フィンテックの最前線を追う!

コミュニケーションツールの最大手が仕掛ける!

ユーザーもお店も喜ぶ決済・送金サービス「LINE Pay」

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コミュニケーションツールの最大手であるLINEが、フィンテック領域に力を入れている。その代表といえるのがLINE Payだ。

2014年12月より開始されたサービスで、LINEアプリ内で提供。2017年5月時点で国内登録ユーザー数は3000万人を超えている。

「LINEをコミュニケーションツールで終わらせず、生活のプラットフォームにしたいという思いがあります。生活者にとって、お金は非常に身近なものですよね。LINE Payが生まれた理由もそこにあります」

こう話すのは、サービスを運用するLINE Payプロダクト室 室長の池田憲彦氏。フィンテック領域では、キャッシュレスによる決済分野の競争が凄まじいが、LINEも早くからそこに参戦したといえる。そして、LINE Payでは「コミュニケーション」を軸に、お金にまつわる行動をより便利にしようと工夫している。

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ということで、LINE Payについて池田氏に詳しく聞いた。

電気代や水道代も、バーコードを読むだけで支払い可能

LINE Payの基本機能としては、オンライン・オフラインでの支払いやLINEの友だち同士での送金などが挙げられる。まず、銀行口座との連携や、コンビニ・ATMで現金を使ってLINEの「ウォレット」にお金をチャージ。そのお金がLINE Pay残高となって、加盟店での買い物や友だちへの割り勘、送金などに利用できる。

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決済機能は拡張しており、オンライン上での決済はもちろん、QR/バーコード決済や、LINE Pay内から申し込んで発行するプリペイドカード「LINE Payカード」による決済など、オフラインでの手段も用意。さらに今秋からは、「QUICPay」と提携し、国内約72万カ所での支払いもできるようになるという。池田氏は、「これまでオフライン決済は、QR/バーコードかカードを使っていただいていましたが、非接触型決済という3つ目の手法も可能になります」という。
つまり、QUICPayの国内約72万箇所で、スマートフォンをかざして「LINE Pay」アカウント残高から支払いが可能となる(※Android対応端末のみ)。

さらに、“支払い”の機能として注目されるのが、今年3月からスタートした「LINE Pay 請求書支払い」だ。電気料金などの公共料金や通販料金の払込用紙のバーコードをカメラで読み取ると、LINE Payで支払える。

なお、先述した送金・割り勘機能もユーザーに定着している。特にこのサービスで生きているのが、もともとのLINEが持つコミュニケーションツールとしてのポテンシャルだ。

「LINE Payの最大の特徴は、LINEによるコミュニケーションの延長でお金のやりとりが行えることです。たとえば送金について、銀行口座に振り込む場合は文字通り金額だけのやりとりですが、LINE Payはスタンプやメッセージを合わせられるので、お金のやりとりに気持ちを乗せて表現できます」

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そのほかにも、お店での決済や友だち同士での送金の際、リアルタイムにLINEで通知がくる。この安心感は、現金による手元のやりとりでないことから起きる電子決済への漠然とした不安を打ち消しているかもしれない。

決済を助けるだけでなく、お店の販促も支援する

LINE Payは、コミュニケーションと決済の垣根をよりシームレスにすることにも取り組んでいる。そのひとつが、飲食店の予約をチャットで代行依頼できる「ペコッター」との連携決済だ。

LINEにはペコッターのアカウント「ペコッターのはらぺこ君」があり、アカウントを友だち追加した後、トーク上(チャットボット)で予約依頼をする際に、“ごほうび”をLINE Payで決済すると優先的に予約代行をしてもらうことができる。

「ぺこったーは、これまで面倒だったお店の予約を、キャラクターとのトーク形式で気軽に楽しく代行依頼することが可能です。その会話の流れで、決済までワンストップにできるようになったのがこの事例のポイント。コミュニケーションを軸に、LINE Payの機能とシームレスに統合することで、より便利なプラットフォームを目指しています」

そのほか、福岡市では粗大ごみ収集の申し込みをLINEトーク画面で開始している。粗大ごみといえば事前の申し込みが必要だが、それらをトーク画面の中で行える。今後はLINE Payでの決済も含めて可能にすることを検討中だ。

コミュニケーションを起点に決済までつなげる。こういった機能は、ユーザーだけでなく店舗側にもメリットがあると池田氏は考える。

「LINE Payの加盟店向けサービスに『LINE Pay 店舗用アプリ」があります。個人経営のお店の方に最適な導入形態なのですが、こちらはスマホアプリで決済が可能。加えて、このアプリでは店舗アカウントをもつことができ、決済したお客さまとLINEの“友だち”になり、メッセージを送るなどのコミュニケーションを行うことができます。そうやってお店と個人がつながり、販促支援になるのが理想です」

LINEが持つコミュニケーション機能とLINE Payの決済機能を融合し、お店にとっての販売促進にもつなげる。これこそがLINE Payの真骨頂だろう。

「今後は、LINE Payの利用可能な箇所を2018年内に100万箇所まで増やすことが目標です。使える場所が増えないと『使ってみよう』という気持ちは生まれにくいですから。一度でも使っていただければ、その便利さは伝わると確信しています。ですので、ユーザーにはインセンティブがもらえる『マイカラー』 プログラムなど、ユーザーメリットを出しながら最初の体験につなげたいです」

マイカラーは、月間の支払い金額によって利用時に付与されるポイント率が0.5~2%と段階的に高くなる仕組み。さらに、今年8月から来年7月末までは、QR /バーコード支払いを利用した場合に、マイカラーで決まったポイント付与率に3%を上乗せするサービスも行っている。つまり、オフラインでQR/バーコード決済を選択するだけで3.5%~5%の還元を受けられる。こうしたメリットを打ち出して、最初の体験を促す形だ。

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利用可能なお店が増え、同時にユーザーも増えると、「コミュニケーションによる販促支援」はより加速していくのだろう。LINE Payが進む先は、そこにあるのかもしれない。

(取材・文/有井太郎 撮影/森カズシゲ)

※記事の内容は2018年11月現在の情報です