/NISAにまつわるアンケート」の結果発表もあった。
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」運営委員会が実施したアンケートによると、今年1月から始まった「つみたてNISA」については、約4割が「現行NISAを使っていたが、つみたてNISAを利用する」と回答。「これまでNISAを使っていなかったが、つみたてNISAでデビューする」という人と合わせると、約6割がつみたてNISAを運用すると回答した。
年間上限投資額は120万円、最長5年間非課税となる「NISA」と、年間上限投資額が40万円で最長20年間非課税枠を利用できる「つみたてNISA」。
アンケートによると「長期間(制度を)利用したい」「現行のNISAでは非課税枠を使いきれない」というユーザーはつみたてNISAを選ぶ人が多いようだ。一方、つみたてNISAでは海外ETFや個別株式を購入できないことから、現状のNISAを引き続き利用するというユーザーの声もあった。
また、つみたてNISAで「利用したい」と考えているファンドを訪ねると、「1位 野村つみたて外国株投信」「2位 楽天・全米株式インデックス・ファンド」「3位 楽天・全世界株式インデックス・ファンド」と、FOYの順位と連動する結果となった。
FOYの公式サイトでは、iDeCoについてのアンケートや、ブロガーによる各ファンドへの熱いコメントが紹介されている。これから投資を始めようと考えている人は、参考にしてみてはいかがだろうか。
(周東淑子/やじろべえ)