リタイア後のマネー事情

きになる老後のお金事情

「年金100万円+貯蓄1億円」VS「年金300万円+貯蓄100万円」、老後はどっちが安心?

提供元:Mocha(モカ)

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定年後の生活にはどんな資金が役に立つのかをAさんとBさんの二組のご夫婦に伺ってみました。

Aさん夫婦は、ずっと自営業者だったので、年金は基礎年金だけです。収入としてはこの年金の年間100万円しかありませんが、しかし、自営業時代にコツコツ貯めたお金がなんと1億円あります。それだけの貯蓄があれば老後の生活は悠々自適だな!と推察されます。

一方、Bさん夫婦は、ずっと会社員でしたので、厚生年金です。年金額は年間300万円です。一般的な老後の生活をされているものの、預貯金は100万円程度しかありません。

さて、この二組の老後生活ですが、精神的にゆとりのあるのは、どちらだと思いますか?2つの生活をみながら、どんな老後資金を準備すればいいのかを考えてみたいと思います。

1億円の貯蓄があっても減っていくのが不安!

まずは、Aさん夫婦に話を伺いました。自営業を夫婦で頑張ってきたので1億円の老後資金を準備できました。ただ国民年金で、未納期間もあるので夫婦あわせても月額約8万円です。そのため毎月30万円ぐらいずつ貯蓄から取り崩して生活をしているそうです。現役時代はよく海外旅行へ行っていたのですが、いまは、旅行に行くのも控えているそうです。

Aさん曰く「これからの老後資金を心配しています。預金がどんどん減っていくので、旅行などの大きな出費は不安なのです」
(ええっ!これからの老後資金ですか? 年金暮らしは老後ではないのかな?)と私は思いました。

貯蓄が1億円あるのだから、毎月30万円貯蓄を取り崩したとしても、約28年間持ちます。それに1億円の資金を安全に運用すれば、もっともたせることもできるはずです。

老後資金が1億円です!計算上は安心できる金額ですし、月額38万円の暮らしですから一般的には、十分余裕のある老後生活です。それでも、人間というのはお金が減っていくことに対してとても「不安」を感じるものなのですね。

どうも、預金通帳の数字が減っていくと、「長生きすると預金が足りなくなる」という気持ちになってしまうようです。

年金を繰下受給して年金を増やすことに成功!

次にBさん夫婦の話を伺いました。年金を繰下受給したので年金額を増やすことができました。年金額は300万円で月額25万円です。総務省統計局の「家計調査」(平成23年)のデータでは70歳以上の世帯での家計支出は約22万円です。それを考えるとBさん家計も余裕です。

しかし、Aさんの月額38万円に比べると13万円も少ないですね。それでも毎月やりくりをしながら生活を楽しんでいるそうです。旅行資金も少しずつ捻出して国内のバスツアーなど、たまに楽しまれているそうです。

年金と支出が同じくらいなので、貯金に手をつけなくても大丈夫なことが大きな安心につながっているようです。

そして、Bさんがこっそり「いまは生活に困っていないけれど、これからの老後が心配だから、少しずつ貯蓄をしている」と言うのです。
(えっ!また、これからの老後資金ですか?)と私はまた思いました。元気な高齢者が増えているのはいいことです。

いよいよ「人生100年時代」ですから、やはり老後資金は心配ですよね。しかし、そのなかでも安心できる老後資金とは「一生涯減らないお金」を持つことが重要なのではないかと思います。

老後資金は「減らないお金」を持つことが重要

Bさんのように、毎月一定額のお金が入ってきて、貯蓄を取り崩さないで生活ができれば精神的に楽かも知れません。では、「一生涯減らないお金」を持つにはどうすればいいのでしょうか?

一生涯受け取れるお金は、いちばん大きいのが年金です。その年金額を多くするには、公的年金をできるだけ長く払うことが必要です。それには、次の方法があります。

長く働けば、厚生年金は70歳まで加入できます。国民年金の場合は40年ですが、それに満たない場合は任意加入をして支払期間を延ばすこともできます。国民年金基金も終身で受け取ることができる年金です(終身型の場合)。

また、Aさんのように貯蓄がある場合は、貯蓄を運用することによって株式の配当益や不動産の家賃収入も長期に渡って定期的な収入を得ることができます。
iDeCoも老後資金にはとても有効ですが、確定給付や一時金の商品がほとんどです。しかし、それを活かして、年金の繰下受給の原資にすることができます。

ご自分に合った方法を見つけて、「人生100年時代」に対応した年金資金を作ってはいかがでしょうか?

[執筆:ファイナンシャルプランナー長尾 義弘]

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