FP Cafe「みんなのマネー相談」
20代年収600万円家族、事実婚の生命保険選びはどうすべき?
提供元:Mocha(モカ)
今回、FP Cafe「みんなのマネー相談」に投稿された相談は、「事実婚の夫の保険選びはどうすべき?」というもの。
ファイナンシャルプランナーの小野みゆきさん、中村芳子さんがアドバイスしています。一緒に相談内容を見ていきましょう。
※ FP Cafeとは、あなたの思いに共感し、理想とする人生を実現するまで、共に歩んでくれる「伴走者」が見つかるサービスです。数十名の女性ファイナンシャルプランナーが在籍しています。
▼相談者プロフィール
年齢: 夫26歳、相談者26歳 長女0歳
職業: 夫 正社員、相談者 公務員(育休中)
住居: 賃貸アパート
貯金: 夫 200万円、相談者 150万円
年収: 夫 300万円、相談者 300万円
月収: 夫 20万円、相談者 20万円
支出(月): 25万円
[内訳] 家賃7万円、光熱費1.5万円、食費4万円、2人でレジャーなどに使うお金 →1万円
今回の相談内容(群馬県20代さんからの投稿)
● 事実婚の場合の保険選びについて
子どもが産まれたので、夫にもしものことがあった場合のために生命保険に入りたいと考えています。
しかし、諸事情により婚姻届を出しておらず、住民票も別なので、受取人に私や長女を指定できるのか分かりません。また、遺族年金等がもらえるのかも分からないため、保障金額をいくらにすれば良いのか困っています。
インターネットでは事実婚の場合の保険選びについて情報がなく、どのように調べたら良いか当てがない状態です。
子供は2人を希望で、二学年差で第二子を設けたい。復帰は最長で4年後を考えているため、来年から4年後まで私は無給。
夫は転勤の可能性があるため、遠方の場合は私の復職後は単身赴任予定。
また、夫の趣味が車なので、3年後には2台とも売却し、400万程度の新車を購入する予定。
ファイナンシャルプランナー小野みゆきさんのアドバイス
● 事実婚の場合、各生命保険会社によって取り扱いが異なる
こんにちは。 レディゴ社会保険労務士・FP事務所の小野みゆきです。
事実婚の場合の、保険金受取人と遺族年金についてのご相談ですね。
死亡保険受取人や税金(所得税・相続税など)と、社会保険(健康保険・年金保険)では、事実婚の場合の扱いが違うので注意してください。前者は法律上が重視されますが、後者は夫の収入によって実際に生計を維持されていたかの実態が重視されます。
お子さんが認知されているか、住民票の住所は同じか(世帯は別でも住所地が同じか)、夫に法律上の妻や子がいるのか、によって変わるところがあります。
死亡保険金は、法律上の配偶者や子などしか基本的に受取人になることはできません(認知されていれば、法律上の子となります)。が、あくまでも基本的にです。
事実婚で受取人になれるか、なれるとすれば必要書類はなにかなどは保険会社によって異なるので、状況を説明して直接相談されることをお勧めします。
また、受取人は法律上の親族として保険契約し、別に夫に遺言書を書いてもらって、受取人を指定する方法もあります。この場合は専門的な知識が必要なので、お近くのファイナンシャルプランナーなどに相談してください。
● 公的年金である遺族年金は事実婚でも対象となる可能性
一方遺族年金は、事実婚でも対象となることはあります。さきほど書いたように、実際に夫の収入で暮らしていたという事実があれば事実婚の妻でも受給できます。
ただ、住所が違うと必要な書類が増えてきます。また、法律上の家族がいる場合はさらに困難になります。こちらも、状況を説明して、お近くの年金事務所で相談されることをお勧めします。
事実婚が増えたとはいえ、まだまだ公的な手続上は法律婚が重視されているのが現状です。でも、少しずつですが確実に変わってきています。
頑張ってくださいね!
ファイナンシャルプランナー中村芳子さんのアドバイス
● 親などを受取人にして保険を契約した後、受取人を変更する方法
ファイナンシャルプランナーの中村芳子です。
事実婚で、長女を出産、万一に備えて、彼に生命保険に加入してほしいけれど、それが可能かわからない、というご相談ですね。以下、小野FPの回答と少し違う点があります。
事実婚のカップルは増えていて、私も何組かの相談を受けています。
この場合の取り扱いは、生命保険会社によって違います。原則、婚姻届を出した夫婦でないとパートナーを保険金の受取人にできない会社もあれば、同性婚を含む事実婚でも、パートナーを受取人に指定できる会社もあります。
前者の場合も、一度、親などを受取人にして保険を契約した後、受取人を変更するという方法で、パートナーを受取人にできる会社もあります。
法的な婚姻関係にある夫婦でないと互いを受取人にできないのは、モラルリスク、つまり生命保険金目的の殺人や詐欺を避けるためです。なので、セオリーとしては、1)二人が事実上の婚姻関係にあり、2)生計を一にして、3)共同で助け合って生活している ことが証明できれば、保険の契約は可能なはずです。
● 事実上夫婦として生活していたことを証明できればOK
これは、遺族年金にも当てはまります。婚姻届を出していなくても、事実上夫婦として生活していたことを証明できれば、事実婚の妻とその子も遺族年金を受け取ることができます。
ただし、彼に法律上の妻が別にいる場合は、彼女が年金を受け取るので、事実婚の妻は受け取れません。
● 育休から復帰するならこども1人分の資金は1000万円で十分
育休から復帰して仕事を続ける予定なら、死亡保険金額は、子どもの大学進学費用(ひとりあたり1000万円目安)で十分です。母と子の分の生活費は、相談者さんの収入+遺族年金でまかなえるからです。
仕事をやめる場合、遺族年金がもらえない場合は、不足する生活費分を補う必要があり、より大きな額の死亡保障が必要になります。
● 「住民票が別」は一緒に生活していることを証明できない可能性
ご相談で気になるのは、住民票が別ということ。同居しておられないのでしょうか。それとも同居しているけど、何かの事情で一方の住民票の住所が別のところになっているのでしょうか。
一緒に生活していたことを証明できない事実婚ですと、遺族年金の受給は難しくなります。
郵便物や光熱費の支払い票で、同居していたことを認めてもらえるといいのですが、確実ではありません。婚姻届は出さなくても、住民票は実態に合わせておくことをお勧めします。
● 生命保険、遺族年金のスムーズな手続きには、こどもの認知は必要
また、彼はお子さんの認知はしていますか? これをしていれば、生命保険、遺族年金とも手続きはスムーズにいきますが、それ以上に、お子さんの人生全般に関わることです。認知がされてないと「私は父親に愛されていない」と低い自己イメージを持って、長く苦しむことにもなりかねません。教育にお金をかけて、よい学校に行きよい就職をしても解決できません。
もし、まだでしたら、1日も早く届け出を出されることを強くお勧めします。
[提供:FP Cafe]
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