定年ビンボーにならないために

退職金の使い方次第で「定年ビンボー」に!3つの失敗例と対策

提供元:Mocha(モカ)

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長年働いて手にした退職金。老後資金でも大きな割合を占める退職金の使い方で失敗してしまうと、惨めな老後を過ごすことになりかねません。

今回は、よくありがちな失敗事例を通して、人生100年時代に身につけたい退職金の使い方を考えてみましょう。

お金の使い方も昭和の時代を引きずっていませんか?

2017年の日本人の平均寿命は、男性81.09歳、女性87.26歳と男女ともに更新しています(「平成29年簡易生命表」厚生労働省2018年)。

日本の年金制度は、退職後20年生きることを前提に設計されていると言われています。

しかし、人生100年と考えた場合、60歳にリタイアすると、40年もあることになります。

突然ですが、「サザエさん」の父親、磯野波平は、定年を1年後に控えた54歳という設定です。昭和時代は、平均寿命は今よりずっと短いものでした。

ですから、もらった退職金で海外旅行に出かけたり、外国車を買ったりしても、サザエさん家族にお金が遺せたかもしれません。

しかし、平均寿命が長くなったからといって、退職金が増えたわけではありません。ですから、散財してしまうと退職金がなくなってしまいます。

そこで、少しでも退職金をうまく使おうと試みるのですが、かえって失敗してしまうことも多くあるようです。

実際に身の回りで起きた退職金失敗事例を3つ紹介します。

あるある退職金失敗事例1 退職金プラン

よく金融機関では「退職金プラン」と称して、半分を高金利の定期預金、残りを高配当の投資信託で運用する、という触れ込みのプランを売り出しています。

退職金を効率よく運用したいと思う人は、高金利や高配当の文字に目がくらみ、つい申し込んでしまうのです。

実は定期預金の金利が高いのは最初の3か月で、その後は内容がよく分からないまま、高いリスクの商品を買っていることがあるのです。

また損をすると、損を取り戻したいと思うものです。資金をつぎ込みすぎて、夜間のスーパーでアルバイトしなければ生活が成り立たない状況になった方もいらっしゃいます。

投資経験がなく、退職金で投資デビューをする人は、金融機関の餌食にならないように注意する必要があります。

どこまで利益を上げたいかを考えるとともに、元本からいくら減っても大丈夫なのかという金額を決めておくとよいでしょう。

あるある退職金失敗事例2 不動産

不動産は数百万円以上の大きな買い物になります。どうもお金があると、買わなくてもいいものまで欲しくなるようです。

ある元大学教授の話です。退職金を手にしたご主人は、専門知識がないまま、知り合いの不動産会社のすすめでリゾート地の別荘を買いました。

普通なら物件を見に行くなど現地調査をしてから購入しますが、家族に何の相談もなく、電話だけで物件を購入してしまったといいます。

これを後で知った奥様が怒って現地に行ってみると、室内は散らかり放題。現地を見ていたら、きっと買わなかった物件だったといいます。

また投資話でなくても、不必要な自宅のリフォーム工事に散財してしまうケースもあります。お金があるために、最初の計画以外の場所も新しくしたい気持ちが働くようです。

将来を見越してリフォームを行っても、いざ介護が必要になったときには、手すりの位置が違う、段差があって不便など何らかの不具合が生じます。必要以上のリフォームは無駄になることもあるので、注意しましょう。

あるある退職金失敗事例3 子どもや孫への出費

退職したからといって、急に生活をガラリと変えることはできません。現役時代と同じような感覚で子どもに援助してしまうと、かなりの額になってしまいます。

さらに、お祝い事にかかる支出も高額です。特に子ども世帯とは別に暮らしている親御さんは、お孫さんへの支出になると財布のひもが緩みがちです。

いまやランドセルが一番売れるのは、お盆に帰省する8月だとか。高額なものから売れていくといいます。

早々と生前贈与をした結果、老後資金が乏しくなって逆に援助してもらう、ということも出てきます。

とりわけ、介護がはじまると大変です。施設介護にかかる毎月十数万円の費用が大きくのしかかり、「こんなにお金がかかるとは知らなかった」とがっくりされる方もいます。

長い老後、何が起こるか分かりません。今の段階から子どもには金銭的に自立してもらわないと困ったことになります。

退職金と老後の生活費の実態は?

定年を理由に大卒男子がもらう退職金の平均額は1941万円です(「就労条件総合調査結果の概要」厚生労働省2013年)。

一方、総務省の「家計調査年報(家計収支編)平成29年」によれば、高齢夫婦無職世帯の平均生活費は、月26万3717円かかります。

それに対して収入だけでは足りず、毎月5万4519円の不足分が生じているのが実態です。2000万円の退職金をもらっても、何の収入もなければ、6年くらいで全額が消えてしまう計算です。

まとめ

退職金はいまや「ごほうび」ではなく、老後の生活費の一部としてとらえなければならない時代です。

「セカンドライフの生活設計に関する調査」(明治安田生活福祉研究所2015年)によれば、60代の人が50歳前後にもっと取り組んでおけばよかったと思うことの1位が、「老後のための資金準備」だという結果が出ています。

人生100年を過ごすとなると、どう考えても節約だけでは、とても厳しい状況です。将来のやりたいことも、お金がなければ十分に楽しむことはできません。

定年になって焦るのではなく、もっと早い段階から「老後をどう過ごすか?」について考え、お金の使い方についても計画性を持って取り組むことが必要でしょう。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 池田 幸代]