子育てにまつわるお金の話

最長5年間、非課税で資産運用できる制度で資金調達!

大学の平均学費 約550万円…その一助となる「ジュニアNISA」とは?

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子ども1人にかかる教育費は、トータル1000万円などといわれるが、まとめて支払うわけではない。幼稚園から高校まで公立であれば、かかる教育費は年間50万円程度。捻出できない額ではないだろう。

ただし、大学4年間の学費は、私立の平均では550万円にのぼるという。1年分に換算しても140万円程度。子どもが大学受験に向けて勉強し始めるより先に、学費を貯めておいた方が安心できそうだ。

ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんも、「高校までで年間50万円を捻出するペースはつかめているはずなので、残りの300万円程度を事前に貯めておけると安心」と話す。では、どのような手段で貯めていくと、効率的だろうか。

未成年名義で5年間運用できる「ジュニアNISA」

子どもが生まれてからコツコツと積み立てていく方法もあるが、既に子どもが大きくなり、大学進学まで時間がない家庭や、短い期間で一気に貯めてしまいたい家庭もあるだろう。そこで役立つのが、2016年1月から始まった「未成年者少額投資非課税制度」、通称「ジュニアNISA」だ。

「少額投資非課税制度には『NISA』『つみたてNISA』などもありますが、その中で唯一『ジュニアNISA』は、19歳以下の子ども名義で加入するもの。つまり、子どものために投資運用して、資産を増やしていく制度です」(氏家さん・以下同)

「ジュニアNISA」の対象者は日本在住の0~19歳で、1人につき1口座まで開設できる。投資できる金融商品は株式、ETF、REIT、投資信託と幅広く、資金を拠出して運用していくことになる。とはいえ子どもが資金の拠出や運用をするわけではない。

資金の拠出者には制限はないが(ただし資金は口座名義人の子どもに帰属される)、運用は両親や祖父母など、二親等以内の親権者等が運用管理者となって代わりに行うことになる。

年間投資額の上限は80万円で、最長5年間は非課税で運用できるため、最大で元本400万円となる。ただし、非課税期間が終わったら、すぐに引き出せるわけではない。口座開設者の子ども自身が18歳(※)になるまでは、払出しは不可能となる。

ちなみに、「NISA」「つみたてNISA」は、20歳以上が対象者となり、投資上限額や非課税期間が異なる。「NISA」は年間の上限が120万円で、最長5年間。「つみたてNISA」は年間の上限が40万円で、最長20年間となるため、月々に支払える積立額や運用したい年数に応じて、「NISA」や「つみたてNISA」を活用するのもひとつの方法だ。

※3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までの間は、原則として払出しできない。ただし、災害等やむを得ない場合には、非課税での払出しが可能。

“税制優遇メリット”で資金が貯めやすい

「ジュニアNISA」での資産運用は、値上がりによる利益や配当金が発生しても、課税されないところが大きな特徴。通常では20%程度の税金がかかるため、非課税であれば、長期投資のメリットをフル活用できる。

また、「ジュニアNISA」の口座に、両親や祖父母が拠出する場合、生前贈与となって贈与税の控除を活用できるところも注目するべきだろう。

贈与税の対象となるのは、贈与を受ける人が年間110万円を超える金額を受け取った場合。もし「ジュニアNISA」で年間80万円拠出し、それがほかの年間の贈与金額と合わせて110万円以下であれば、贈与税を支払わなくてもすむのだ。

「例えば、祖父母が孫の教育費として『ジュニアNISA』口座に年間80万円入金し、教育費として用意した残りのお金(30万円以下)をその子どもの口座に振り込んだ場合は、贈与税が発生しないというわけです」

ジュニアNISAは、早い段階で子どもにお金を移しておけるメリットもある。ちなみに、18歳になったからといって、必ず引き出さなければいけないわけではない。そのまま、子どもの資産として、口座を持ち続けることもできることを覚えておこう。

20歳を超えても、5年間の非課税期間は継続

「ジュニアNISA」の対象者は19歳以下の未成年だが、もし非課税期間を満了する前に、子どもが20歳になった場合はどうなるのだろうか。

「ジュニアNISAを開設している子どもが20歳である1月1日を迎えた場合、自動的に子ども自身の名義の『NISA』口座が開設され、資産をNISA口座に移換することができます。非課税期間を続けることができますが、投資上限額が年間120万円に上がり、運用管理者も子ども自身になります」

18歳になれば払出し制限がなくなるため、口座開設から5年経っていなくても十分に資産を貯めることができたのであれば、引き出すという選択肢もあるだろう。

子どもの将来を考え、投資を選ぶ家庭も増えてきているが、非課税の「ジュニアNISA」を活用すれば、より資産を増やしやすくなる。子どもが幼いうちに制度内容を把握し、検討した方がよさそうだ。
(有竹亮介/verb)

※記事の内容は2018年3月現在の情報です

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