自由に使えるお金を確保することが、健全な家計を生む…?

夫婦のお小遣いは減額するべき? 確保するべき?

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夫婦で家計を考える時、のぼりがちなテーマといえば「お小遣い額を維持するか下げるか」。子どもの教育費がかさんでくると、夫のお小遣い額を下げて対応するという家庭も多いはずだ。

そもそも、一般的に夫婦のお小遣いはいくらぐらいなのだろうか。世の中の現実を映し出したデータを見ながら、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんに夫婦でお小遣い制を導入する意味を聞いた。

直近10年でほぼ変わらないお小遣い額

まずは、明治安田生命が2018年4月に行った「『家計』に関するアンケート」(20~79歳の既婚男女1620人を調査)で導き出されたお小遣い金額を見てみよう。

●月々のお小遣い平均額(2018年)
全体 2万7037円
男性 3万4699円
女性 1万9376円

過去のデータを振り返ると、10年前の2008年の平均額は全体3万3584円、男性3万9891円、女性2万7235円と、現在より多かった。しかし、2009年は全体2万7877円、男性3万5299円、女性2万1057円となり、それ以降はほぼ横ばいの状態となっている。

「データにも出ている通り、最近は男性が3万円前後、女性が2万円前後のケースが多いです。家計相談の場面では、子どもの有無にかかわらず、夫婦ともにフルタイムで働いている家庭で、2人とも5万円前後という話をよく聞きます」(氏家さん・以下同)

年代別の平均額を見てみると、男性は順調に増えていることに対し、女性の額の推移が特徴的だ。

●年代別 月々のお小遣い平均額(2018年)
20代男性 2万9127円
30代男性 3万1385円
40代男性 3万4800円
50代男性 4万3482円

20代女性 1万8107円
30代女性 1万8137円
40代女性 1万7771円
50代女性 2万3489円

「40代女性は我慢しているけど、50代になると余裕ができていることがうかがえます。子どもが受験を控え、進学のために教育費がかかりやすいのが40代と考えられるため、一度金額が減りますが、50代で子どもが手から離れて、金額がグッと引き上がるようです」

小遣い制導入で家計がスリム化される

夫婦に関しては「互いに、ある程度自由になるお金を持つべき」と氏家さんは話す。

「『お小遣いはないけど、やりくりを頑張っている』という女性の話をよくよく聞くと、『ママ友のランチに呼ばれたから食費』『昔の友達に会うから交際費』と、その都度お金を使って、さまざまな費目に割り振っている方が多いです」

この話は男性にも当てはまるもので、費目を散らばせてしまうと、お金を使っている感覚が湧きにくく、節約できないという。これを回避するため、ある程度自由にできるお金を、お小遣いという形であらかじめ決めた方がいい。

「ひと月3万円と決めていれば、同僚との飲食代も趣味にかかる費用も美容院代も、その中でやりくりしようと考えますよね。その結果、知らない間に支出が増えているという状況になりにくいです」

例えば、お小遣い額が極端に少ないために、飲み会の度に家計からお金を捻出したとする。結果的に月4万~5万円に膨れ上がったとしても、「お小遣いが少なくて我慢している」という感覚が強いため、満足感が得にくい。最初からお小遣い4万円と設定していれば、無理を感じないため、精神衛生上もいい効果を生むのだ。

月々の必要経費に見合った額を確保するべき

「家計が苦しいから、夫のお小遣いを減らす」という話はよく聞くものだが、氏家さんは「あきらかにやりくりに困る金額にまで減らすのはNG」と言う。

「例えば、たばこも昼食も飲み会の費用もすべて込みで月3万円とすると、ギリギリの金額ですよね。『今月は会社の付き合いが続いたから、追加で1万円』ということもあるはずです。それならば最初から4万円にした方が、夫婦間で不満も出にくくなるでしょう」

働きに出ている夫に限らず、妻が専業主婦であっても、それなりのお小遣いは確保するべきだという。「専業主婦であれば家事や子どもの世話を外部に委託しなくて済むので、その分家計に貢献しています。妻にかかる費用を家計に混ぜず、お小遣いという金額に反映することで、夫婦の対等感を持ってほしいですね」(氏家さん)。

家計の見直しで最初に削減されがちなお小遣いだが、きちんと確保することで、かえって家計がスリム化されることもある。これを機に夫婦で月々の必要経費を確認し合ってみてはどうだろうか。
(有竹亮介/verb)