あなたは何歳まで生きられるか
ヒトとおカネの寿命の話
提供元:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
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延びる平均年齢、ヒトの寿命に限界はあるのか?
あなたが好きな歴史上の人物を思い浮かべて欲しい。その人は、何歳まで生きただろうか?多くの場合、現代に生きるわれわれの感覚では、早世が惜しまれる年齢のはずだ。織田信長が好んで舞ったと伝えられる幸若舞『敦盛』。「人間五十年」の一節はよく知られる。
今はどうだろう。平成29年簡易生命表(厚生労働省)を見ると、0歳児の平均余命は男性が81.09歳、女性が87.26歳まで延びている。そして、世界の統計データで見ても平均年齢の長期上昇傾向は明らか。今後も、しばらくは延び続けると予測されている(図1)。
平均年齢が着実に延びる一方で、人間の寿命には一定の限界があるとの説がある。1990年代半ばまでは着実に上昇していたとされる史上最高齢者の死亡年齢の記録が1997年以降更新されていないことも、その根拠の一つに挙げられる。
これまでの平均年齢上昇に大きく貢献した公衆衛生の改善や、医療技術の進化による効果が限界に達しつつあるとの見方だ。問題解決のためには、当然要因を特定する必要があるが、加齢による老化は人体機能の不全が同時に発生する上に、要因も複合的で解明が難しい。
加齢による疾患の代表はがんだが、例え全てのがんが治療可能になったとしても、寿命は数年しか延びないとの推定もあるこれに対し、人体のストレス回復力を向上させる「バイオレジリエンス」などの新しい技術の活用によって、その壁を乗り越えることが可能だと主張する研究者もいる。
いずれにしても、論点は120歳超の寿命の限界を巡るもの。適切な環境が整いさえすれば、ヒトは100歳くらいまでは生きられるし、その環境を整えることが決して夢物語ではない時代になっているのだ。
意識したいおカネの寿命、学びたい資産運用
長くなった人生を愉しむためには、先立つものが必要だ。生涯現役の人もいるかもしれないが、多くの人にとって寿命の延長は引退後の生活が長くなることに直結する。人生80年と人生100年では、現役引退時に必要となる貯蓄額が倍以上違う(図2)。
これだけ貯めないと、おカネの寿命が先に尽きるというわけだ。金額で見るとその重みが改めて実感できるのではないだろうか。長期投資で「おカネに働いてもらう」ことも検討したい。
もう一つ考えておきたいのが、おカネの価値は長期で見ると大きく変動するということ。
今から100年前、1918年は米騒動の年。1升11銭程度だった米の値段がおよそ3倍に跳ね上がったことがその原因とされる。つまりこの年、米を基準にしたおカネの価値は約1/3に減ったことになる。現在もち米以外の米を升単位で買うことはあまりないが、10kg 4,000円として計算すると1升は600円程度。同様に考えるとおカネの価値は大きく減じていることがわかる。
このようにおカネの価値が目減りするのが、インフレだ。このところ日本は低インフレまたはデフレの状態が長く続いている。しかし、今でも世界を見回せばベネズエラを筆頭に、高インフレで苦しむ国は少なくない。
長い人生において「高インフレが、訪れない」と断じるのは、あまり賢明ではないだろう。引退後の生活のように貯蓄を取り崩して生活をするケースでは、資産を現金だけで持つとインフレがおカネの寿命を縮めてしまうことになる。
このように、資産形成においても築いた資産の価値を維持するためにも、資産運用の知識は重要。お米の話の続きではないが「もちはもち屋」、専門家である証券会社のホームページを覗いてみることからはじめてはどうだろうか。
(提供元:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)