MAB投信だより
2018年度上半期の人気ファンドを見てみよう
提供元:三菱アセット・ブレインズ
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サマリー
●2018年度上半期は、好調な米国株式動向を背景に、テーマ型を中心とした外国株式関連ファンドが上位を占めた。
●そのなかで、安定運用で分配ニーズに応えるバランス型も一定の人気を博している。
●半年前(2017年下半期)の人気上位ファンドからは資金流出に転じているものも多く、選好されるテーマやファンドは比較的短期間に入れ替わっているといった印象を受ける。
1.上位にはテーマ型を中心に外国株式関連ファンドが占める
今回は2018年度上半期のファンド選好について、資金流出入によるランキングをもとに総括してみよう。図表1には、同期間におけるネット資金流入額上位20ファンドを掲載している。
図表1 2018年度上半期(2018年4月~9月)におけるネット資金流入額上位20ファンド
好調な米国株式動向を背景に、フィンテックや5Gなどのテーマ型を中心とした先進国株式が11ファンドと半分強を占めている。次いで、日本株式では、良好な実績を有する「ひふみプラス」や「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」などの4ファンドがランクインした。
一方で、安定運用志向のバランス型(複合資産型)として「スマート・ファイブ」とともに「東京海上・円資産バランスファンド」が再び人気を博した。
また、10年満期の単位型で元本確保を目指しつつ投資収益の上積みを図る「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド」は、そのスキームが注目されて「2018-07」設定から話題となったが、「2018-09」設定ではさらに大きな資金を集めた。この商品スキーム等実現の手段に関しては特許申請がなされている。
繰り上げ償還条項付きの「日本厳選割安株ファンド」シリーズも安定した人気があり、設定のたびに一定の資金を集めている。なお、債券関連ファンドはランクインしてない。
全体的に、株式関連ファンドは再投資型のタイプが多い一方で、バランス型は分配金ニーズに応える毎月決算型の人気が高いようだ。また、設定日に目を向けると、半年以内に設定されたファンドが5本入っている。一時ほどではないが、大型の新規設定ファンドが上位に顔を出す傾向は続いている。
ただ、順位の推移をみると、前の半年(2017年10月~2018年3月)に100位以内に入っていたファンドが11本あることからすると、半年以上かけて成長したファンドも一定割合を占めている。
2.半年前のランキング上位で流出に転じたファンドは意外と多い
では、前の半年間(2017年10月~2018年3月)の状況と比べてみよう。図表2は、同期間のランキングを掲載している。
図表2 半年前(2017年10月~2018年3月)におけるネット資金流入額上位20ファンド
この時期もテーマ型中心に先進国株式ファンドが7本と多いが、市場環境を反映して、インドや新興国関連ファンドもランクインし、また、「JPMベスト・インカム(毎月決算型)などインカム志向をファンド名に謳ったものも複数ある。
これらのファンドの多くは、最近の半年間では順位を下げており、資金流出に転じたファンドも多い。直近半年間で資金流出に転じたファンドは8本あり、2018年9月単月に限ると15ファンドから流出している(図表の右端に※印を付しているファンド)。
流出額が際立っているわけではなく、株価が短期的に大きく上昇したことによる利食いと考えれば想定の範囲内とも言えるが、選好されるテーマやファンドは比較的短期間に入れ替わっているといった印象も受ける。
なお、上位20ファンドで、直近の半年間も同じくランクインしているファンドは「ひふみプラス」と「スマート・ファイブ」の2本しかない。
(MABファンドアナリスト 勝盛)