FP Cafe「みんなのマネー相談」
5年後に開業予定。400万円の奨学金返済があるが、開業時の借入に影響ある?繰上返済すべき?
提供元:Mocha(モカ)
今回、FP Cafe「みんなのマネー相談」に投稿された相談は、「夫婦で400万円の奨学金返済があるが、開業時の借入に影響ある?繰上返済すべき?」というもの。
ファイナンシャルプランナーの渡辺直子さん、中村芳子さんがアドバイスしています。一緒に相談内容を見ていきましょう。
※ FP Cafeとは、あなたの思いに共感し、理想とする人生を実現するまで、共に歩んでくれる「伴走者」が見つかるサービスです。数十名の女性ファイナンシャルプランナーが在籍しています。
▼相談者プロフィール
年齢: 夫32歳、相談者27歳
職業: 夫 正社員、相談者 パート(夫婦共に歯科医ですが、別々の医院に勤務しています)
住居: 賃貸
貯金: 夫婦で300万円程度(主人が1年前に転職し、結婚式をしたこともあり貯蓄額が少ないです)
年収: 夫 1000万円、相談者 400万円
月収: 夫 70万円、相談者 30~35万円
支出(月): 35万円
[内訳] 家賃9万円、光熱・通信費2万円、食費7万円、生命保険5万円、交通費5000円、美容1万円、ガソリン5000円、健康保険・年金5万円(相談者は国民健康保険・国民年金)、奨学金36000円(主人2万円、相談者は16000円)
年2回程海外旅行代はボーナスで賄っています。月に40~50万円程貯蓄できています。医療保険、生命保険は60歳払済に加入
今回の相談内容(兵庫県20代さんからの投稿)
● 奨学金の繰上返済はした方がいい?
約5年後に開業をする予定で、開業後、兵庫県のどこかに居住用マンションを購入する予定です。子供は2~3人希望で、1年後ぐらいには子供が欲しく、子供ができたら数年間は、外食や旅行は控える予定です。
奨学金として、2人で400万円程の借金があります。少しずつ繰り上げ返済していますが、開業のタイミングまでに返済したいと思っています。ただ、開業時の借入の査定に奨学金は関係ない、そして奨学金の年利は低いので急いで返す必要はないと聞いたことがあり、繰り上げ返済は本当に必要なのか、悩んでいます。年利率0.63%です。
子供ができると、私が働けないので収入が減ることも不安です。今からできること、お金の使い方についてもアドバイスがあれば、教えて頂きたいです。iDeCo、つみたてNISAについても検討中です。よろしくお願いします。
ファイナンシャルプランナー渡辺直子さんのアドバイス
● 夫婦が毎月使うお金を「見える化」するのは一つの手
こんにちは、ご相談いただきありがとうございます。ファイナンシャルプランナーの渡辺直子です。
現在、二人暮らしで夫婦共に歯科医でいらっしゃるとのこと、5年後の開業に向けて御夫婦でできるお仕事があるのは素晴らしいですね。一般的なサラリーマン家庭に比べて、年収も高めなので、年2回の海外旅行や外食の機会が比較的多めの印象でしょうか。
一方で、家賃や通信・光熱費などは抑えられており、お昼もお弁当持参とのことで御夫婦での努力が伺えます。ただ、御夫婦それぞれお小遣いという形ではないので、夫婦それぞれで毎月使うお金が不明瞭になっている可能性があります。
そこを一ヶ月単位でどのくらい支出があるか、一旦書き出しでみると良いと思います。難しいようならレシートを取っておいて見直す程度から始めても良いと思います。まずは、どのくらい使っているかの現状把握するのが大切なので、2人でじっくり話す機会を持てるといいですね。2人でお話がしにくいならば、ファイナンシャルプランナーなど第三者を交えて行うのも効果的です。
なかなか削りにくいレジャー支出ですが、年に2回の海外旅行を1回に減らす、または多少プレミアムを付けて2年に1回のお楽しみにするなども検討してみてください。
それによって、月に40~50万円程貯蓄できている貯蓄額にさらにボーナスをまるまる追加するなどすれば加速度を増して御夫婦で開業の夢がより現実的なものになってくると思います。
● 奨学金は借入査定に関係ない。繰上返済もしなくてよい
奨学金の返済ですが、おっしゃるとおり開業時の借入の査定に奨学金は関係ないことや貸付金利は低いので、繰り上げ返済は事業が軌道に乗り、収入の目処がある程度たってからの返済でも良いかと思います。
5年後の開業に向けて、事業が軌道に乗るまでのあいだの生活資金と開業資金としては少なくとも1年半、できれば2年程度は蓄えておきたいものです。具体的な金額では生活資金1000万円、開業資金やマイホームの頭金として2000万円の併せて3,000万円を目標に貯蓄計画を立てると安心だと思います。
● お子様に関するお金について
お子様を2~3人ご希望されているとのことで、出産時にはご加入の健康保険制度から出産一時金などの手当がありますので、出産自体にはさほどお金はかかりませんが、ベビー用品などを揃えるのに費用がかさみます。
現在、ご加入されている生命保険が月々5万円とのことですが、そのうち貯蓄性のある保険があれば学資保険と同じように教育資金として活用できるものもあるかもしれません。必要以上に支払っている保険はないかどうか、一度、ご加入中の生命保険の見直しもおすすめいたします。
● iDeCo、つみたてNISAについて
御夫婦で開業されるとのことで、会社勤めと比べてより一層の老後資金の計画的な資産形成が必要となります。iDeCo毎月拠出やつみたてNISAをスタートされると良いですね。
iDeCoは毎月5,000円から拠出額の設定ができますし、つみたてNISAも少額から積立金額の設定ができます。まずは、より早いスタートが上手な資産形成の第一歩となります。ぜひ制度を活用されて節税効果を実感してみてください。iDeCoについては原則60歳までの引き出しができない点にご注意ください。つみたてNISAは基本的にいつでも資金化ができる点が両制度の違いとなります。
ファイナンシャルプランナー中村芳子さんのアドバイス
● 繰上げ返済する必要は全くない。できるだけ長く借りているのが賢明
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの中村芳子です。
奨学金の返済についてのみ回答します。
繰上げ返済する必要は全くありません。開業資金ローン、住宅ローンなどよりはるかに金利が低いので、できるだけ長く借りているのが賢明です。
将来、資金の余裕ができて、次世代が奨学金をもっと利用できるように、という主旨で繰上げ返済する意味はあります。
[提供:FP Cafe]
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