フィンテックの最前線を追う!

毎日“しら”ずに“たま”る自動貯金アプリが登場

貯金箱の良さをデジタルで再現した「しらたま」

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■「しらたま」という名前が意味するのは?

テクノロジーで現金の煩わしさをなくす、あるいは、現金なしでお金のやり取りをするサービスが昨今増えている。ただ、一方で現金の持つリアルな感覚ならではの”良さ”もある。

その代表例が貯金。昔ながらの貯金箱は、実際にお金が貯まり、その“重み”を感じることで貯金の喜びを味わっていたともいえるだろう。

そんな中、フィンテックサービスとして便利さや簡単さを追求しながら、同時にお金の重みや“手触り感”もデジタル上に取り込んだ貯金アプリがある。マネーフォワード社の「しらたま」だ。

まずはどんなサービスか見てみよう。しらたまは2つの方法で日々貯金が行える。1つ目は「つみたて貯金」で、日単位の積立額を設定すると連携金融機関のメイン口座から貯金専用口座に毎日その額が貯められていく。

2つ目は「おつり貯金」だ。クレジットカードの支払明細をもとに、日々その“おつり分”を自動算出して貯金するもの。まずユーザーは、「100円で払ったつもり」「500円で払ったつもり」「1000円で払ったつもり」という3つの中からルールを選択。すると、仮に360円の本をクレジットカードで買った場合、100円のルールに設定していれば40円、500円なら140円、1000円なら640円が自動で貯金専用口座に貯まっていく。

マネーフォワード社では、銀行口座やクレジットカードなどに紐づけることができる自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」を展開しており、それと連携することで明細からおつりを算出する(しらたま利用時はマネーフォワードの登録も行う)。

「以前実施した『家計に関する調査(2016年10月、マクロミル調べ)』では、『貯金したいが貯金できていない』という層が55.8%に上りました。理由を深掘りしたところ、『貯金の適切な金額がわからない』『始める動機がない』『面倒』といった声がありました。そういった課題をなくし、心理的な負担がなく貯金できるサービスを考えました」


そう話すのは、しらたまの開発・デザインに携わったマネーフォワードの大橋瑞生さん。アプリ名の由来は「“しら”ずに、“たま”る」であり、負担のない貯金という思いにつながっている。

■画面に現れる貯金箱。硬貨のジャラジャラ感を演出?

しらたまには、上述した「貯金ができない理由」を拭う意図が詰まっている。つみたて貯金は、言ってみれば従来の積立貯金と大きな差はない。積み立ての頻度が月単位か日単位か、という違いだ。ただ、それこそが「貯金の適切な金額がわからない」への解決法だという。

「日単位の小額積立だからこそ、いつでも設定金額を変えられますし、その中でちょうどいい貯金額を知ることができます。月1度の積立で変更時は銀行で手続きする…というよりは簡単ですよね。また、いつでも始めたりやめたりできるのもユーザーの心理を楽にします」(大橋さん)

おつり貯金も、小銭を少しづつ貯めるから貯金を意識せず不安なく始められる。これは「始める動機がない」人がチャレンジしやすいように、という考えだ。

また、おつり貯金は「1ヶ月でどれだけの貯金額になるのか想像できない」と不安がる人もいるだろう。そこで、事前にクレジットカードの過去明細から、ユーザーが1ヶ月にどのくらいのおつり貯金を貯めそうか、想定金額をシミュレーションする機能もある。これらを経て「貯金の成功体験をし、貯金できたお金で日々の生活をもっと楽しく贅沢にしてほしい」と大橋さんは話す。

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とはいえ、こういった小銭貯金は、冒頭で述べた“実際に貯まっている感覚”も楽しみの一つだった。しらたまでは、その手応えを少しでも再現できるようこだわった。

たとえば貯金をスタートすると、金額に応じてアプリ上の貯金箱にお金が貯まっていく。そこに描かれるひとつひとつの硬貨は、決して大まかなイメージではなく、実際の貯金額にもとづいて100円や500円の数を表現。さらにスマホを傾けると、本物の貯金箱さながらに硬貨がジャラジャラと動く。

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「アナログからデジタルになると、どうしてもお金が貯まっている実感が薄くなります。でも貯まっている感覚が貯金の楽しさの一つ。その楽しさを感じてもらうため、アニメーションやインタラクションを細かく工夫しました」

フィンテックは「お金のデジタル化」に目が行きがちだが、アナログ特有の“良さ”をデジタル上に再現するのもテクノロジーの見せ場だろう。それを感じさせる工夫だ。

しらたまは貯金アプリのひとつだが、それを使う中で今の自分は毎月どのくらい貯められそうか把握できるようになり、「ユーザーの家計管理につながればいい」と大橋さんは期待する。

「おつり貯金などを始めると、自然と日々の支出額に目が行くはずです。その中で家計への意識や感覚が身についていく。それが理想ですね。まずは貯金の入門編として、さらには家計管理のきっかけとして、しらたまが役立てばいいですね」

テクノロジーによって気軽に貯金ができ、現金特有の楽しさも味わえる。さらには、家計への意識をも醸成していく。それらを知らず知らずのうちにできるのが、このアプリなのだろう。

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(取材・文/有井太郎 撮影/森カズシゲ)

※記事の内容は2018年1月現在の情報です

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