東証マネ部!×「インベスターZ」
「小さいころから学ぶべき」女優・東ちづるが人生で培った“お金観”
東ちづるさんがドラマ『インベスターZ』にゲスト出演する。役どころは、ブラザートムさん演じる喫茶店オーナー・沖正雄の妻、久子役。年を重ねたことで喫茶店をふたりで営むことが難しくなり、MEGUMIさん演じるアルバイトのシングルマザー・渡辺香里に“居抜き”で喫茶店を譲ることになる。そして経営に不慣れな母を案じて乗り込んでくる娘の隆子(柳 美稀)たちと“討論”が始まるのだ。
ドラマなのに“朝生”スタイルで展開! ユニークな作風には学びがいっぱい
「『朝まで生テレビ』みたいですよ。控えめな私が豹変して、田原総一朗さんのようにファシリテートするんです」
「さぁ、というわけで喫茶店開業はありかなしか。本日も徹底的に話し合っていきたいと思います!」(台本より)といった具合に、なかなかコミカルな仕立てなのだ!
「トムさんも、コントのような演出で演じていて、とにかく作りこんでいます。原作とはちょっと違った仕上がりになってますね。難しいテーマをすごくわかりやすくかみ砕くために、そういった演出にしているんだと思います」
トムさんとはバラエティで共演して以来、演技の現場では初共演。「何が飛び出してくるかわからない面白さがありました」と振り返るが、それはドラマそのものについてもいえるようだ。
「仕上がりが楽しみです。今回は飲食店の話ですが、どういう目的でお店を経営するかで手法は変わってきますよね。人が集まる場として存在させたいのか、お金儲けをしたいのか、とか。ここで描かれるのはきちんと経営ができて、地元の人達の憩いの場になるお店。こういう考え方もあるんだと学べました」
東さん、台本がおもしろかったことから、撮影前になんと原作を全巻購入! こんなに琴線に触れたのは、ご自身でも飲食店を経営しているからともいえそうだ。
「私はボランティア団体の代表をしていますが、そのカフェを持つのが夢です。みんなが集える、打ち合わせもできて、様々な特性のある人達も気軽に来られて、ワイワイ話ができるような。そんな「まぜこぜ交流会」がしたくて、南青山で小さいご飯屋さんを経営しています。以前は自宅で開催していました。みんなで飲み食べしながら私が食事を作ってとすごく楽かったんだけど、後片付けが大変だし、経費もかかるし、手土産とか気を使わてしまったので、別にお店を構えました」
お金のためではなく、みんなが集まれる場所作り。その意味で、ドラマで描かれた喫茶店に近いかもしれない。赤字にさせないために、昼間は誰でも利用できる飲食店とする“二毛作”の経営スタイルなのだそう。
お金は道具だから、どう回していくか。ボランティアでも疎かにしてはいけない
東さんの団体とは、一般社団法人Get in touchのこと。もともと個人で骨髄バンクの啓蒙活動から始め、マイノリティの支援活動や数々のボランティアなど、社会活動の幅を広げてきた。お金を儲けるための活動ではまったくないが、そこでは否応なしにお金について考える局面が多々あったという。
「たとえばポスターを自分たちで作るとき、印刷代ってかなりかかるんです。最初は自分たちでお金を出し合っていたんだけど、それだと続けていくのがなかなか難しい。2011年に個人で活動を始めて講演に出向いたとき、『交通費を出します』って言われたんですよ。当たり前のことだけど、『あ、そうだよねぇ』って腑に落ちた。そのとき、私は1円も使わずに活動ができるんだとわかって。だから最低限の交通費や宿泊費は交渉するルールを作りました。呼ばれたときはそういった決まりで動いているので、私たちが主催する講演会のゲストさんには薄謝ですが日当も出します。社会的な活動っていうのは、無償の便利な労働力になってはいけないんですよ」
そのあたりを誤解している人が日本にはまだまだ多いという。ボランティアという英語の意味を調べると、「自発的な行為」とある。そこに「無償」とは書かれていない。
「お金は道具なので、それをどう回していくか、こちらの都合で『その道具を与えられません』というのはフェアじゃないと思う。災害時とか、瞬発力の必要なときはその限りじゃないし、自分で背負うけど、それ以外は活動が“重荷”になってはいけないですからね」
お金=汚いものでは決してない。日本には「お金教育」が必要!
社会活動は仕事ではない。だからそこで得られたお金は、報酬ではないというスタンス。だから仕事で得られたお金は、自由に使っている。たとえば投資も。
「すごくシンプルで、CM契約が成立すれば一緒に頑張っていきたいという意味でその企業の株を買っています。あまり大きな額ではないですが、株主優待とかあるとちょっと嬉しいですよね」
もともとデビュー前は一般企業の社員だった経歴を持つ東さん。芸能界に入り、一方で社会活動も積極的に行ってきた。それだけに、視野は広い。お金についても然り。
「こういう世界にいると、お金に支配されたり、執着しすぎたりしそうになるのかもしれません。それは危険ですが、考えないこともダメ。お金って、仕事にもボランティアにも、恋愛にも家族にも、生まれてから死ぬまで、すべてのことに付いて回るものだと思います。『お金に興味ない』というのは、はカッコイイかもしれないけど無知な発言だよと。日本ではどうも、お金の話がいやらしいとか、卑しいといったイメージになりがちですけど、お金について語らないのはただのキレイごとで」
東さんがデビューしたとき、「いくら支払われるのか」を聞いたことがあるという。それはどれだけ儲かるのかが気になるのではなく、単に自分の商品価値を知りたかったから。怪訝な顔をされたと振り返るが、そこに“問題点”があると考えているそう。
「日本はお金の教育がないでしょう。お金の話もできないと理想も語れないし、実務もできないですよね。そこをちゃんと学んでこないから政治とかでお金の問題が出たときに、変な議論が巻き起こるのでしょうね。子どもの頃から経済を考える機会を与えるべきだと思うんです」
【プロフィール】
東ちづる
1960年広島県生まれ。メーカー勤務後に芸能界デビュー。映画やドラマ、バラエティなどに出演する傍ら、一般社団法人Get in touchの理事長を務めるなど多彩な活躍を見せている。
株式やFX、不動産投資といった資産運用をコミカルに学べるドラマ作品。主人公の財前孝史を清水尋也が熱演。ヒロインの藤田美雪に早見あかり、不敵な投資部部長・神代圭介に柾木玲弥など、フレッシュな顔ぶれが揃った。そして作中には、今をときめく実在企業の社長たちもキャスティング。お金の見方が変わること間違いなしの、この夏の注目ドラマだ! テレビ東京ほか「ドラマ25」で7月13日からスタート。毎週金曜深夜0時52分~1時23分放送。初回は深夜0時57分から放送