雇用保険の補償

失業手当だけではない!意外と知らない「雇用保険」の手厚い補償

提供元:Mocha(モカ)

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給料明細を見ると、ひと月数百円から千円ほどの金額が「雇用保険料」として引かれています。保険料が安いので、あまり気にしていない人が多いのですが、これを支払うことで得られる雇用保険の補償はとても優れているのです。
今回は、地味だけど凄い「雇用保険」について、20~40代の女性会社員目線で解説します。

雇用保険料の自己負担はたったの0.3%

雇用保険は、1ヶ月以上続けて働く予定で、1週間の労働時間が20時間以上あれば、加入しなければならないとされています。その保険料の料率は以下のようになっています。

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一般的な企業の雇用保険料率は0.9%(2018年度)です。その内訳は、事業主負担が0.6%、個人負担が0.3%です。つまり、通勤手当や時間外手当なども含めた給料の総額に0.3%を掛けたものが、毎月計算されて給料から天引きされているのです。例えば、8月の給料の総支給額が25万円なら、個人負担は750円となります。

こんなに安い保険料で、退職直前6ヶ月の給料の平均50%~80%を、離職理由によって3ヶ月~1年間、再就職での間の生活保障として受給できる「基本手当」だけでなく、在職中でも「育児休業給付金」や「教育訓練給付金」をもらうことができます。

育児休業給付金がもらえる!

産前産後休業中の収入保障である「出産手当金」は健康保険からの支給ですが、その後、子の1歳の誕生日の前日までの収入保障である「育児休業給付金」は、雇用保険の被保険者が対象となります。支給される額は以下の表となります。

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ただし、育児休業給付金を受給するためには、育児休業の開始以前過去2年間に12ヶ月以上「雇用保険被保険者期間」がある必要があります。

雇用保険被保険者期間は、同じ会社にいる期間だけではなく、前職をやめてから基本手当をもらわず、再就職まで1年未満であれば、前職の被保険者期間は通算されることになっています。出産手当金は女性しか対象になりませんが、育児休業給付金は男性も対象となります。

教育訓練給付金は在職中だけでなく、退職後ももらえる!

「教育訓練給付金」も雇用保険からの給付です。
この制度は、雇用保険に3年以上(初めて利用する場合は1年以上)加入している人が、厚生労働大臣指定の教育訓練制度を受講し修了した場合に、その費用の一部が支給される制度です。

この制度を利用するにあたって気をつかなければならないのは、「大臣指定の訓練」であることと、「修了しなければならない」ことです。ここでいう修了とは、資格試験に合格することではなく、教育訓練実施機関が指定した修了試験に合格することなどを指していて、最後まで受講することが条件です。修了試験に合格したら、1ヶ月以内に申請しなければいけません。

また、この制度を利用するためには、受講申し込み時点でこの制度を利用することを教育訓練実施機関に伝えておかなければならないので、注意してください。

一般の教育訓練給付の支給額は、受講費用の20%相当額(上限10万円)となります。受講費用が20万円なら、4万円の教育訓練給付金が申請後支給されることになります。
この制度は、前回の利用から3年以上経っていれば再度利用できます。
また、在職中だけでなく、退職後1年以内であれば利用可能です。取りたい資格があって、大臣指定の講座を退職後に受講する予定があるなら、3年未満(初回なら1年未満)で退職することは避けましょう。

まとめ

結婚して通勤時間が長くなった、家事の負担が増えたなど、勤務時間を減らしたいからと正社員からパート社員に変更することもあるでしょう。そのとき健康保険・厚生年金保険から外れたとしても、雇用保険には継続して加入できるよう、勤務時間は週20時間以上(週休2日として、1日4時間以上)にしておきましょう。

今回は20~40代女性会社員の目線で雇用保険を解説しましたが、全ての年代でできる限り雇用保険に加入しておくべきです。育児休業給付金は「介護休業給付金」と置き換えることもできます(多少給付面で違いがあります)。
これらの補償を、月1000円前後の保険料を負担するだけで、基本手当に加えて受けることができるからです。

[執筆:ファイナンシャルプランナー小野 みゆき]

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