年末調整

12月の給与が増える人・減る人ってどんな人?

提供元:Mocha(モカ)

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12月の給与、手取りがいつもより多かったり、逆に少なかったりした経験はありませんか?12月の給与明細はいつもと違う…と感じる方は多いと思います。

今回は、12月に給与が増える人・減る人の要件について、年末調整の仕組みと合わせて、わかりやすく解説します。

年末調整のしくみ

会社から給与をもらっている人は、1年間(1~12月)の給与の総額から、所得税を精算することになっています。これを年末調整といい、ほとんどの会社では12月に行います。

給与明細をみると、給与から差し引かれる項目に「所得税」があります。これは、その月の給与額と社会保険料、会社に申告している扶養の人数により金額が決められています。しかしこの所得税は、じつは概算です。

正しい所得税の金額を計算するためには、扶養している家族の人数や、生命保険料などの金額をすべて考慮する必要があります。そうして計算しなおし、12月に所得税の精算を行うのが年末調整なのです。

年末調整に必要な書類は、毎年10月ごろに会社から手渡されます。具体的には、以下の書類があります。

● 年末調整に必要な書類

・給与所得者の保険料控除申告書
年末調整で生命保険料の控除額を計算するために作成します。保険料をいくら支払ったかを証明してくれる控除証明書がある場合、それらも添えて提出します。

・給与所得者の扶養控除等申告書
扶養する家族の人数を報告するための書類です。年末時点の家族の状況を確認します。

・給与所得者の配偶者控除等申告書
2018年から新たに提出を求められる書類です。配偶者の収入について詳しい情報を得るために必要な書類になります。妻にパート収入がある方は、確認するようにしましょう。

給与が増える人の条件

所得税は、課税所得に税率をかけて計算します。この課税所得は、所得控除によって差し引くことができます。ですから、所得控除が多いと課税所得が減り、税金が少なくなります。

所得控除の種類はさまざまで、項目や所得控除の額は法律で決められています。

1~12月の給与から概算で差し引かれていた所得税が多ければ、年末調整によって12月の給与と一緒に会社から支給してもらえます。

所得控除は、具体的には以下のようなときに適用されます。

● 生命・地震保険料やiDeCoの掛金を支払っている

生命保険料や地震保険料、個人年金、iDeCoの掛金は所得控除ができます。生命保険料・地震保険料・個人年金は、支払った金額をもとに計算式を使って所得控除額を算出します。

iDeCoは支払った金額の全額を所得控除できます。将来の年金が貯蓄できて所得控除も受けられます。

● 結婚して妻(夫)が専業主婦(主夫)またはパートになった

配偶者のパート収入が201.42万円以下であれば、配偶者控除または配偶者特別控除のどちらかを受けることができます。

ただし、給与をもらう夫(妻)の給与が1220万円を超えると、配偶者控除も配偶者特別控除も受けられません。

● シングルマザー

シングルマザーは、寡婦控除という所得控除を受けることができます。
寡婦控除は、夫と死別または離婚した場合で、お子さんを扶養していることが要件です。詳しくは、扶養控除について申告する書類をチェックしてみてください。

給与が減る人の原因

● 配偶者の収入が増えた

配偶者控除が受けられるのは、配偶者のパート収入が103万円以下の場合です。一方、配偶者特別控除は、パート収入が103万円超~201.42万円以下であれば、その収入額により控除額が設定されています。

配偶者の1年間のパート収入が多く、配偶者控除や配偶者特別控除を受けられない場合、給与が減ります。パート収入をチェックしてみましょう。

● 高卒のお子さんが扶養家族から外れた

0歳から15歳のお子さんには、扶養控除はありません。お子さんの扶養控除を受けられるのは、16歳以上~社会人になるまでです。19~22歳の間は特定扶養控除という控除が適用できます。扶養控除額は63万円と他の控除額にくらべて大きくなっています。

しかし、大学生だったお子さんが社会人になり、給与をもらうようになると扶養親族から外れます。

給与額はそれほど変化がないのに、扶養から外れると控除が受けられなくなるため、所得税の金額は大きくなり、給与が減ります。 なお、お子さんの年齢は、年末調整の対象の年末時点で判断します。

まとめ

12月は給与が増えた・減ったと一喜一憂することと思います。しかし、たとえ給与が減ったとしても、1年間の所得税の精算をしたからと考えれば納得できるものです。

年末調整では、1年間の給与の合計と所得税の計算結果である源泉徴収票を会社からもらいます。内容を確認するとともに、1年を振り返ってみてはいかがでしょうか?

[執筆:ファイナンシャルプランナー 山田 香織]

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