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MAB投信だより

テーマ型ファンドへの投資はタイミングが大事

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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サマリー

●テーマ型ファンドの人気が継続している。社会情報インフラ基盤の変化により、目新しいテーマが次々と注目されている。

●取り上げられるテーマは息が長いが、テーマに沿った企業の株価が安定的に株式市場の動きを上回って推移するとは限らない。

●注目度の高い銘柄への投資の集中度が高いことから、投資タイミングによってパフォーマンスに大きな差が出ることには注意したい。

1.テーマ型ファンドの人気は続く

先進国株式に投資するファンドへの資金流入が続いているが、そのなかでもテーマ型ファンドは引き続き人気が高い。弊社がテーマ型と判断する先進国株式ファンドの純資産残高は5兆円を超え、同株式全体の4割超を占める。最近では、フィンテックやモビリティ、AI、次世代通信技術など、社会情報インフラ基盤の大きな変化のうねりが生じているなかで、多くのテーマが創出されていることも背景にある。図表1は、直近のテーマ型ファンドの残高構成を示したものだが、投信市場においても、そういったテーマが大きな残高を占めている。

図表1 先進国株式におけるテーマ型ファンドのテーマ別残高構成

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2.設定タイミングの良いファンドのパフォーマンスがよく見える

取り上げられるテーマは息の長いケースが多いが、投資対象の株価が、テーマによる市場の拡大と同じように安定的に株式市場を上回って上昇するとは限らない。株式市場ではよくあることだが、株価は将来の期待を短期間で織り込んでしまうケースもあるからだ。すでに株価がかなり先の将来性までを反映していた場合には、株価は上昇しにくい。これが、特定の業種や銘柄に集中して投資することとともに、テーマ型投資がリスクが高く、難しいと言われる理由になっている。

最近の10年間で人気を博したテーマ型として、ヘルスケア・バイオ関連ファンドの動きを見てみよう。日本だけでなく世界的に出生率が低下し高齢化社会が進む中で、ヘルスケア、バイオが注目された。実際にその市場はいまも拡大し続けているが、株価は同じようには動かない。図表2は設定時期が異なるヘルスケア・バイオ関連ファンドを並べて、先進国株式(日本を含む)に投資するインデックスファンドのパフォーマンスをどれだけ上回ったのか(超過収益)、その推移を見たものだ(各ファンドの設定時を100としている)。

図表2 ヘルスケア関連ファンドの設定時からのインデックスファンド対比のパフォーマンス

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個々のファンドの運用によってパフォーマンスに差が生じるのはもちろんだが、設定されるタイミング次第によってパフォーマンスにかなりの違いが生じる可能性がある。テーマ型は設定時に多くのお金を集める傾向があることから、重要なポイントだ。

また、テーマ性が話題になった早い時期に設定されたファンドに投資をしたほうが時流に乗っていて株価の上昇を享受でき、タイミングが遅れるほどに投資成果が得られにくい印象を受ける。

最近になって設定が目立つAI関連ファンド(図表3)においても、期間は短いが、似たような動きが見られる。

図表3 AI関連ファンドの設定時からのインデックスファンド対比のパフォーマンス

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テーマが似通ると、組入れ対象銘柄も似通ったものとなりやすく、ファンドの想定通りに市場が動いた場合には、設定があとになるほど高い株価で組み入れる可能性も増え、パフォーマンスに差が出ることは十分に考えられる。実際にそういった傾向はあり得ると考えられるが、常にそうではないことを示しておく。 

3.想定通りにはいかない場合もある

図表4は、自動運転などモビリティ関連をテーマとするファンドの設定時からの同パフォーマンスを示している。このテーマは、いま花盛りとなっているが、注目される銘柄が入れ替わるなどの影響もあり、設定が早い点では目の付け所は良かったにもかかわらず、パフォーマンスは低調な水準に止まっている。こういったケースもある。

図表4 モビリティ関連ファンドの設定時からのインデックスファンド対比のパフォーマンス

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テーマ型ファンドは、株式市場が注目する特徴をいち早く見出して設定された場合には時流にのったパフォーマンスが期待できる。追随して設定されるファンドよりも良いパフォーマンスを得られる可能性もある。但し、市場の注目が変化するとか、規制や政策等によって影響を受ける場合もある。集中度の高い投資をしており、市場の注目度の高い銘柄が多いことから、株価の変動が投信の基準価額の変動に大きく影響しやすいことには注意しておきたい。

(MABファンドアナリスト 勝盛)