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MAB投信だより

人気の先進国株式ファンドはテーマ型一色

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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サマリー

● 最近の新規設定ファンドは落ち着いた推移が続いているが、その中でも先進国株式の人気が目立つ。

● さらに先進国株式のなかでは、AI関連、IoT等の情報技術など、テーマ型ファンドへの選好が顕著。

● 直近では、環境意識の高まりや規制強化を背景に、EVや自動運転をテーマとしたファンドが相次いで設定され、人気を博している。

1.米国大統領選後の新規設定ファンドは先進国株式が大人気

旺盛な新規設定ファンドと頻繁なファンドの乗り換えが課題とされるなか、新規設定ファンドの状況は以前と比べ落ち着いた推移を示している。ただ、その中でも先進国株式ファンドを中心に海外の株式へと投資するファンドは引き続き高い人気を誇っている。

図表1は、アクティブ型の新規設定ファンドにおいて、最近の先進国株式ファンドの人気度をイメージしてもらうために、トランプ大統領選挙以降(2016年12月~直近)と、それ以前の3年間における新規設定ファンドのネット資金流入額の資産別構成を示したものだ。

実は、新規設定を資産別のファンド数でみるとその構成には大きな変化はない。

たとえば先進国株式は両期間において2~3割程度にとどまっている。一方で、その時節の経済状況を反映して資金を集める資産には変化がみられる。

以前は国内株式やREITの人気も高かったが、米国の大統領選挙以降は、減税やインフラ事業など選挙公約への期待の高まり、アマゾンやグーグルに代表される情報社会インフラ企業の成長や世界経済の回復基調を背景に、米国を中心とした先進国株式ファンドが資金流入の半分を占めた。

図表1: 新規設定ファンドにおける、ネット資金流入額の資産別構成

 

2.先進国株式の新規設定ファンドはテーマ型一色

それでは、人気のある先進国株式の内訳を見てみよう。

図表2は、先ほどと同じく米大統領選後とそれ以前の3年間におけるネット資金流入額の構成を示したもの。従来からテーマ型タイプ(図の青色部分)がかなりの割合を占めていたが、最近は8割近くが同タイプとなった。また、減税の恩恵を大きく受けるとされ、好景気を背景に成長期待も高い中小型タイプも人気だ。

テーマ型ファンドの顔ぶれには変化が見られ、以前はロボティクス関連が人気を集めていたが、最近ではAI関連やIoTなどの情報技術関連、また、直近ではEVや自動運転といった自動車・メカトロニクス関連にも注目が集まっている。

図表2: 新規設定の先進国株式ファンドにおける、ネット資金流入額の内訳

 

3.直近は自動車・メカトロニクス関連の設定相次ぐ

2018年1月はEVや自動運転などをテーマとしたファンドが相次いで設定され、一部のファンドは多くの資金を集めている(図表3)。

環境先進国の欧州ノルウェー、フランス、イギリスをはじめ、世界各国においてディーゼル車とガソリン車の販売を禁止する方針が打ち出され、昨年10月にはフランス政府が、パリでは2024年までにディーゼル車を禁止、2030年を目途に従来型のガソリン車も禁止する規制を前倒しする方針を発表するなど、この分野の注目は高まっている。投資する側も環境意識が高まるなか、身近な自動車は馴染みやすいテーマであることが受け入れられたのだろう。

社会インフラに様々な変革が生じている中、それらを成長機会とするテーマ型ファンドの根強い人気は続きそうだ。

図表3:最近設定された、主な自動車・メカトロニクス関連ファンド

(MABファンドアナリスト 勝盛)

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