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MAB投信だより

長期の運用実績があるファンドが注目される

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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サマリー

● 日本株式では、長期の運用実績があり、良好なパフォーマンスを示しているアクティブファンドへの資金流入が目立っている。
●その背景には、新規設定ファンドを控える動き、また、低コストのインデックスファンドに対する対抗と考えられる。
●マザー市場である日本株式に投資するファンドのなかには良好な運用成績を有しているアクティブファンドも多く、そういったファンドが注目され、資金が集まることは望ましい姿と言えよう。

1.日本株式では、長期の運用実績を有するファンドへの流入が目立つ

最近、日本株式ファンドにおいて、長期の運用実績があり、パフォーマンスが比較的良好なアクティブファンドへの資金流入が目立つ。この背景には、新規ファンドの設定を控える動きや、費用の低いインデックスファンドへの対抗という意味合いが感じられる。

顧客本位の業務運営において、過度な新規ファンドの設定と投信の入れ替えによる短い投信保有期間が課題とされるなか、新規設定は控えられる傾向にある(図表1)。また、つみたてNISAの開始によって、従来より徐々に残高を伸ばしてきた費用水準の低いインデックスファンドがより強く意識されるようになっている。

図表1 新規設定ファンドの四半期毎の推移(3年間)

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そういったなか、既存のアクティブファンドの中で、費用を上回って良好なパフォーマンスを提供し続けているファンドを取り上げる動きが徐々に広がっているものと思われる。これは結果として、顧客に長期的に優良な実績を示しているファンドを提供するという本来の望まし姿を示していると言えるのではないだろうか。

特に日本株式ファンドにおいてその傾向がみられるのは、アベノミクス以降の日本株式市場が好調であったことに加え、マザー市場として数多くのアクティブファンドがあり、その中には良好な運用成績を残しているファンドが多数存在していることによるものと推察される。

図表2 10年以上の運用実績を有する日本株式ファンドのネット資金流出入額の推移

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2.直近1年間のネット資金流入の約4割に相当

10年以上の運用実績があるアクティブファンドのなかで、直近1年間のネット資金流入額上位30ファンドのうち、日本株式ファンドが13ファンドを占める(図表3)。同期間における日本株式アクティブファンドへのネット資金流入額は8千億円強であるが、これら13ファンドへの流入額はその約4割に相当する。「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」(三井住友アセット)、「新成長株ファンド(グローイング・カバーズ)」(明治安田アセット)は、日本株式アクティブファンド全体の資金流入ランキングでも、それぞれ3位、5位にランクインした。

図表3 10年以上の運用実績がある日本株式ファンドのなかで、ネット資金流入上位ファンド

(直近1年間)                    (単位:億円)

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3.これらのファンドは、良好なパフォーマンスを有している

上表(図表3)のファンドには、中小型や新興企業を主な投資対象と謳うファンド(7本)、また、TOPIXなど株式市場全体の銘柄を投資対象としつつ、グロース(成長)株への投資に軸足を置くファンドが目立つ。いずれも最近までは比較的良好な投資環境にあったタイプだ。

これらの運用スタイルの厳密な線引きは難しいが、図表4は、そのうち株式市場全体の銘柄を主要投資対象とする比較的オーソドックスな運用スタイルのファンドのリターン推移を示している。

図表4 直期実績を有し、資金流入が目立つファンドのリターン推移

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それらは、アクティブ型の同類ファンド(図中の黒線、「国内株式・一般」)を上回っているファンドが多い。紙面の制約から図示できないが、中小型株や新興株を主な投資対象と謳うファンドでも、ネット資金流入が多い上記のファンドは、同類ファンドのリターンを上回っている。

長期の運用実績を有し、良好なリターンを提供するファンドに資金が集まることは望ましい姿であり、今後もこの傾向が継続することを期待したい。

(MABファンドアナリスト 勝盛)