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7月2日、制度開始!

ETFマーケットメイク制度導入後の変化(制度開始後2か月間の検証)

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Stock market graph analysis

ETFマーケットメイク制度がスタートして2か月が経過。マーケットメイク制度により、対象銘柄の大部分で注文提示状況(スプレッド)が改善した事実と、「業種別指数(TOPIX-17シリーズ)」等を対象指標とするETFで、売買代金が増加する傾向が表れ始めていることを紹介した。8月に入り、こうした傾向が順調に継続しているかを改めて検証すると共に、マーケットメイク制度の有用性を今後も浸透させていく観点から、マーケットメイク対象ETFのうち、いくつかの商品を紹介する。

「業種別(TOPIX-17シリーズ)」ETFの流動性はどのように変化したか…?

●業種別指数(TOPIX-17シリーズ)を対象指標とするETFのスプレッド改善状況

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マーケットメイク制度は、気配提示状況の改善を通じて、売買代金や純資産残高の増加に繋げ、それによりETF市場が活性化することが期待されている。上の図は、「業種別指数(TOPIX-17シリーズ)」を対象指標とするETFのうち、マーケットメイク対象22銘柄について、注文提示状況のスプレッド(売気配と買気配の差)を、制度開始後(8月31日)と開始前(6月14日)で比較したものだ。銘柄ごとに、制度開始後のスプレッドを青色グラフで表示し、制度開始前のスプレッドを水色グラフで表示している。
マーケットメイク制度導入後、業種別指数(TOPIX-17シリーズ)のマーケットメイク対象ETF22銘柄全てで流動性が改善しており、うち、21銘柄でスプレッドが50bpsを下回る水準まで縮小したことが確認できた。制度導入前は、半数以上の銘柄で50bps以上の水準であったことを踏まえると、投資家にとって、業種別ETFは取引しやすい状況に改善したと言えるだろう。流動性が改善したことで、売買代金も増加しおり、制度導入後2か月間(7~8月)と、導入前3か月間(4~6月)を比較すると、下の図のとおり、1日平均売買代金は約80%増加する結果となった。

●「業種別指数(TOPIX-17シリーズ)」を対象指標とするETFの一日平均売買代金(立会内)の変化

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8月に売買代金が増加したETFは…?

ETFマーケットメイク制度を引き続き浸透させるべく、「東証マネ部!」では、今後も随時、制度の効果を検証していく予定であるが、今回は、マーケットメイクの対象となっているETFについて、いくつかサンプルで、商品性、特徴等を紹介することとする。
下の表は、マーケットメイク対象銘柄のうち、直近8月の一日平均売買代金(立会内)が、前月7月と比べて活況となった銘柄の上位をピックアップしたものだ。売買代金は様々な要因で変動するため、ここで紹介する銘柄全ての売買代金増加要因が、マーケットメイク制度の影響とは限らない点は留意してほしい。

●8月に売買代金が増加したマーケットメイク対象銘柄上位(7月比)

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売買代金増加率(7月比)でトップにランクしたのは、冒頭でも紹介した業種別(TOPIX-17シリーズ)ETFの一つ「(1635)ダイワ上場投信 TOPIX-17 エネルギー資源」である。このETFがベンチマークとするのが、業種別指数「TOPIX-17エネルギー資源」であり、東京証券取引所第一部に上場している「鉱業」、「石油・石炭製品」に属する銘柄で構成されている。

業種別指数の値動きは、政策・イベント・経済動向等によって、業種ごとに大きく異なってくる。例えば2017年は、原油価格が上昇した1年であったが、資源の売り手企業が多い「エネルギー資源」は、業績にプラスの影響を受けた一方、資源の買い手企業が多い「電力・ガス」はコスト増につながったため、これら二つの業種は、パフォーマンスに大きな差が表れた。このように、業種別指数の値動きは、それぞれの業種で異なるため、業種ごとの個性を知ることで、日経平均などの日本株全体への投資だけでは獲得できないリターンを期待することもでき、また個別銘柄だけの投資と比べて一極集中リスクを軽減することも可能だ。

なお、業種別(TOPIX-17シリーズ)ETFは、このほか、野村アセットマネジメント社の「(1630)NEXT FUNDS 小売(TOPIX-17)上場投信」も7位にランクインした。こちらは、記事内のグラフでも示したとおり、マーケットメイク制度により、そのスプレッドが、50bps以下まで縮小し、取引しやすい板状況に改善していることを確認することができた。

2位には、「(1479)ダイワ上場投信-MSCI日本株人材設備投資指数」がランクインした。設備投資・人材投資に積極的で将来の成長が期待できる企業の株式を構成銘柄とする株価指数「MSCI日本株人材設備投資指数」との連動を目指すETFだ。

3位は、「(1586)上場インデックスファンドTOPIX Ex-Financials」。このETFは、TOPIX(東証株価指数)を構成する33業種のうち、金融関連の4業種(「銀行業」「証券、商品先物取引業」「保険業」「その他金融」)を除いた29業種で構成される株価指数への連動を目指すものだ。

4位と9位にはREIT-ETFがランクインした。4位が「(2517)MAXIS Jリート コア上場投信」、9位が「(1488)ダイワ上場投信-東証REIT指数」。REIT-ETFは、他のETFと比べ、分配金利回りが高い傾向があることも特徴だ。

5位には、配当利回りが高い企業に着目したETF「(1494)One ETF 高配当日本株」がランクイン。世界的に低金利環境が続いていることから、高配当銘柄の注目度はひときわ高くなっているが、ETFを用いて、手軽に高配当銘柄へ投資できることが魅力だ。

6位には、規模別指数のうち、超大型株の値動きを示す「TOPIX Core30」との連動を目指すETF「(1344)MAXIS トピックス コア30上場投信」が入った。

8位と10位には、ESG関連ETFがランクイン。近年、世界でESG投資が急拡大しているが、共に、FTSE インターナショナルリミテッドの基準に基づき、ESG(環境・社会・ガバナンス)要因への対応力が優れた企業を選定する「FTSE Blossom Japan Index」との連動を目指すETFで、8位が「(1654)ダイワ上場投信-FTSE Blossom Japan Index」、10位が「(1498)One ETF ESG」だ。

今回紹介した10銘柄のほぼ全てで、マーケットメイク制度開始以降、スプレッドが縮小していることが確認できた。

最後に、制度開始後(7~8月)と、開始前(4~6月)とを比較して、売買代金が増加した銘柄の上位を掲載しておく。今後も随時、マーケットメイク制度を検証していく予定だ。

● 一日平均売買代金(立会内)増加率1位~15位

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● 一日平均売買代金(立会内)増加率16位~30位

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(東証マネ部!編集部)