「あしたのおかね」とあわせて将来をシミュレーション
【ロボアド】投資信託+ETFも提案「資産運用アドバイザー ~あしたのそなえ~」
いくつかの質問に答えることで、個々のリスク許容度とニーズに合わせたポートフォリオを診断してくれる「ロボアドバイザー(通称ロボアド)」。
今回は、最低限の質問から投資傾向を診断する「資産運用アドバイザー ~あしたのそなえ~」(以下「あしたのそなえ」)について、同サービスの提供を企画したみずほ証券グローバル戦略部デジタルイノベーション室の星子哲徳さんに聞いた。
■まずは生涯の収入・支出のバランスをチェック
「『あしたのそなえ』は、同時期にリリースした『生涯収支シミュレーター ~あしたのおかね~』(以下『あしたのおかね』)とあわせて使っていただくと、より意味のあるものになると思います」(星子さん・以下同)
「あしたのおかね」は、生涯における収入と支出を計算できるツール。年齢や子どもの有無、持ち家の有無などを入力していくと、90歳まで生きると仮定した場合の収入と支出の金額が算出される。
まず、モデルケースを用いて、将来のお金について考えよう、ということで5つの質問に回答することからスタート。回答した段階では、給与の額や生活費は平均値が設定されている。結果が出た後、平均値のデータを自身の現状の金額に変更したり、将来想定しているイベント等を設定したりすることで、より現実的な生涯の収入と支出の見通しを再計算してくれるようになっている。収入より支出が多くなる場合は、「○歳時点で約○○万円不足します」と教えてくれる。
すべて設定し終えたら「アドバイスをみてみる」を押してみよう。収入より支出が多くなっている場合は、「長期投資の効果」や「余裕資金の使い方」など、現状に合わせたアドバイスをしてくれる。また、ページの最後に現れる「ロボットアドバイザーにきいてみる」をクリックすると、「あしたのそなえ」に飛べる仕様になっている。
■最低限の質問でリスク許容度を診断
「『あしたのおかね』も同様ですが、『あしたのそなえ』は投資未経験者から経験者まで、多くの皆様に使っていただくため、最低限の簡潔な質問に絞りました。回答をクリックすると次の質問に移動する設計で、サクサク使えるようにしています」
6つの質問は「年齢」「投資経験」「年収」「投資目的」「投資に対する考え方」を聞くもので、質問ごとに選択肢が用意されているため、考え込まず直感的に答えられるだろう。
診断から導き出されるものは、回答者のリスク許容度。5タイプで診断され、「堅実タイプ」はリスクを抑え安定的な運用がしたいタイプ、「積極タイプ」はリスクをとりながら大きなリターンを期待するタイプとなる。
診断結果ページを下にスクロールすると、リスク許容度に応じた分散投資モデル(ポートフォリオ)と、そのモデルで運用した場合の将来予測が表示される。「堅実タイプ」は安定的に運用しやすい債券の割合が大きくなる一方、「積極タイプ」は値動きが大きい株式などの割合が大きくなる。
■投資信託、ETF…好みの運用商品を選択
診断をチェックした後は、具体的な運用商品を提案してくれるが、この部分こそ「あしたのそなえ」の最大の特徴といえるだろう。投資スタイルは3種類から選べる。どのスタイルを選んでも、診断した時点でもっともパフォーマンスがいい商品が提案される。
「お任せ派の方」は、1つの商品を購入するだけで株式や債券などに分散投資できるバランス型ファンド(投資信託)が提案される。
「セルフ派の方」には、株式や債券、REITなど資産クラスごとに別々のファンド(投資信託)を提案。資産ごとに1~2つ程度ラインナップされ、2つある場合はリターンが期待しやすいアクティブ型ファンドと手数料無料のノーロードファンドが並ぶ。
「こだわり派の方」では、指数と連動するETF(上場投資信託)がラインナップされる。ETFは株式と同様に証券取引所でリアルタイムに売買できるため、「あしたのそなえ」ではパフォーマンスに加え、流動性が高く売買しやすいものが優先して表示される。
「ユーザーのニーズにお応えするため、投資信託だけでなくETFもプラスし、選択肢を広げました。ある程度投資経験を積むと、ETFの魅力が見えてくるので、初めての投資のタイミングだけでなく、経験者の方にも『あしたのそなえ』を使っていただきたいです」
診断の最後に、みずほ証券の口座に飛べるようになっているため、購入もネット上で完了させることができる。
これからの人生をシミュレーションした上で、自身のリスクに対する考え方を知り、投資スタイルや運用商品を見比べながら吟味できる。「あしたのおかね」と「あしたのそなえ」をあわせて使うことで、人生設計を具体的に立てやすくなるだろう。
(有竹亮介/verb)
【資産運用アドバイザー ~あしたのそなえ~のデータ】(2018年5月現在)
・サービス開始 :2017年12月8日
・利用者層 :20~40代
・サービスタイプ:提案型
・投資対象 :投資信託、ETF
・最低投資額 :商品による
・自動積立金 :商品による
・手数料 :無料(投資信託、ETFに係る手数料は別途必要)
※記事の内容は2018年7月現在の情報です