なんとなく使ってしまっていませんか?
お金の貯まらない人になる!?FPが絶対に使わないお金の預け先3選
提供元:Mocha(モカ)
筆者は子育て中仕事をセーブしていたので、覆面調査で副収入が得られるサイトに登録していたことがありました。そこで見つけたのが、「銀行に行って運用の相談をする」お仕事。
今ほどメディアに出るお仕事をしていなかったのでこれはチャンス! と行ってみたものの愕然…。窓口の人はファイナンシャルプランナー(FP)を名乗らないで! と思いました。
そこで実際に提案された、筆者なら絶対に使わないお金の預け先を3つ紹介します。
FPが絶対に使わないお金の預け先:窓口で”人気”の保険
行員:「FPの〇〇です。今日はどのようなご用件ですか?」
私:「少し余裕資金ができたので利率の良い定期などを考えているのですが」
行員:「今は金利が低いので利率の良い保険をおススメします」
私の頭の中:(え? どんな家族構成か、どんな保険に今加入しているか、他にどのような金融資産をいくら持っているのか確認せずそう来たか…)
行員:「円建て保険だと予定利率が低いので外貨建て保険が人気ですね」
私の頭の中:(人気は特に興味ないんだけど…)
と、何かと保険推し。保険の期間設定が70歳など根拠のない年齢でしたので(保険期間が長いほど手数料率が上がる保険会社が多い)、その保険を選ぶ理由がコミッション狙いとしか思えないものでした。
また、外貨建て保険の場合、往復の為替手数料がかかりますし、その他の手数料も円建ての保険より高くなる傾向があります。
そもそも保険は運用商品ではありません(相続や保障のある運用機能商品ともいえますが)。保険は貯金でまかなえないようなリスクをカバーするために利用するものです。
もちろん、保険に入るべき人もいるでしょう。しかし、自分のバックグラウンドの確認があいまいなまま提案されても運用はまずしません。
FPが絶対に使わないお金の預け先:銀行のさじ加減で結局不利な仕組み預金
保険はちょっと…とためらっていると、今度は仕組み預金を提案してきました。
行員:「満期までもてば元本割れしませんし、だんだん利率が上がっていきます。外貨建てならより利率もいいしおススメです」
私:「途中解約したらどうなりますか?」
行員:「元本割れします。また、銀行の判断により満期日が延長されたり繰り上げされたりすることもあります」
私:「外貨の仕組み預金は、持っている円で預けるんですか?」
行員:「外貨で預けて運用し、外貨で受け取ります」
私:「では、預けるときも円で受け取るときも為替の手数料がかかることになりますね」
行員:「そうなりますね」
ここまでのやりとりで仕組み預金を理解できましたか? わかりませんよね。
仕組み預金は、デリバティブと呼ばれる手法を用いた預金です。預け入れる期間や受け取る通貨(外貨を利用するタイプの場合)は、銀行の都合で調整されてしまいます。
さらに、途中解約したら元本割れしてしまいます。とても複雑でわかりにくいため、まず利用しません。上の会話文を見るとリスクや注意点をなるべく伝えないように見えますよね。
FPが絶対に使わないお金の預け先:旬が短いテーマ型投資信託
あまり知っている感じを出すと覆面調査にならないので、気を取り直して話を聞いてみました。
私:「ポスターに今話題のAIとか書いてありますが、あれはなんですか?」
行員:(それ来た!とばかりに)「いいところに気付かれましたね。これからAIの時代になってくると言われています。AI関連企業に特化している投資信託なので将来伸びていく可能性が高いですね」
私:「なるほど。ちょっと投資は怖いので家族と相談してまた来ます」
リオのオリンピックが決まった時は「これからブラジルが来る!」とブラジルに投資する投資信託、AIが話題になればAI投資信託…などと、何かに特化したテーマ型の投資信託は確かに目を引きます。
しかし、投資信託は長期で運用するのが基本だと考えています。テーマ型は旬を追いかけているので長期投資に向かず、一時期値上がりをしてもすぐに陰りが見えてしまう傾向にあります。
投資信託の購入時にかかる販売手数料や、保有中にかかる信託報酬も高めに設定されていることが多いため、利益を出しにくい構造になっているといえるでしょう。
また、その国や業種など、投資先のことを理解しないまま(その行員さんはAIが何の略がご存知なかった)投資するのはリスクが高すぎるので私は長期投資としては預けません。
まとめ
たまたま担当していただいた行員さんからのご提案でしたが、私はこの3つすべてに預けません。
しかし、金融機関のご提案そのものを否定するものではありません。「いくらあるから何がいい」と余裕資金の額だけで預け先を判断することはできない、ということです。
お金の預け先は、家族構成、住宅所有の有無、他の資産構成などさまざまな情報を総合的に判断して考える必要があります。
ご提案はあくまで情報の一つとして聞きながら、鵜呑みにせず自分にとって本当に必要で向いている預け先なのか、自分の視点で考えていきましょう。
[執筆:ファイナンシャルプランナー 稲村優貴子]
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